第三話 恭介と異世界と転生の話
女神と別れドレッドアの大地に降り立った財前恭介です……ってか、目の前が真っ暗で何も見れません…
ここって一体何処ですか……答えて下さい女神様……グスン
「あ、そうだタブレット…」
タブレット電源を入れれば少しは明るくなると思い急いで電源を起動する
ピロリロリ~ンと音が鳴り問題なく起動できたようだ…
「って、洞窟……いや、地下神殿か?」
真っ暗な洞窟の中に威厳漂う神殿が存在していた…呆然としているとピコンと音が鳴りメールの着信を知らせてきた
「ん?あ、これって女神様か?」
{タイトル:無事到着できました?}
「え~と、中身は何かなっと…」
{ごめんなさい、どうしても財前さんが降り立つ場所は私に関連がある場所になってしまいました、そこは古代文明の地下神殿です.
タブレットに周辺の確認ができる地図を付与しておきましたので活用してくださいね
では新たな人生を楽しんでください}
なるほどねぇ……よく小説なんかじゃ森とか草原とあったけど俺の場合は地下神殿からスタートっすか…
「そういえば、俺魔法使えるんだったわ……えっと照明に使える魔法ってあったけ?」
そう考えると頭の中に小光球の魔法が思い浮かんできた
「すごいな…えっと我れ求むるは優しき明かり…小光球…」
うぉ!!いきなり目の前が明るくなった!!ってか眩しいな!!
ゆっくりと小光球と呼ばれる光の玉を自分の頭の上ぐらいまで昇らしていく
「結構明るいな…LEDぐらいかな?もう二・三個あげとくか…」
そう言って小光球を作り出した
「さてさて、とりあえずは地上に出ないとダメだよなぁ…そういえばタブレットに周辺地図が…ん?この赤い点はなんだ?」
あれか?魔獣ってやつか?って消えていってるな…なんだこれ?
恭介が進む洞窟は基本一本道だ、仕方なく歩いていくと先ほどの赤い点が消えていった場所にたどり着いた
「なんじゃこりゃ…」
目の前にはここに生息してた魔獣であろう巨大なサソリの怪物が所狭しと存在していた…死骸でだが…
「結構固いな…簡単に引き裂いてるようにも見えるが…一体何があったんだ?と言うかこいつら何?」
そうつぶやくと、一瞬左目に熱を感じる…痛みと言うほどではないが眉をひそめるぐらいだ
「なんだ?ってあぁ、これが解析の魔眼か…」
目の前のサソリの魔獣に目を向けるとフィルター越しのような感覚で周囲に文字が浮かび始める
※甲殻型スコーピオ種の魔獣
バルトスコーピオ(死骸)
討伐ランクSA
魔素の充実している地下に潜む中型魔獣、後部の先端にある毒は黒死毒と呼ばれ暗殺者に好まれる
「凄いな…解析の魔眼…」
「ギャオォォォォォォォ!!!!!!!!!」
「な…なんだぁ!?」
びっくりして巨大な雄叫びが聞こえた方向に振り向くと、そこには白銀に輝く巨大な龍が存在していた