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召喚  作者: 黒龍藤
第三章   道行き  友達に会いに行こう
75/239

75 呼ぶ、という事は

   

 目を開けたら、そこは宇宙空間だった!


 なーんてね。つかさ〜、マジでここどーこ〜。

 周囲は黒い。とゆーか暗い。でも明るい。んでもって何もなーい。けど、遠くに小さな瞬く光が見える。夜空を眺めてる感じ? う〜?


 「うおっ!?」


 体を動かしたら、ぐるりんって回った。

 …助走してません、俺にその場で一回転する技能なんてねーって。足元にもなーんにも無い。台も支えも無い状態で、一ヵ所にふわふわ浮かんでる。そんな状態ですかねぇ?


 「うわー」


 下を向いても横を向いても同じ状態。 無重力状態って、こんな感じ? 俺の呼吸どうなってんだ?


 そんな事を思うが静かだ。ほんとーに静かだ。


 「えー…  誰かー、いませんかー?」


 空間に吸い込まれて反響することもなく、消えていった。


 「これで下に落ちていったら… 永遠に落ちそうだな。ってか、止まるんだろか? 止まるならどーやって…」


 とかなんとか思ったが、これ以上言ったらナンかのフラグ立てそうで怖いから止める。


 止まらず、ずーーーーーっと落ちるって何の拷問だろ? 恐怖で心臓が止まるっての。いやもしかしたら、死んでも落ちるのは止まんねーんだろか? 


 一瞬さー、宇宙空間で止まらずにって考えたら「それ彗星?」とか思ったけど… 俺なら単なるデブリになりそーで怖くていやー。



 怖い事を考えた所為? 今まで何とも思わなかったのに、ちょーーっとだけこの状態が怖くなる。でも、違う意味では怖くない。…何時か感じた、暗い中の厭らしい澱む気配を感じない。


 「見上げてる上って、ほんとに上か?」



 四方八方何処も彼処も同じに見える。違いが見つけられず、目印になるよーなのがねぇ。何処に向かっても同じなら、どっかに向かって動いた方が良いような気はするが〜。うっあ〜。


 見えるから、ダメなんだろうか? 良く言うよな〜、心眼で見ろって。

 えーと、はて? リラックスした感じが良かったんだろか? それとも格好良〜くそれっぽく構えた方が良いんだろか? …無重力っぽいこの状況なら、いろんなポーズが取れそうだな。


 「うーぬぬぬぬ」


 まぁ、誰も見てないだろーし。 格好良くナンかのポーズでも… はっ! いやいや、そう思っていたら見られてるって! そんな漫画いっぱいあったって! よし、とりあえず、リラックスでどっかのクマな感じで〜。


 目を閉じて、「ほぅっ…」って息を吐いて、だらーんとしてみた。



 ゆったりと波間に揺蕩う感じで、いた。









 


 

 ……………………………はい、何にもわかりません。特に変化ありません。やっだな〜。


 けど、そのまま〜 だららーんとしてた。



 「あ!」


 跳ね起きた。勢い余って、ぐるっと前方一回転〜。やばい、まじすげぇよ。

 

 それで唐突に感じとった気配に振り向く。

 振り向いた先には誰も居ない。けど、見つめた。何一つ変わらない中、そっちだけを見つめ続けた。



 「うわ、おにいさん…  おにいさんだよ!  そーだよ、この気配!!」


 叫んで理解した。


 これは夢だ! 夢でないと、宇宙空間っぽいとこで生身で居られる訳ないってぇの!


 「そーいや寝る前、おにいさんの方がどーたら思ったな…  そうか、その所為か! あ、それともまさかでおにいさんへのメール便は自分自身でお届けなのかっ!?  いや、ナンかの条件がクリアされて今やっと発動とか! 本気でそんな感じだったりぃ?」



 ちょっとぼーぜんとしたけどさ〜。

 この機を逃してなるかい。俺の方からはどーやっても会えねーっての。だけど今なら会えそうだ! すげぇ! 行って驚かしてやろーっと。そ・れ・と・ハージェストとどーゆー知り合いだったのか、絶対聞き出さねーと! 何で知り合えたのか、ぜ〜〜〜〜〜ったい知ってるはずだからな!



 「せ〜え〜のっ とぉ!」


 思いっきり反動つけて、気配を感じた一角に向かって飛んだ。そっからふっつ〜うに駆け出した。





 「はあ、はっ…」


 走っても走ってもなかなか近づけない。景色ってか回りに全く変化ないから、何処まで走ったとかどんだけ時間が経ったとかさっぱりわかんねー…


 疲れとか感じなかったのが、何だかちょっと疲れてきたよーな… 回りに変化がないから気分もイマイチ上がらね〜。でも、気配は強くなってきた。


 もう絶対間違いない、あの人だ。


 走りながら、少しだけ後ろを振り返る。

 …見た感じ同じ過ぎて、最初に居た場所なんかわかんないね。やっぱ絶対会わねーとな〜。…ところで、この夢どーやったら覚めんだろ?




 「はあ、う〜あ〜〜〜〜〜〜〜っ! おにいさーーーーん! ちょっとキツいんですけどーーーー!!」



 気配ははっきりしてる。けど捕まえられない、辿り着けない。まるで蜃気楼か陽炎でも追っかけてる感じ。泣きそうですよ?



 「おにいさーん! 待って、ちょっと待ってくださーーーいっ!  あ、の!    お・れ、 で… 」


 

 叫ぶ内に声が萎んで走る速度が落ちて視線が下がって走るのを止めて、 止まった。

 止まって、遠くに見える気配を呆然と見た。


 今、俺は名前を言おうとした。気付いて貰う為に、自分の名前を言おうとした。


 でも、あの人、俺の名前知らないよ。もしかしたら… 知っているのかもしれないけど。俺は名前言ってねーよ。


 あの人の名前を知らない。俺は、知らない。




 知らない。

 名前を知らない。


 知らないのは… あそこで言われたからだ。疑問はあっても… あの声と雰囲気に、俺は了承したんだ。了承したから、その後も聞くことはしなかった。



 立ち止まったままで、気配を追う。強い力にわかる。追える。

 けど、向こうからは… 俺の気配なんてちっぽけ過ぎて気付かないんじゃねーの?


 名前を呼んで気付いて欲しいと思ったけど、名前を告げる機会は無しにされた。呼びたい人の名前すら知らないなんて、知らないでいる事を了承するだなんてさ。よー考えたら笑えるわ。


 あの時の判断が間違いだったとか、思わない。


 印も… 貰ったけど、ほんとは初めっから会う気なんて… なかったんじゃないだろうか?




 だってさ、気が付いた。

 印。貰ったはずの印が無い。


 貰ったあの黒い玉。金と銀が煌めいた。

 思い浮かべて念じてみたけど、気配も手応えも感じられない。あの人の気配を追える此処で、俺の中にあるはずの貰った印の気配はわからない。


 ………どうしてだろうね。


 あの人の気配を目で追う内に、不意に、何をどうしても埋まらない溝ってのはあるもんなんだと。 そう、思った。




 少しの間、そこで黙って見てた。

 届きそうにも無い気配と、気配が染める煌めきを見てた。







 ……ダメだ。変に黄昏れてんじゃねーの。とっとと行かねば。このままだと俺マジで迷子のままだって! 勘弁してくれ。


 せーの!


 「おにいさーーーーん! 本気で気付いてくださいってばぁーーーーー!」






 必死の本気で走ったら、影が見えた!

 そっからどんどこ走ったら、後姿が見えた! やっりー!!


 その代わり、息がぜぇぜぇ切れてぇ声・出なーい。はぁ〜。


 「お、にっ  さぁ〜   うあ!?」



 え?なんか、どっか抜けた? なーんか当たって抜けたみょ〜うな感覚したが…


 周囲を見渡しても特にわかんねー。でも、今度は後姿がはっきり見えた!距離がまだあるけど、ばっちりだ!


 宇宙空間なとこで仁王立ちの後姿。微動だにしません。


 「おにいさーん!」


 残念! まだ声は届かないよーです!

 しかしもう姿見えてるからな。やる気上がって駆け出した。そんで気が付いた。


 おにいさんしか見てなかったが、後ろの離れ〜〜た位置に人影があった。よーく見れば左右に一人ずつ。おにいさんからも距離があるし、二人自身離れてる。

 え〜、三人の立ち位置は〜、二等辺三角形な位置っぽいよーな。その人達も向こうを向いてるから後姿。


 なんかしてるんだろか? しかし誰も動いてませんねぇ。


 「おにいさーーーん!」


 早よ、気付いてくれんと俺疲れてきたから〜。

 そしたら、左右の人が気付いてくれた! 二人とも、こっち見たあ!



 ……………えー、ノーリアクションってなにー。ひどくねー?


 しかしゴールはもう少しだ! ラストスパートだ! 


 左右にいる二人の間を抜けて、張られてもないゴールテープを切ってゴールに辿り着こうとした。

 左側の人が手を振った。


 そしたら、わからなくなった。




 「え? なに?」


 見える物は変わらないのに感じが違う。さっきまで無かったモノが此処にある。それが何かわからない。


 「な、 なにが」


 立ち止まって何度見ても視覚は変わらない。

 でも、怖い。ヤバい、マズいの警鐘を飛び越えて『怖い』が出てくる。


 「あの、どなたですか!? すいません! おにいさん呼んで欲しいんですけど!」


 右の人は前を向いて、もうこっちを見ていなかった。だから、左の人にお願いした。間違えて受け取られない様に、おにいさんの背中を指差した。


 その人の口元が上がった。笑った? 指を弾いた? 

 感じる恐怖が増大した。



 「え? え、え、え?」


 訳わからん体感に恐怖で震えて立ってられずに、おにいさんの方へ走って逃げた。


 ゴツッ!


 「いだ!」


 鼻の頭から額からぶつけた。痛い。そう高くもない鼻なのに!


 ぶつけたモンを睨んだら何も無い。目の前に広がるのは宇宙空間です。


 

 

 ぺた・ぺたぺたぺたぺたぺたたたた〜〜〜。


 手を伸ばしたら壁があります。反対側から見たら、完璧なパントマイムしてると思います。



 「なに、この壁〜」


 ぞくりとするモノを押し殺して笑ってみたらば、伸ばしてた腕が押されて下がった。髪に流れる圧迫を感じた。


 「う、わあ!」


 見えない壁が動いてる。体がずりずり押されて下がる。壁から離れて元来た道を引き返そうとした。


 ゴン!

 

 「いたあ!」


 十歩も進んでないのに見えない壁に、またぶつかった。


 ぞっとした。右に走った。


 ドンッ!


 肩が当たった。

 肩から何度もそこに当たってみたが、壁がある。見えない壁が俺を押す。押されて体と足が、ずずずずずっと下がってく。


 「ひっ!」


 壁に背を向ければ、左側の人が見てた。表情がどうしてもはっきりしないけど、薄く笑ってる気がした。それから俺に背を向けた。


 「どうして!なんで! ココから出して下さい!!  ちょいっ、聞いてますかっ!?」


 そっちに駆け寄れば、壁にぶつかる。

 ずりずりずりずり、体が後ろに下がってく。


 見えない四方の壁が迫ってくる。  それって、俺、潰れるんじゃね?



 「この!ちょっ!なんでー! おにいさーーーん!」


 どんどんどんどん壁を叩いて蹴り入れて、



 「あ、あ、あ、ああ。 わああああああああああ!!!」



 気が付いたらスペースなかった。

 

 背中と腕で後ろの壁押して、足を突っ張って前の壁を押す。必死で押し続ける。でないと俺が潰れる。けど、力は止まなかった。四面からの力は俺を潰そうとした。


 足がぐにって曲がって腹を押す。肩が左右からぐいって押されて骨が鳴る。頭を上から押されて首が下を向くけど、これ以上曲がらない。


 それでも押される。曲がれって押される。


 

 あ、死ぬんだ。



 そう思ったら、どうしてかな? 


 力が抜けた。


 夢で死ぬんだ。夢でも血は出るのか、な? 


 なんでかそんな事を考えた。

 どっかがミシッとかブチッとか、グチャって感じの そんな音 聞こえた気がするよ。















 俺は足下を眺めていた。

 これ以上ない久方ぶりの楽しみに笑っていた。最初の仕掛けを施して、幾年いくとせ経ったかも定かには覚えていない。

 思い出そうとすれば、あれこれ思い出すが量が多過ぎて煩わしい。過ぎ去りし時を指折り数える趣味も無い。そこら辺は本気でどうでもいい。


 「主様、長の時が至りました。ようやっと、ようやっと三界を滅ぼす事が… この命が尽きる前に、この目で見られる事を真に、真に嬉しく…」


 「我が主よ、仕掛けに結びは程好く。今のこの時、あれらが離れる事は不可能です。後は時の至り。内側から膨れ上がる力に、主の力が加われば纏めて落ちるは必定」

 「どれだけ藻掻こうと連なる時が留まる事はなく。滅びの確定です。新たに生まれる事の無い滅びの確定なれば…! ああ!」


 この場で付き従う二人の内、一人が嬉々に顔を綻ばせ歓喜を上げるのに俺も笑った。


 三つ纏めて界を落とす。

 小さくもない界を歪み無く連ねさせ、世界を落とす。星辰を落とす。星辰の落花から始まる弥漫びまんに、どこまで花蕊かずいが持ち堪えるだろうかなぁ?


 笑う、笑う、笑うわ。

 

 気付きし時にはもう遅い。

 足掻く事すらできずに虚脱を得て、内から腐り落ちて散りゆけば良い。





 あ〜、三連複で気分が良いな〜。時間を掛けただけはあったか。


 「主様、そろそろ仕上げと参りましょう」


 殊の外喜ぶ姿に、そう言えばこいつはと思った。




 足下から感じる星辰の震えに笑いが止まらん。遊戯ゆげだなぁ。  さぁて、我が遊化ゆけを知るが良いぞ。

 



 悦に入って、機嫌良く力を込めた拳を振り下ろそうとした。


 俺の真後ろで、俺の力が、俺に告げた。  死に至ると。故に帰り来ると。




 振り向いた。

 見えたモノがわからない。いや、わかるが?   何故に俺の夢の子供が俺の前で死に至るのか?



 俺の。






 「我が主よ、如何なされた?」

 「主様? 何か…  ああ、お目汚しが。 直ぐに片します故に、お許しを」



 更に小さく潰れて消えろと振るわれる力に、力を振るって手元に取り寄せる。


 「え? 主様」


 力を解して散けさせ、失せゆけば微かでしかなかった俺の力が確実に包んだ。…主軸にずれがある。その理由に至れば嫌みに笑いが込み上げる。

 見据えて笑う己の面がどうなっているか、わかっているとも。



 


 仕切る。

 視線でスッと空間に力を滑らせ、形作り、望む形に生りして在れと存在させる。


 生まれた室に、夢を抱いて身を滑らせる。



 「主様!」

 「我が主よ!?」 


 俺の基軸に室の軸を重ね合わせて、内部を強制位相させる。


 形在りし寝台の上、和毛にこげのみで縒り合せたケットの上に夢の形を取り出した。


 静かに横たえる。


 潰されて歪んだ形が広がりに姿を取り戻すが、その身を投げ出す様が壊れた物のよう。保つ人の形はどこか歪で、開いた目はどこも映していなかった。色は恐怖に縮こまり、俺を映さない表情は恐れしか表さない。



 「…そうか、かけて来たのか。は、はは。 そうだな、そうだったな。姉ができたなら、お前もできて不思議ではないな。しかし、お前は違っていただろうに。 …まぁ、そうだな。必要なら幾らでも動かせるものではあるな」


 俺の力。

 俺が与えた力は正しく発動した。した故に損なう事無く此処に在る。


 魂に俺の力を与えない。

 与えれば、それは隷属に等しい。俺の子が、俺になってしまう。だから、魂を包む器に与えた。渡す時にも細心の注意を払った。最後の至り、器が死に絶えた時に魂を大事に包んで引き上げ、あの時の状態に連れ戻す。


 器は死んでいない。繋がりを維持している。維持する以上、俺の力は発動しない。消滅に向かう魂の気配に器が反応し、反応によって力も発動した。消滅などさせん。


 させんが時間のずれに望む形が崩れた。



 「…なぁ? よくあの界を抜けて来れたな。言ったろう? あそこは守りでがちがちだと。出るにしても、ある程度クるもんなんだよ。出ようとは思わない方向にあるんだよ、あそこは。

 だからな、あそこにお前が降りた事でそっちの心配はしてなかったんだ、本気で。 …どうして出ようと思ったんだ? そんなに嫌な事でもあったのか、ん?」


 語りかけても俺の子は何も返さない。


 俺の力が包んでいる以上、失われる事はないが形状を失うことは別だ。力を与える事は簡単で、形状を保てる様に整える事も簡単だ。


 但し、手を出しすぎれば俺の色が付く。許し難い。



 寝台の上で俺の子を抱いても反応は鈍い。

 …形状が保てぬでも、色は変わらない。長き時を掛ければ違う形に変わる事も整う事もあるだろう。無いかもしれんが。


 形に拘らなければ、このままでも良い。 良いが俺が望んだ、俺が望む形は失われる。


 俺が、この俺が。

 正しく今ある形でと約した俺の言に俺の感情が。  ああ、許し難し。




 力から今一度、器を作る。過去に作り上げた器の再現は他愛ない。

 

 「ほら、お前の器と同じものだ」


 作り出した肉の身に魂をゆっくりと沈める。崩れるものを留める為に、この形であると沈めるが繋げてはならん。繋げれば、息づく本来の身が終わる。それもまた許し難い。


 包む力を薄める。


 「いいか、型だけ思い出せ。お前の形だ」


 肉の身を腕に抱く。

 思い出せと囁きながら、界を見る。視界を広げ、世界を定め、落とす点に視野を狭めて降りた器が何処であるかと探す。


 寝台で眠る姿に、薄れる繋がり。


 与えし物を探せば、離れた場所にある。力足らずも感知に動こうとしているのに薄く笑みが零れた。手中で練った力の欠片を界の脈動に合わせて滑り込ませる。



 如何に守り固めても、どうしようもない場所に隙間ってのはあるんだよ。なければ作るまで。



 鼓動から躍動を。

 取り戻した身を翻し、器に向かうのを見て良しとした。




 「大丈夫だ。あるがままに返してみせよう」


 腕に抱く生み出した肉の器をゆるりと撫で上げる。 目蓋を、頬を、唇を。 ゆるゆると撫で、恐怖に形作られたものを解かそうと試みた。


 つと、考える。







 『主様、主様! 時が移ろうて参ります!長きに待ち申した時が移ろうて、戻らなくなります! 夢にまで見たこの機会が失われます! どうか、お出で下さい!主様!』



 思考を遮る聞こえた哀願に笑った。

 

 そうよなぁ、失われるのは辛いものだ。俺の力を与えぬでも戻す術はある。如何様にもあるが、今一番最適なのは移す事だな。


 

 与えれば良い。染まる色とは関係ない、命の水(アクア・ウィタエ)を。


 『主様!』


 お前は何を望み何を誓ったのか。誓いと引き換えに与えた。



 寄越せ。

 お前が成したる事でこうなったのなら、お前が戻せ。 俺の子の為に。 力は不要。想いも不要。そんな余計なモノは一切無用。


 ただ俺の子に、純粋な命を寄越せ。



 

 「来よ」


 「あっ! 主様!」


 仕切った界を開いて招き入れる。寝台の上で俺の子を抱き締め、片手を伸ばす。


 「こちらに来よ」

 「主様… その者は? いえ、それよりも!! 宿願たる時が、滅びへの時が過ぎ行くのです!この機を外しては叶いません! どうかお力をお振るい下さい!」


 「この機を外した所で永劫叶わぬモノでもないわ」


 「主様!! この身には耐えられません!」

 「それが?」


 「主様! 我が宿願をご存知でしょう! それを…!  何故です!?」

 「俺の子に何をした? え? 俺の子はお前に何と言った?」


 「は? 主様の… お子? え、主様にお子がいらしたとは え?  只の一度も」


 「俺の愛し子に、よくもまぁ仕出かしてくれた。俺の元で、俺の子を、俺の配下が潰そうなどと想いも依らなんだわ」


 「え、あ… 」


 「悲願、宿願、嬉々たる望み。お前に取って長きに渡る時故に、安全策に消そうとしたか?」


 腕の中の顔はまだ強張ったままだ。可哀想に。



 「お待ちください! それは、いえ、その者は主様の名を知らず! 礼を取らず! 我らが制止に耳を傾けず! 気持ちだけの仕置きをしただけで、消そう等とは!」



 「この子が見ているのであれば、黒の花火を上げる事に是非も無し。どこまでも盛大に華やかに上げてやったわ。 来よ、その命で我の愛しき夢の子の命を繋げ」


 「あ、あ、お待ちを!   …ああああっ!!」





 手繰り寄せ、硬直した身の核へと手を伸ばす。顔を寄せ、大きく開いた目を覗き込む。視線を合わせ、指を、手を、身の内にずぶりと沈めて核を抉る。


 「ひぎっ」

 「黙れ、この子が怯える」


 「あ・あ、 ……………っ! 」


 ダンッ!


    …ゴッ、  ガツ!     



 五月蝿いから蹴り倒す。

 だが、引き摺り出した核と身は繋げておく。鮮度が落ちるといまいちだ。


 手にした脈動する核をじんわりと握り締め、命を搾る。手を握っては開き、脈動に合わせて搾り落とす。


 「ゆっくりな、馴染む様に時を掛けてゆるゆると満たしてやる。 そら、息を成せ」



 ぴとん、ぴちょん。


 器の上に滴り落ちる力が波形を描いて広がり器に浸透する。広がる命の気配が空間を満たして安らぎを与える。縮こまり、怯えていたのが徐々に弛緩してゆくのに笑みが零れた。


 「そうだ、それで良い」



 俺の手を伝い落ちる水滴に唇を寄せ、べろりと舐める。

 この程度なら構わんと思うが… 直に与えるのは止めるべきか? しかしなぁ… 形状を取り戻すのに反応が遅い。ゆるりとするが良だが、時を掛け過ぎ本来の器が保たなんだでは意味が無い。仮初めの器に馴染み過ぎてもいかん。


 核に口を寄せ、直に吸い取る。



 「…………!! っ!  ぃ!  ぃぃ! ぎっ………っ」



 ずるりと吸い取れば、黙れと言ったに守り切れぬ痴態に嫌気が指す。


 こんなモノは捨て置くに限る。



 肉の器の唇を舌で舐め上げ、開けと促す。僅か開いた歯列に舌を滑らせ広げさせ、口に含み弱めた力を流し込む。口腔内を満たすのに飲めと促す。


 内から、自らを構築せよと流し込む力に少しずつ反応するが、あれっだけ弱めたというに!命の水であるのに! 何故だ!何故、俺の子は含み飲む事を怯える! そんなに口いっぱいに飲ませとらんぞ!


 最後には零した…  嘘だろう?


 腹が減ってるのに、与える飯に飛びつけないこの状態。ちまちまちまちま食ってるのはわかるんだが…… 弱い。弱過ぎる。


 ……本当に、俺とはえらい違いだ。だがそれもまた好し。同じでありて違うのだから。



 「そら、まだイケよう? もっと食え。怯えなど要らんぞ」

 

 『我が主よ、お許し願いたく』


 控えめでも外の声に不快を思うがな。


 「入れ」

 「有り難く」


 静かに歩み来て畏まるこやつは、まだ良い方か。


 「時が過ぎ行き、落とすに足る時は残り僅かです。出過ぎかと思いますが… 落としたく存じます」


 今でなくとも可能なものよ。


 「我が主よ… 僭越でありますが、星辰の落花を心待ちにしている者は他にも… 皆、この時の為にと力に心血を注いで参ったのです」

 「それで? 俺の子を潰すのを良しとしたか」


 「は…?  我が主よ、お子が… おられました、のか…?」

 「俺に一々、報告する義務があるのか? え?」


 「いいえっ! 我が主に責など!  お心頂ける時に、お教え下されば。  あ。 おめ、でとうございます。  祝いが、遅くなり…  あ、いえ、今、え… 祝いは今の状態ではなく! え、あの、ちが! 違います!! 今の状態を祝うなど有り得ませぬ!! 


 …い、命をお与えでしたら、目覚めも直ぐの事でしょう。ならば、お子にも落花の様をお楽しみ頂ければ幸いかと所懐します。 如何でしょう? 宴の中で目覚めるのも善き物かと」


 「…五月蝿くないか?」

 「お子は晴れの祝いはお嫌いでしょうか? 落花は壮観です、きっとお気に召します! 音を怖がられるのでしたら… 最後の余韻だけでもどうでしょう? 今度は見たいと思われるのではないでしょうか?」



 「………………良かろ。 許す。これで落として来い」

 「畏みて。   ぐっ… ぅ あ!」



 与えた力に蹌踉けまいと踏ん張る姿に、薄く笑った。腕の中の子が安定してきたのにも気分が上がる。



 …ぴ、ちゃん。


 搾り取って萎んだ核をその身に投げた。


 「待ち望む時だ。あれが仕上げる。楽しく見るが良い」

 「あ、……ひゅ  主、様。 我は、我が身は、御身に 尽くして 」



 「あ? 生きておろうが」

 「なが、き、に渡り て  仕え    この、ときを   御身と とも、に」



 俺は野暮では無い。鈍くも無い。至る心情も、掛かる苦労も労力も。行いし者の想いとて計ってやる。


 その上で俺は選択する。

 長きを共にしている配下と、満たぬ時しか過ごしていない俺の子と。



 夢の子供(俺自身)に決まっとるわ。


 俺とお前で比較になるか。それはおこがましいと言うのだ。



 情愛の何たるかを、種類に依る違いを知り理解し、感情を踏まえた上で俺は俺自身を愛す。

 特定を傍に置かなんだから、良い年になっても真の所は知らぬと勝手に思い込まれるのも迷惑千万。


 思い出せない程度ではあるし、だからと言われてもなぁ。これだと思う物の違いは誰にでもあるもんだろが、まったく。



 「お前は気に入りだった。気に入り故に重宝し、愛玩した。 そら、望みし時がゆくぞ」


 比べるべくもない物を界から放り出す。

 あんな状態のモンを目にして、怖いと泣いたらどうする。








 顔色の良さに安堵して、寝台でくつろいだ。



 腕に囲う肉の身を、手のひらで撫でながら先に掠めた思考を再び考える。


 …あの時だ。

 もしもあの時、違う道を歩ませてやれば、こんな事にはならなかっただろうか?

 



 俺は樹の道を示していざなった。

 一番わかり易く近くにあり、俺の力が不要であったから活用した。だが、少しばかり手を掛けてやれば全く別の道があった。自力では決して探し出せない道があった。


 樹の道は思っていた通り、渡り切れずに失敗した。ほぼ失敗すると読んで誘った。そこに試しも確認も、約束も考慮に入れて、俺の思惑で道を示した。


 手を取った。

 それから、俺にしてみせた。上手にしてみせた。


 決めたは、過程あってこそよ。



 

 腕の中の顔に視線を落とし、額を撫でて髪を梳く。

 頬、顎、首、肩、胸と撫で、内の形が等しく状態を維持しているのを確認する。腹、腰、陰部、臀部、太腿、足の爪先に至るまで、手を滑らせて肉の器の上から確認する。



 これは気付いていない。


 別の道があった事に気付きもしない。そんな力は無い。 知り得るは俺一人。


 別の道に誘えば、界から弾かれもせず全く違った形になった。

 その後、あれに会いに行ったとしても全く違う形となって、仮に今と同じく翔たとしても俺の配下にこんな目に遭わされる事は無かったろう。



 気付かれず、思い付かず、至る原因すら掴めない。


 行われし、裏の意を悟れない。悟る事が無い。



 ならば其は、罪足り得るか? 罪と呼ぶか?

 己が意の選択に罪の意など無し。 罪と称するに非ず。成り得ず、成り立たず。


 密意はどこまで繰るが根源ぞ。 未必はどこまで示すが肝要で、どこで許すが寛容だ?



 なれど時は過ぎた。

 過ぎたるが、これは何が責と成す? 何に返す不手際か。


 故有りて、事有らん。







 「ひ、ぅ」

 

 俺の子が、小さく声を上げた。













 「ひ、ぃあ… い、た、いたい。いたい! うあっ! 痛い、痛い、いたあああああああああああ!!」


 「どこが痛い?」


 「痛いぃ!」

 「どこが?」


 「ぜん、ぶっ…     ?」


 目ぇ開けたら、おにいさんが居た。


 「どこが痛い?」


 自分の体を見下ろしたら、ナンも変わってない。怪我も傷もない。


 「あれ?  …あれ?  痛く、ない?   俺、潰れ、た  はず」


 自分の言葉に体が震えた。


 「潰れてなどない。何処も変わってない。どこが痛い? 言ってみろ」


 ギシッと音を起てて隣に座り直し、俺の肩を軽く叩いて頭に手を遣り、くしゃくしゃっと髪を掻き混ぜる。以前と同じ、この手だ。

 

 「怖い夢を見たな。あんな所で小さくなっているのを見つけた時には、心底驚いたぞ。 本当に… お前は俺を驚かせてくれる」


 肩の手が頭に回ってグイッと引いたから、そのまま寄っかかる。

 顔は苦笑してる。


 …あんな所ってのが、『道端』に変換されて聞こえるのはどーしてでしょうか?


 「迷子になったのか? 一人で、しかも剥き身で翔たら駄目だろう?」


 なんか優しい口調で叱られてますがな…



 「え、ええと… ですね」

 「今度翔てくる時は、与えた加護の光を纏うなり供に引き連れて来るんだぞ」


 「あ、そうだ!! 印の玉が無いです! どうして!」

 「体にやったろう? 翔たら重くて持てん。維持できん」


 「え… 」

 「だから、そういう時には光の方だけをだな。安全と迷子対策にだな」



 光を纏うって… そんなんできんの!? えー、なにそれすごい。羽衣じゃなくて光の衣ーって違う。


 なんつーか、ショックでボケた顔しておにいさんを見た。

 おにいさんも、『なんつーかな』な顔してた。そのまま顔見合わせてたら、いーろいろ思う事が上がって何から言っていーのかわからんなるんだけど…


 「あ、のですね。俺、 名前、知らないですが」

 「ん?」


 「…誰かも言ってた。名前も知らないって」

 

 「……あ〜、名前か。  ん〜、まぁなんだ。 あのな、俺は結構長く生きててな。それだけじゃないんだけどな? 重くなってるんだよ。俺は重い口なんだ。比例して名も重いんだ。

 その時は良くても、後々重くて辛くなる。意味に気付かない内は良くても気付いたら終わり。そんな所もあってなぁ。気軽に教えてやれなくてな」


 言われた内容にナンかで聞いたよーなとも、あぁそうなんだと妙に納得もしたけど、それってリアルじゃ痛い話じゃね? 誰にも呼んで貰えない方向になると、そっから悲嘆な話とか悲惨な話とか陰惨なそういった傾向のほーへ…


 「ん? どうした? …もしや可哀想系の思考回してるか? 思い込みは止めろよ?」


 逆に俺が可哀想な顔されたー。やったぁ。


 「…知らぬと言われて寂しいと感じた口か。 あ〜あ、参った。俺は配慮が足りない口か。 駄目だなぁ」


 天を仰いで苦笑されたー。ぐあー。



 もっと引っ張られて、体がびちっと密着する。

 うぇ?と思ったら、耳元で小さく音が聞こえた。…聞こえました。



 「わかったな? それが最短だ。それ以上は告げん。それだけでもお前には重い。やがては重さに泣くだろう。だから、それは帰れば加護に流れ落ちるようにした。同時に道標でもある。


 ……それとなぁ、俺はお前の名を知っても呼ばない。呼べば重さで引き摺る。必ず引き摺り、強制する。お前がこの先どの様に生きようとも、俺が強制を掛ける事だけはしない。


 『 呼ばない 』


 その上で良いのなら、名を教えてくれるか?」



 優しさを滲ませる大人の顔に、         とりあえず、頷きました。はい。




 寝台の上で、胸一杯な感じで詰まりながら「ありがとう」とか返事しつつ、はっ!と気付く。


 「俺のメール便、届いてますか!?」

 「あ?メール?  ……………あ〜、用事で出ていてな。忙しくてな〜、はっはっは。緊急なら必ずわかるんだけどな。 一応本気だった?  あ〜、ちゃんと俺に向かって出したのか?」


 ぎゃー! 不在届けはなっし〜! 直メールなのにー!   …うあ〜、ポストに溜まってんの?



 「後で楽しみに見てみよう。そろそろ大丈夫だな。 名残惜しいが、もう帰らんとな」


 え… えー、起きたばっかです。もっと話したいんですが〜。


 「あのな、負担はずっと掛かってんだ。しかも体の方に回ってるから、お前の生身が死ぬぞ? あそこに、この場と二重抜けしてるからなぁ。…光を連れてりゃ違うんだがな。

 それにしても、一人でほんと〜に良くやったな〜。すごいぞ、お前は。やり方ほんとにわかってやってるか? しかし体ごとでなし、寝てる状態だが欠損してるからこのままだとぱったりイって終わりだ。 良いのか?」


 はい、帰りまーす。

 ナンか聞き忘れてる気もするが、やべぇ帰ろう。


 ちょっとだけ、ケットにすりすりしといた。あのカウチの毛皮と違うけど、これも気持ちいいわ〜。



 部屋を出る際、色々あった物を見そびれたけど仕方ないねー。物見るよか、話したいよ。


 「あれ? なんか… 明るい?   なんか感じが違う」

 「ああ、わかるか。幕を一つ下ろしているからな」


 幕?


 「掠めでもしたら、ちょっとなぁ。  そうだ、お前は晴れの祝いは好きか?」

 「へ? お祝い… ですか?」

 「ああ、祝いだ。 食べ物も良いが花も良いか?」


 「祝い… 俺、あんまり祝いとかした事なくてですね… あ!誕生日祝いの苺のショートケーキは食べました!もちろんです!  え〜と… お祝いなら一般的には花ですよね〜。 花〜、花。名称… あ、花火とかも?」

 「それも有りだな」

 「花火、好きです。夜空に上がるの綺麗ですよね! 真下で見るのも迫力あって好きだけど、ちょっと離れた所でよく見てました。でも花も好きです。桜の花吹雪はどこでも有名だし、綺麗だし。その時期に下を歩くと舞い散る花びらに気分が上がって、見上げてると妙に嬉しかったです」


 「そうか、好きか。 では花見の宴をしようか。美味い物も揃えて。 それに、大輪の花を咲かせてやろう、夜の帳の中でもよく映える花を。 闇に煌めく花の火を、いつか共に見ようか」

 「…はいっ!   いつか。 いつか一緒にお花見しましょう!」


 殊の外喜ぶ姿の可愛らしさに、非常に嬉しくなる。やはり違うなぁ。




 「送らずとも良いのか?」

 「大丈夫です! あっちってわかります」


 「正解だ。  …ん?」

 「 ? どうかしましたか?」


 「なに、下にゴミが見えたが問題ない。 気を付けて行けよ。あと帰ったら水を飲め。お前が気付かなくても体は欲している」

 「はい。無事に帰ります! 起きたら水も飲みます」



 笑って、手を差し出せば。

 理解に勢いよくパシンと手のひらを打ち合わせる。


 「じゃあ、いってきまーす」


 手を振って、笑って行った。

 帰ると言い、行ってくると言う。言葉に笑う内に、見送る姿が遠くなる。



 『いつか』の約束に、あんなに喜ぶとはなぁ。

 送り出せば、力を失って倒れる仮初めの肉の器を片手に抱く。器の頭を肩口に抱き寄せ、少し撫で、光に還す。器など残さん。


 空間を美しく舞い飛び消える光を目にしながら、笑って思う。

 



 お前の為に、極上の黒炎華を咲かせてやろう。まずは手頃な土台を探して種を蒔こうか。












 








 男が笑みを見せた。

 その態度と笑顔を離れた場所で、集まった複数の配下が、んじぃぃぃいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜っと見ていた。目を皿にして見ていた。


 その内の一人が呟く。


 「先ほど、左近の御方が…  主の、お子であると」


 全員が、薄い紗幕で覆われて見えない姿を無駄でも頑張って見ようとしていた。



 距離を取って随行する。

 結局、最後まで見る事は叶わなかったが思うところはできたらしい。






 三つの星辰は盛大に落花し、散華の連鎖に周りを染めて巻き込んで、大華と咲いた。







 

男のナニかが上がった。

男のナニかが上がった。


チャラン・チャラランと良い音を繰り返し、男のナンかが上がってった〜。




国語辞典〜。

今回の意味としては〜、


遊戯ゆげ遊戯ゆうぎはバツです。

遊化ゆけ遊戯ゆげもバツです。


意味を調べられる方は遊化ゆけの後で、遊戯ゆげを調べる方が納得できると思います。






今回のBGM アン・ルイ* 「天使よ、故郷を*よ」


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