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召喚  作者: 黒龍藤
第二章   選ぶ道
35/239

35 到着は感傷の訪い

 

 むあっとする草熱くさいきれの臭いで目が覚める。


 見上げた先には何もなく、薄くたなびく雲と蒼天に向かい立つ樹の枝葉だけが見えた。

 空は高く、青く、こんな青さを街中で見たことがないと思った。きっと夜になれば、感嘆するような満天の星で埋め尽くされるんじゃないかと漠然と考えた。


 緑の草のしとねから横になった状態で見えるこの場所は、樹木が立ち並び、空から光が射し込んで葉影を綺麗に映し出す、とても静かな場所だった。



 ゆっくり上半身を起こす。少し離れた場所にリュックサックにウエストポーチ、水筒があった。


 荷物を見て、手元を見る。


 手元の草を摘んでみる。

 抵抗力が強くて簡単には摘めなかった… ぐいぐい引っ張ったら根っこまで抜けそうで、抜けなさそうで。クローバーに似ていても、どこか何かが違っていて別の物なんだと思い直す。


 座ったままで後方を振り返り、周囲を確認すれば同じ風景。原っぱの中で座っている俺に、原っぱをぐるりと丸く取り囲んでいる樹々。


 視線をもっと下げて地面を見れば、俺が横になっていた痕跡が残っている。俺の上半身で潰された草の形にどこか笑いそうになる。

 視線を横に滑らせば、他には何の形跡もなかった。人が歩いた跡も無ければ、何かの動物がいた跡も無い。青々と茂るクローバーに似た草と、小さな花が彩りを添えて天に向かって生えているだけだった。



 その様子を見て、しみじみと思う。

 俺、どうやってここに寝たんだろうな? どうやったらこんなに綺麗に痕跡なくいられるんだろうな〜? 


 高い天を仰いで、やっぱりあそこから降りたんじゃないかと考える。けど、本当にどうやったんだろうなぁ… 


 物理を専攻する人間からしたら不条理なんじゃないか? 天文学を専攻してる人だったら、どう思うんだろう? それとも喜々として考えるんだろうか? 

 ああ、設定さえあったら、それに対して検証は出来なくても確定を出す為に納得いく答えを延々頑張りそうな気がする。同好の士が寄り集まって、わいわいやってる気が、ものすごくする。突き詰めようとするあの熱意には恐れ入る。



 実際、あの場所が仰ぎ見る天にあるかはわからない。あそこは狭間だとしか聞いてない。それでも、やっぱり天を仰ぐ。こういう時に地中を思ったりしないしなー。宇宙空間か次元だよなー。




 よ・い・せっと、起き上がる。


 立って地面を見れば、完全なヒトガタが草の上にできていた。本当にそれ以外、痕跡がない。ヒトガタに意味なくグッジョブと親指を立ててみた。

 早ければ今日中にでも、この跡は消えて元通りの緑の原になって、俺が降りた場所を後から探そうとしてもわからなくなる。今を逃せば、もう二度とわからない。そう思えば妙に感慨深い。


 耳を澄ませば、風が草木の間を渡る音と小さく水が流れる音がする。


 とりあえず、緑の褥を歩いて荷物の方へと移動する。

 草を踏み締めて歩けば、緑の草の中、他にも幾つか違う種類の花が埋もれる様に咲いていた。どれも小さい花で大きく開いた花じゃない。

 良く見れば同じ花でも色が違う。六花だが、青に白に紫に黄色。中心が色濃く外に向かうにつれて淡くなる。色のグラデーションが綺麗だと思った。それに変異なのか花びらが三枚青で三枚白とか。それも統一じゃないし… 色んな技あり。有り過ぎて遺伝交配どうなってんだろ? でも、色彩感覚が狂う配色はないから常識が通じそうだ。


 この花はこの世界でなんて名前なんだろうとも思うが、聞いても忘れそうな気がするし、教えてくれる人も居ない。



 それにしても、本当に小さな花で良かった。

 メルヘンチックに咲き乱れる花の中で目覚めたりしたら、なんかキツい… 確かに数種類の花が咲いているけど、小さいから咲き乱れるという単語は合ってない。どっちかと言えば咲き揃うだろ? うん、セーフだ。童話のお姫様話はまぬがれた。



 リュックとウエストポーチの口が、ちゃんと締まっている事を確かめてから座り直して、原っぱに視線をやって考える。

 やがて明確には思い出せなくなるだろうと、言われた人達を思い返して、現状の確認と少し前のはずの出来事に思いを馳せる。



 一つ、ここは俺が生まれて生きた世界と違う。

 一つ、世界が違う以上形態も全く同じだと考えてはいけない。

 一つ、顔も知らないが頼ってもいい相手がいる。


 それから…


 それから… 姉を覚えている。


 生きて来た事を覚えている。

 泣き笑いで 『良い夢を』 と言えた事を覚えている。友達、学校、先生、親戚の皆、他にも多くの事を覚えている。



 薄れていくのは狭間の記憶。三人の人達の顔。

 忘れたくないと思うけど、いつか言われた通りに思い出せなくなるんだろうか? …いいや、これは暗示だ。そう言われたから、そう思い込むだけだ! きっと、ちゃんと覚えていてみせる。


 胸に決意を新たに刻んで立ち上がり、水筒を持って水の流れる場所を探す。








 女の人が姉を送ってくれると言った時、安心と寂しさと言い難い何かが胸に押し迫る。


 「際から先に進むなよ」


 小さくなって行く後ろ姿に、堪らず後を追えば、声が制止する。

 言われて、つんのめるように立ち止まった足の先には、線で引いたようにはっきりとした境があった。樹々に下生したばえが、ある場所を境にぷつりと途切れて終わっていた。


 再び顔を上げた時、姉と女の人の姿は蜃気楼のように揺らめいて消えてしまった。


 それでも暫く、その場に立ち尽くした。




 何もない空間を見つめ続ける俺の肩を叩いて、おにいさんが境を指差して言う。


 「この場は、俺の力で成り立っている一つの界だ。小さなもんだがな。狭間は狭間の特性と知らねば厄介な場所でなぁ。所によっては積層帯のようになっている。道を行ける者でも嵌まれば面倒だ。もし、お前が落ち込んだら自力で上がれる事は難しい。

 生きていれば、落ちた先に居着くしかないだろう。探すとすれば時間がかかるし、転げ落ち続けたらお前が生きている内には探しだせんかもな」



 ……………生・き・て・いれば?  生・き・て・いる内?



 言われた内容に、すすすっと際から後ろに下がった。



 「だが、お前が印を持っていれば話は別だ。印を頼りに探すのと、何も無いのでは探す時間は当然違う。俺の印を加護として持っとくか?」

 


 俺の目には、おにいさんが高出力で素晴らしく燦然燦爛煌々として見えました! 半端ないです。パネェって奴です!


 真実、おにいさんが、どこかの救い主って感じで見えました!


 あ、まんまだ。俺、おにいさんに助けて貰ってる。

 おにいさん、間違いなく俺の救い主だよ。すごくすごくすごく、すげぇ!って思ったけど、逆に、それ持ってていいもんだろうかとも思ってしまった。



 「ああ、言っとくが印以外のなんでもないからな。お前、あそこで穴に落ちて見事にわからんなったからなぁ… 最終の帰還拠点を俺の所にするだけだ。基本的には俺はお前を助けてやれんからな」



 帰還拠点… ゲームでいえばセーブポイント? 印って… リアルでいえば家の鍵?



 「不要だと思った時には返すと言え。今なら特典として無償にしといてやろうか?」



 こっちを気遣ってくれてる苦笑めいた顔と軽い口調で言ってくれた。


 即断即決即実行。


 「下さい!」


 お願いした俺は絶対おかしくない。

 あの穴で、びびったことは忘れてない! あの節は大変お手数をおかけしました… 見つけて貰えなかったら最後、あそこで一人どうなっていたか本当に考えたくない。ない。ない。



 俺は、おにいさんの加護をgetした! 

 …なんとなくお情けでgetした気がするのは気のせいだ!!




 加護を貰った時、やっぱり不思議だった。


 手のひらを握り締め、次に開けば黒い玉があった。

 それが、ちらちらと金と銀の光を煌めかせていた。光る黒の玉が、すっと浮き上がれば遅れて金と銀も舞い上がる。玉の中で煌めいていると思った数多の小さな光は、いつの間にか玉の周りを回っていた。

 ソレは、黒い玉が従えているようにも黒い玉を守っているようにも見える一方で、黒い玉が取り込んでいるようにも黒い玉が守っているようにも見えた。


 それが、ふいっと宙を飛んで俺の正面で止まる。


 瞬く金と銀の光で飾られた黒い玉が、くるりくるりと回る様子に何かを連想した。それが何かと形になって理解できる前に、玉は差し出した俺の右手に触れると淡雪のように溶けて消えた。


 「えっ?」


 吸い込まれる様に消えた事に驚いて、手を振ってみたり握って開いて。

 手のひらは変わらないままだった。特に異常も感じられない。体の中に入ったんだろうけど、なんでか怖くなかった。驚いたけど、奇妙に安堵した。


 人は陽の光だけでは生きていけない。眠る為の優しい闇もいる。暗がりも絶対にいる。その中でないと生きれないものもある。




 でも、ホラーは要らない。それは要らない。それは俺のいない所でお願い。ほんと、要らないから、そんなもん。何事も適度にお願い。


 ほ・ん・と・に、適度でお願いします。色々と。




 心の中で連鎖的につらつら考えてたら、なんでかおにいさんが笑い出した。



 「 ははははは。あ〜、ほんとにお前は。 まぁいい、これでお前は俺の加護を得た。言った通りこれは俺の印だ。俺の色だ。印に何かを防御するような力は無い。そんなものは無い。ただ、お前があの淵で溶けて流れて悲鳴をあげたような事にだけはならない。


 決して、ならない。


 そうなる前に俺の所に帰還させる。正しく今あるお前の在り方で帰還させる。 …本当にお前が声をあげた時、その声が俺の元に届くようにはしていてやる。だがな、それで何かが変わることはないだろう。

 それでも、お前は一人じゃない。それだけだ。

 お前の声に、その望みに俺が応えることは容易い。しかし、それは難しい。力を安易に振るう事は単純で実に楽しく、笑えるほどに愚挙なのだ。 ふふ、まぁ愚挙も快挙になりもするがな」



 笑っていたけど最後にこっちを見た顔は。

 優しくて楽しげな顔だったけど、なんだか寂しそうにもみえた。



 …加護が真実効力を発揮するのは、基本死んでから後らしい。それでも、あの恐怖体験から離れられる約束はすごい事だと思う。


 「加護をやった以上、今この場で転げ落ちても、すぐに見つけてやれる。界を介しているから落ちた所で怪我もせん。安心して落ちていいぞ」


 親指で外を指して言われても、ノーサンキュー。

 何事も確認は大事っていうけど、そんなの試したくありません。


 

 「遠慮すんな」

 「えええええ、遠慮してないから! してなっ…  う、う、うわ、うわ、うわぁああああ!」



 ノーサンキューって言ったのに、俺の両脇に手ぇ突っ込んで 『そーれっ』 って感じで俺を放り投げようとした! 投げようとしたぁぁぁ!!



 悲鳴あげて必死こいて、おにいさんの腕にしがみついたよ! 


 お試しも確認もしなくていいですから!!

 いやもう、ほんとに川に飛び込むのを躊躇う子供の度胸試しじゃないんだから、や・め・て下さい! 心臓が、ばくばくしますよ…  底なしのバンジージャンプを、ひゃっほ〜いって飛び込む奴なんかいないって! 紐付けされてても自力で戻れないし、戻らないんだぜ? 恐怖で泣くわ!!


 その時の事を思い出すと、なんだか乾いた笑いが震える感じで口から出てくる。今、思い出しても震えがくる…







 原っぱと樹の境の一ヵ所に地面が少し盛り上がった場所があった。

 そこで水が渾々(こんこん)と湧いていた。泉から溢れる水が流れ落ちて筋になり、樹の境を越えて奥のどこかへと水の道を描いていく。


 聞いていた通りの内容に安心して、手で水を掬って飲むとキリッと冷たくて美味しかった。

 冷たい水を湛える小さな浅い泉には五色ごしきの色石が幾つも転がっていて、水面の光の反射と一緒に煌めいて見えた。ポチャンと透き通る水の中に水筒を沈める。



 おにいさんは俺に加護をくれた。でも、下手したら本当に身一つでここに放り込まれる所だった… いや、身一つが正しいんだろうけどさ。 

 ほんとによ〜く考えると、おにいさん、それワイルドです。ワイルド過ぎでした。俺、真似したくないです… おじいさん、おねえさん、ありがとうございます。



 見上げた空は変わらず青かった。

 周囲を見て、樹々が途切れた場所に向かって歩く。



 樹に手をついて、眺めた先に世界をみた。

 広く広く広く世界があって、圧倒された。空に、山に、似て非なるその姿に怯えとも付かない震えが走った。

 視線を転じれば遠く微かに街が見えた。麓と思える場所から立ち上る白い煙が少しだけ見えた。


 そこに営みが、  あった。 





 此処で、生きていくんだ…

 

 新しい始まりの期待と、それでも隠せないたった一人という事実。この世界に対する無知が怖かった。それでも歩まず、怖いと縮こまっても死ぬだけだから動かないと。



 振り向いて降りた緑の褥をみる。守りのように囲う樹々。樹々に花は無く、実りも無い。実をつける木なのかも知らない。


 穏やかな、でも生きていけない場所。

 誰の手も入っていないだろうに、刈り取られてもいないだろうに綺麗に剪定された草木。枯れ落ちた葉は地面に一枚もなく、空に向かう枝葉の角度まで作為を持って整然と配置されたと思える樹々。草の匂いが息づいていても、小さな虫も飛んでいない。さっき樹に触れた際に樹皮が手についた。けど、樹皮には特有の匂いも何もなかった。何かが違う。この場所の樹だからだろうか?


 水のせせらぎに風の音だけの本当に静かな場所。

 此処はきっと、少しだけいることができる、休める場所。非現実の様に存在する場所。




 とても静かな、慰めの様な、この場所は。

 

 足元で咲くクローバーに似た花を見ていれば、小さい頃、姉と遊んだ事を思い出す。俺は走り回ってたけど、姉は花冠を作るのだと座って編んでいた。最後に手伝ってと言われて、一緒に編んだ。



 此処を出たら、こんな風に落ち着いて思い出す事はあるんだろうか? これから先、そんな事ができるんだろうか?


 思い出すとひどく懐かしい。あの時の事を思い出そうとすれば、意外に思い出せる。懐かしさに花冠を編んでみることにした。



 …多分、もう二度と会えない姉に対する感傷。


 その感傷や楽しかった友達との事は考えても、こうなった原因については考えない。大事な思い出が穢される。

 それに、此処にそんな感情を持ち込みたくない。

 綺麗な、綺麗過ぎる場所で自分一人が汚らしいモノになりたくない。

 人によっては、綺麗だから汚してやるとか壊してやるとか思うだろうけど、俺はなりたくない。可能ならなりたくない。特に此処ではなりたくない。


 された事を許そうとか思わないけど、相手にしない。した行動に反応なんかしない。無視して流して存在を消す。俺の中から消し落とす。消し落とせなくても消し落とす! …まぁ、それ以外に手がないとも言えるけど。

 文句も言いに行けないし、そんな相手に会いたいとも思わないし。

 どうしてこんな事を? なーんて、相手の事を理解してやろうなんて、一欠片も、もう思わない。考えない。要らない。雑音にもなれない意味の無い音は除外する。




 目を閉じて、息を吐いて、空っぽにして、この世界だけを感じて。




 目を開いて、花冠を編む事に意識を集中させた。




 したらば、衝撃の事実の恐ろしい事に編み方がわからんなってた!


 うわあああ! 俺の十代最後の脳みそ動けよ、思い出せよ! ボケる年には、まだ早いだろが! 必死で脳内検索掛けた後、「普通に、こうしたら、こうなるだろうが!」と声に出しながらやった。


 あはは。


 

 できた。なんとか完成した…


 最後には、ない職人魂を出して別の種類の花も取り入れて華やかになるよう仕上げてみた。…ほんとは最後の締めが上手くいかんで、根っこごと引き抜いたのを押えて回した。そこを誤摩化すのにまた別の花を突っ込んだ。


 完成した花冠は大きくない。けど、満足した。

 満足した俺の足元には、思いっきり摘んだ形跡に失敗した無数の花の残骸。痕跡としては、どう見ても荒らしてます。目に見える残骸に非常に悪い事をした気分になった… どうか生命力発揮して、頑張って新しく伸びて下さい… すいません…



 無意味かもしれないけど、これは俺が姉や友達を思い出す為のよすが

 気がついたら失くしてたとか、ありそうだけど。忙しくなって、編んだ事すら忘れるかも知れないけど。今は花冠に感傷を。

 

 貰った大判のハンカチに花冠を包んで荷物の中に入れた。





 泉に沈めっぱなしにしてた水筒を引き上げ、水気を切る。

 水中の色石がとても綺麗だったから、一つ手に取って陽に透かしてみれば、やっぱり綺麗。ってか、この石、陽に当てたら透けて内側から光ってる?


 貰っても良いものだろうか悩む、さっき花を摘み荒らしたし… あははは…

 

 でも、此処は大丈夫な場所。なら、きっと怒られないだろう。



 「此処に居た証に、一つだけ下さい」



 それでも断りを入れてから、青・黄・赤・白・黒の五色の中から一つの色石を選んだ。選んだ石を手に、どこに入れようと考えるが荷物の中だと紛れてわからなくなりそうな。

 泉の中にあったんだから、水の中と水筒に入れた。入れた時、一度だけ水筒の中で、カラン…と音がした。小さなその音が不思議と耳に残る。




 リュックの横ポケットに水筒を入れて落ちないか確認。ウエストポーチを締めて、リュックを背負って準備完了。


 もう一度、緑に守られた場所を見る。


 「行ってきます」


 小さく笑って、優しい場所を後にする。




 「初めまして、乃井のい あずさです。この世界でのえんを頼ってやって来ました。どうぞ、よろしくお願いします」



 青い空を見上げ、樹々に守られた緑の原でこれから生きる世界に一言告げて、樹々の境が示す出口から次に訪れる事があるのかも不明な絶対安全領域を踏み出した。





 まずは、人に会わないとね。


 

 一本しかない細い道を伝って麓に向かって降りる。



 「どわっ!」


 降り始めた途端になんでか滑って転けかけた。   …幸先悪くない?



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