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召喚  作者: 黒龍藤
第二章   選ぶ道
36/240

36 どうして、こうしたか

  

 山道を歩く。

 周りに注意しながら山道を降りて行くんだが、本当に樹々しか無い。果実とかも無い。自分が草や石を踏み分けて歩く音しか聞こえない。

 これから先の事を思案したいが、何より山を降りないと。最初に転けかけたし、足元に注意していれば、だんだん下しか向かなくなって黙って山を降りる。


 そうしていれば、此処に来る経緯を思い出す。




 姉と姉を送って下さるその後ろ姿を見送った後、俺は改めて、おにいさんとおじいさんと話をした。

 これからの事を話した。


 「坊、此処はこの男が作った界じゃ。大きさとしては小さいんじゃが、別の意味では非常に大きくて怖い。しかし、数多ある界全体から見れば大きくない。小さなもんじゃ。狭間にある場所でな。誰も住んどらん。息抜きに使わせてもろうとる場所での」

 「そうだな。お前のこれからの身の振り方を考えんとな」


 この場所は、おにいさんが作った界だと聞けば、何それって感じ。だけど、もう今更感も出る。めっさでる。ゲームかファンタジーを迷いなく突き進むような… 


 でも、自分が死に掛けたことも、あの焼ける熱の激烈な痛みに、心底震えて凍えた恐怖も忘れていない。落ち着いたけどさ。この場で掛かっているのは、リアルに自分の命だと理解はしてるつもり。 …向こうでは、俺の葬式終わって墓に入って… るんだろうけど。 …ねーちゃん。


 でも、おにいさんの印を貰ってから、なんか、こう… すごく安心感ありまくりで色々薄れてる気もする。




 二人に言われて、どうするのが一番いいんですか?と聞いたら、「さあな?」って言われた…


 「儂らが一番良いと思うものが、坊にとって本当に一番か、わからんことじゃからの」

 

 頷ける返事だけど、なんか聞いてる内容のスケールが違う気もする。


 「とりあえず、生きる世界を決めんとな。自覚は無いだろうが、お前の体は強くない。狭間を通って世界を移動するなんて事は誰かに手助けされんと、まず不可能だ。それに手助けされたとしても、お前の体が強くなるわけじゃない。負担がある程度軽減されるだけの移動手段の足でしかない。一度世界を決めて降りたなら、そこから自力で世界を移動するなんて芸当、どう考えてもお前には無理だ」


 おにいさんの言葉に、おじいさんが、うん、うんと頷き続けて言った。


 「儂は世界の移動が可能じゃが、無秩序に可能なわけではないんじゃよ。移動している最中に倒れちまえば、儂とて、その場で行き倒れになっちまうでの。そこには注意が必要なんじゃ。

 それにのぅ。知らん世界に気まぐれに手を出すという事は愚かなでもある。そんな事をしてみぃ、その世界に居る奴に喧嘩を売る破目になるやも知れんのじゃぞ? 

 見つからねば良いともいえるが、家に帰ってきた又は漸く目が覚めたという時に大事な我が家に空き巣が入っておったら嫌じゃろう? 取っ捕まえて、この野郎!と懲らしめてやろうとするもんじゃろ? そして、力がある場合、追尾可能な事が多いんじゃ… やり方や対策も様々にあるんじゃがの」



 …なんですか? それ、起きたらめっちゃ怖い自宅警備員?



 「怖がらんでも普通に挨拶しとけば問題ないぞ? 理性のない奴は滅多におらん。来れる時点で相手にも力がある事実を理解するもんだ。どうやって来たのかとか、大体の所は把握できるもんだしな。それからの対処は人それぞれだ。予測外とすれば、虫の居所が悪いと微妙ではある。 ああ、空き家もあるな」



 …住宅事情は色々あるようです。 …展示会とかあったら笑う。

 


 「たまーに見なくなったなーと思ってたら、消滅してた奴とかいたな」



 …………………… コ・ド・ク … シ ?   え? ちが?    え? え? …普通にこわ。




 そして、俺に示されたのは、おにいさん、おじいさん、おねえさんの世界に、もう一つ俺に縁があるという世界の四択でした。はい。

 そのもう一つの世界の人間と俺は縁があるそうで、縁があるから結果、助けて貰えたらしい。

 

 「じゃあ、恩人になるんだ」


 呟いたら、二人とも即座に声を揃えて否定した。


 「いや、それは無い」

 「それは違うぞ、坊」



 …どういう縁なんだろう? 聞くのが、みょーに怖いんだけど? そういや、おにいさん上手にやったって言ってなかったか? …何やったんだろうか? ソレは。





 で、おじいさんの世界。

 一部が大変殺伐としているそうですが、そんな所に行かなきゃ問題ないらしく、おじいさんが住んでる場所は田舎だそうです。のーんびり〜と言えば聞こえはいいけど、肉体労働従事が多いとの事。んで娯楽は少ない。遣り甲斐はあるが、大変であるのは間違いないと言われた。

 男のお孫さんがいるそうで、現在生意気盛りの十四歳。もし来るなら、暫く大変だろうからコレ付けるぞと言って下さいました。

 いいのかどうなのかわかりませんが、付けて下さるというのなら、遠慮なく扱き使っていいんだろうか?



 おにいさんの世界も一部を除いて安定しているそうですけど、なんていうんだか? 

 上層部に位置する所だけがヤバいらしい。上層部の位置づけが、わかり易いんだけど〜 所により違う線引きが、なんかわかり難い感じ。

 ともかく、行ったら俺がおにいさんの印を持っている事が強い人達には一目瞭然だと。そうなると、もしかしたら目を付けられて嫌な目に遭うかもしれないと注意されました。


 「まあ、そんな事にはさせんが、一応言っておくべきだろうからな。他の者はどうでも、お前が嫌だと思えば、それは嫌な事になるわけだ」



 だ、そうです。どうなんだろうか?


 生活については「好きな事すればいい」って… 全放置プレイかと思ったけど、ちょっと考えてた後、最初に一定援助をしてやるって、その後は自力頑張り。泣きつき不可。


 頻繁には無理でも、たまになら会いに行ってやれるとも言ってくれた。ちゃんと街に住めるって。そこからなんかで失敗したら、それはどう考えても俺の責任。大筋で好条件じゃね? 印も貰っていることだし。


 この時点で、おにいさんの世界に行きたいなーと思ったのは当然だろ?




 そこに帰って来たおねえさんに姉を送ってくれた感謝のお礼の言葉と一緒に頭を下げて、その後の姉の様子を聞かせて頂いて、良かったと安心した。姉の無事が本当に良かったと。



 「あなたの方の気持ちは少しは落ち着いて? あの後は、どうしていたの?」

 「はい、身の振り方についてお話をお聞きしていました。それで、おにいさんの世界に行こうと思っています」



 「…………え?  え・え・え?    ええええええーーーーーーー!!!! なにそれぇぇぇ!? ちょっと待ってえぇぇーーーーーー!!!」




 突然、叫ばれた。すっごく驚いた。



 「ちょっと、ちょっと待つのよ! いい? ちゃんと待ちなさいよ! いいわね、決めちゃだめよ!!」


 おねえさんは俺に向かって叫んだと同時に身を翻し、おにいさんとおじいさんに、なんかえらい抗議してた。


 「わかっているのに、どうしてぇ!」

 「蹴りと獲物の礼をしてなかったなぁ。大体、選ぶのは本人の意志だぞ? なーに思い込んで勘違いしてやがる」

 「元々は、ちょっと会い行ってみんか? じゃったしの〜」


 「ですけど、こうなったのでしたら最善は!」

 「誰の、なんの最善だ? ああ?」

 「提示してやるもんがあるのなら、してやるのが大人の務めじゃろ〜? 単に」


 「だけどぉぉ!! 知ってるじゃないのよぉぉぉ!!!」



 とか他にも色々言ってた。おねえさんの叫びに、おにいさんとおじいさんは、しゃらっと答えてた。

 …よくわからないので空気読んで黙ってます。観察するとも言います。

 


 最終、おねえさんに懇々と説得をされました。何故こうなったのか不明ですが、お互い正座です。きっちり正座で背筋を伸ばしてお話を伺っています。


 お話は縁のある世界をお薦めする内容でした。


 縁のある人物がいる事実には色んな利点があるのよ! いい? 三つの世界の違いは、そんなに大きくないわ。その中で全く知らない人ばかりの状況から、頑張っていくのも素敵な事よ。だけど、自分を始めから歓迎してくれる人がいる、というのは全く違う話だわ。

 三つの世界のどこに行っても、あなたは知らないことだらけ。当たり前の基礎知識から様々な事まで嫌な顔や不信な顔をされる事なく教えて貰えるのは大切な事じゃなくて? 相手に邪険にされたりなんかしないわよ! ものすごく良いでしょう、違う?

 

 と、まぁ、そういった内容をみ〜っちりと力説されました。世界は四択じゃなくて三択でした。



 「それにね。援助すると言ったのでしたら、わたくしとて致しますわよ。援助といっても能力ではなく資金面なのでしょう? 一定額の援助でならわたくしに問題なぞありませんわよ!! 大丈夫ですわ!」


 おねえさんは立ち上がり、拳を握って力説する。言葉の最後は尻上がりに上がって高揚していた。

 大変心強いのですが、何かこう、こう… 美味しいような、すんごく不味いような。なんかのダシにされてるような。大丈夫じゃないような。



 「ね? あの子の世界にしませんこと?」


 両手を胸の前で組んで、ずずずいっと迫られた。

 迫られて、ルージュで色づく艶めいた唇が俺の顔に近づくが、 『わーいっ』 って思う前に怖かった。目が怖かった。あれは本当にヤバい目でした。


 んで、あの子って誰ですか?って尋ねたら野郎だった。金髪に蒼い目で、はっきりしないけど〜 多分同い年あたり? そこら辺って。なーんだーって思わないでもなかった。



 「同性の遊び友達って大事でしょう? 異性相手になら見栄を張る必要もあるでしょうけど、同性なら要りませんものね。まずは気安く遊びながら、覚えていくのが良くはありませんか? これから異なる世界に行って大変な事も苦労する事もあるでしょう。その中で本心から話せる同性のお友達が一人もいないだなんて、とっても残念ではありません〜?」



 と・も・だ・ち。

 …ああ、そっか。…俺、ぼっちなんだ。  完全に。   


 う〜わ〜あ〜      あー。


 これから、友達とかできるとは思うけどさ。思うんだけどさ!  最後の言葉に、ものすごく説得力がある気がしたのは、俺だけ?



 おじいさんの世界なら、お孫さん(男)の手を借りながらのわくわく農園ライフ=重労働?+娯楽無し。

 おにいさんの世界なら、援助貰って、一人頑張り。知り合い無し+もしかしたら不測の事態有り?

 お薦めの世界なら、援助貰って、知り合いって奴が居て。そいつにヘルプコールを出しつつ、やがてはきちんと自活する。


 こんな風に比較すると、選ぶのはお薦めな気がする… 

 でも、なんかなぁ… うーん、同い年くらいの奴を頼るのと年下のお孫さんを頼るのと、どっちが俺的にはましだろうか?

 それにしても… これ罠ない? なんでそんなに熱心に薦めるわけ? おにいさんの世界も、やっぱなぁーんか気になるんだよねー。印のメリット、デメリットはあると思うけどさー。


 だから、それを話した。



 「か、加護!  あ、あ、あ、  ず、ず、ずるいですわぁぁぁぁ〜〜!!! 」



 一声叫んで、泣きそうな顔から頭を抱えて髪振り乱して天を仰いで。


 それから声を振り絞ってのすんげえ形相… うーわーあ〜…   

 なんて言いますか、なんと言いますか、どう表現すればいいのか、あの顔の移り変わりを! 女の人のあんな顔、間近で初めて見たよ!



 おねえさんは、再び、おにいさんに詰め寄って食って掛かってました。

 その話の中で、俺は、どうも宙ぶらりんの状態だから加護をやるのに問題ないとかなんとか。おねえさんの方は自分交渉すれば、どうだとかなんとか…


 ええ、もう、どうしたら。自分の事ですが、決められないような決めたら拙いような、決めること自体が決まりませんが、どうすればいいのでしょうか〜… 



 「ほっほっほ。まぁ、坊が行くとすれば、男の世界かお薦めの二択でいいじゃろ。じゃが、楽をするなら男の世界じゃな」


 さっくり決まりそうです。


 おねえさんの猛抗議に、あっさり「言葉どうすんじゃ?」って事でした。

 今居るこの場で話す分には問題ないけど、世界に降りたら、その世界の言葉でないと当然通じない。全く、これっぽっちも通じない。その点、印を貰ったから馴染み易いらしく、おにいさんの世界の言葉は幼児レベルでならサクッと使えると。


 あー、やばかった。今、普通に話せてるから気が回らなかった。決定〜と思ったら、おねえさん、低過ぎる位低い声で言い切った。



 「言葉が使えるようになればいいだけでしょう。 わたくしが教えてあげますから、ちょっと、こちらにいらっしゃいな」

 

 笑顔で俺を手招きした。



 『わたしが教えてあ・げ・る♡』


 嬉し恥ずかし楽しいセリフが、どす黒いオーラにオブラートされてて微妙すぎです。にっこりしてる顔がやけにヤバい… 顔笑ってるけど、トータルでは笑ってないですよ? おねえさーん、もしもーし?



 「おい、力を与えると変様する。止めろ」

 

 おにいさんからのストップが入って、ほっとした。



 「変様しきる前にめます。大丈夫ですわ」

 「はん?  俺が やめろ  と言ったのがわからんのか? お前は」



 目に見えない軋轢が生じて、なんかが弾ける気配がする! ついでに変様しきる前って、なにそれ、こわい! 

 


 脱兎の勢いで、おじいさんの元に逃げた!

 

 二人の間で続く睨み合いは、おねえさんが震えて両手を握り締めて、視線を外したことで終わった。


 だが、しかし! 

 おねえさんは外した瞬間、即座に顔を上げ直し。 



 「あの子が思い出せば問題ない話ですわ!!」


 歓喜の顔で俺を指差し勝ち誇った様に叫んだ。



 「そうです! 一番最初の約は間違いなく、あの子との約です。終わった約ですが、それは失われた事とは違います! 終わっただけで、ちゃんと中に積み重ねられて残っています。下から引っ張り出せばいいだけです! 自分で思い出すという行為は変様も何も関係ありませんわぁぁ!!」


 はい。おねえさんは高らかに、この様に叫ばれました。



 「  ………………  」


 「おお、そうじゃの。あの時、坊は上げ膳据え膳… ではないわ。あ〜、なんじゃったかのー?  まぁ、ええわ。どっちにしろ、大事に大事にお越しやす〜の状態じゃったからの。約にそういった事は守られていたでなぁ」


 二人の方に歩み寄り、仲裁に入ろうしてくれていたおじいさんが頷けば、おにいさんが顎に手を当てて考え出す。


 「 …確かに、そうだな。受け取った約によって言葉の類いや、なんやは守られていたな。約が終わっている以上、以降の継続はない。しかし、約を受け取った事実は間違いない。残った約を自分で読み直す分には問題ない。読み直す事で、その時の言葉を今度は自分の物として再構築調整を図るか… 

 完全には無理だろうが、その状態なら馴染み易いという点では印と対して変わらんな。 まぁ、そっちなら構わんか。在り方が変様さえしなければ、それでいい。

 むしろ、自助努力からなるなら、そちらの方が断然いい。そうなると、残るは防衛本能セーフモードか… 」


 「防衛壁ガイドラインに抵触しなければ問題ないのですわ! 読み上げ方がわかればいいのですから、濃い内容には上から規制を設けて全部押えつければいいんです!!」


 俺の前で両手を握って上下に振って、必死に言い上げるおねえさんの姿。

 おにいさんは、ちらりと視線をやって、どっか馬鹿を見る表情で眺めた後は知らぬ素振りで思案にくれる。おじいさんも、 『そうじゃなぁ』 な感じで上を向いて考えてた。


 …なんだろう? これは。




 「まぁの… それもどうかと思うんじゃが、約と経過は別物ではあるな」

 「ああ、最初の約なら深層までいかんな」

 「うむ、何より自分で止めるはずじゃろ?」

 「常識としても、まず深層部に達しはしない。表層止まりだ。 確か、あの時点では… 守りに入ってロックをした。その上で守る為に鍵自体(パスワード)が消失したはずだからな」

 「消失したなら問題ないじゃろう」


 何かを思い出した様に頷く姿に、それを喜ぶ姿。それを微笑ましいように見て笑う姿。  



 …なんだろう、なんか  …俺、以前になんかの実験されて、る?  



 三人の方に近づく気が失せた。

 頭の中で、なんかが警告を発している。ピッコン、ピッコン赤色灯が点滅して俺の注意喚起を促してる。



 「あのな、思い出せば条件的にはどっちでも変わらん。思い出す方向に動いてみるか?」


 おにいさんがそう言えば、おねえさんが喜びに満ち満ちたキラキラしい眼差しを俺に寄越す。



 その姿になんていうか…

 ものすごい不信感を感じる。不信感で合ってるかわからないけど、虚偽というか疑惑というか不満が募る。


 その不満を形に表す為に三人に対して、わかるように行動した。



 三人を見たまま足を上げ、黙ってゆっくり大きく一歩後ろに下がった。

 

 「あ? どうした?」


 その声に反応して同じ動作で、また一歩下がって、じいいーーーっと見た。




 いやさ、俺だって色々思う事はあるわけで。でもさ、俺、して貰う側なんだよね。

 大体、自分が 『選ばれた人間だ!』 とか、本気で思う余地無し。助けて貰えたのだって、もう一つの世界の奴と縁があったから。それだけ。

 此処にいても、力がみなぎるとか体が軽いとか一切無い。 まぁ… ちょっとヘンな事はしたようだけど?



 その中でさ、いま立ってる場所そのものを、このおにいさんが界として作ったって言ってるわけだろー。 界だせ? それって世界だろ? 小さくても世界を作ったって言ってるんだろ?


 それ、人? 

 人じゃないよ。人がそんなことできるわけねーって! 印貰って怖くなくなったけどさ。違うんだよ。


 自分と全く違うモノだよ。


 同じじゃないよ? 同じ土俵になんて立ってない。

 同じ場所に立ってないから、そういう事ができるんだろ? そういう事ができるから、違うモノなんだろ? そういう相手に対して、ずけずけ要求できるモン? 


 『あれもして。これもして。便利なように、これも頂戴』


 なんてほんとに言える? なんかで機嫌損ねて、ぽいってされても何の文句も言えないっての。 言っても、きっと届かないよ? 

 

 知恵で対処とか言うけどさ、全部見透かされてる様な時はどうすりゃいいの? 偶然でも待つの? それ、意味なくね?



 本当、 違うんだよね。


 気配一つ取っても対等じゃない。

 対等だったら同じだろ? 同じじゃないから違うんだ。 上が下に合わせてくれてるから、一緒に居られる状態って感じがするんだよ。 



 …それにさぁ、普通、自分のモノ以外大事にする? 


 自分のモノは大事にするだろ? 俺はするよ。

 自分のモノをより良くする為に付属品を他から取り寄せても、取り寄せたモノに、それ以上に良い思いさせる為に動いてやろうなんて思う? 目的ヘンじゃね?


 借りモノなら使った後、ちゃんと返すから気をつけるけど。


 何が言いたいかっていうと、他からやって来るモンに対して、自分のモノを脅かすかもしれない程良いようなモノやる? 便利だからって、やる? あんたなら。


 俺ならやらない。んで、やるなら自分のモノに優先してやる。



 この人達は上げる事が可能な人達で。逆を言えば、取り上げる事が可能なわけだろ? 

 そういう事が実際できる相手に、して貰う側が無遠慮にあれこれしてよって、ほんとに言える? 言って平気? 俺、他からやって来る、というか、他から行く方のモンだよ?


 今は言葉の話だけど。おにいさんの世界の言葉でもないけど! そこまで深く考えなくても、いいのかもしれないけど。

 ほ・ん・とー・に! いろいろ、お伺い立てても、いいもんでしょうかっての!! 



 『お話の内容が非常に怪しいのですが、それって何の話ですか? こんな時に言う事でもないと思いますが、信じていいのですか? 本心から信じていいんですか?』

 『信じないと? 今更言うのか? …忌々しいな。もういい、お前に選択権はやらん』


 こんな風に聞いて、こんな返事が返って来たら嫌だっての! 


 『印も取り上げる、どうでも良い。好きな様にしろ』

 『では、問題ありませんからいってらっしゃいね〜』

 『頑張るんじゃぞ〜』


 で、終わったら更に怖いっての! わけ、わかんないのに!! 

 安心した後で取り上げられたら泣くっての! それでなくとも、お情けで貰えた様なモンなのに!

 


 …それに違う言い方するなら、ビシバシの道を極め尽くしたとしか思えない御人に一般人がマジで軽いタメ口なんぞ叩けるかいっ! ブルってちびるわぁ! 


 けど、ここで yes って言ったが最後、なし崩しにどんどん進んじゃって戻れそうにないんだよ! 話に追いつけない上に割り込みもできないんだよ! 割り込めそうにないんだよ、雰囲気に圧迫が!


 それでも、このままだと嫌だから動作アクションしてんの! 動作アクションでしてるんだ! 非積極的とかじゃねぇぇ! 自衛手段を得る為に、まず自衛で訴えるんだ!!




 俺はー、 この状態がー、 すっごく不満ですー!!!  説明が足りませーーーん!!





Q 目の前に相手がいます。その相手が自分の生殺与奪権+αを掌握していると判断できました。

  あなたは相手の癇に触れない様に行動しますか? しませんか?  ちなみに、何が癇に触れるか不明です。







 その2なりに頑張ってます。


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