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召喚  作者: 黒龍藤
第三章   道行き  友達に会いに行こう
112/239

112 土産

  


 もぐもぐと口を動かしております。美味いです。ごっくん、飲み込みました。


 可能な限り上品に食っております。

 口にある内は喋らない、テーブルに肘を着かない。猫背にならない、テーブルで見えないからと言ってむやみやたらと足を組まない。それ以上に大股開きで座らない。


 見た目から下品に食うのは終わってる。そんで最も肝心なのは、『不味そうに、しょーもなさそーに食うな』ではなかろーか? 不味いなら不味いで食うなっての〜。他に食うもんないっても、食材様にめーわくだろーがよ。


 しかし良く遊び、良く寝て、また遊ぶ。そしておやつを食う! この順番なら次は遊びか寝るかだが、人であり、子供でない俺には無縁の話だ。


 にゃーんつって。遊んでたのは猫の俺だけどな〜、あっはっは。



 再び飲んで食ってた。リリーさんが飲み終えるまで待つよーにと仰った。もう少し食べないか、とハージェストが言った。だから食ってた。


 その間に、ステラさんとロイズさんは部屋を出た。直ぐに戻ってきた。


 先に戻ってきたのはステラさん。その手には布地をお持ちでした。その後、上着を脱いだロイズさん。普段とは、ちょ〜〜〜っと違う雰囲気の服が新鮮っちゃー新鮮な。 


 二人は息の合った行動で、持ち込んだ簡易テーブルを設置した。簡易の割に、厚みがあるから重そうに見えるが楽勝でやってる所に違いを見る。



 広がったのは、テーブルクロス。


 ふわっ… 


 では、ありません。違います。大きく広げず、生地を滑らしたのは埃を気にしたんでしょう。こっち飲んでるから。向かい合い、端を握ってピシッと揃える。恐らくベッドメーキングも完璧に仕上げる人達だな、見た事ないけど。



 カチン!


 何の音か、カチンパチンと小さく鳴る。



 「生地に押えの重りを挟んでるんだよ」

 「は〜… 」



 何でもできるメイドさんと秘書さん、しかも言われてから間を置かない所に驚異をみる。俺、あんなんしろって言われてもできんわ〜。無理無理。 ……訓練ってか慣れなモンですかね? 

 ふはは、あーゆーできる人になったら、できん事に『何やってんだ、トロくせぇ!』とナチュラルに思うんだろーなぁ。心の中で思うんだろーなぁ。


 キビキビ動く姿は…  何に例えたモン?




 二人に礼を言った。


 仕事に礼は要らんとか言われんが、言われんでも言わねばならん。有るのか無いのかわからんポイントを稼がねばならん! 怒ってない分、みょ〜うに怖い。いつもと変わらんのが みょ〜うに…  微妙。

 クロさんの有り難いお出ましで、俺の株が上がったのか下がったのかさっぱりわからんこの現状。怪我でカコンと落ちた気が…  すんごくするんだよな〜。しない方が不思議。

 

 でも、クロさんの所為じゃない。俺の所為でもない。ロイズさんの所為でもない。だあれの所為でもな〜い〜 だろ?


 うむ、これを人は事故と呼ぶのだ。

 意志が有り、意見が有り、意図が有る所に過失は無いのだ。 そこに有るのは、  …うーむ、弱肉強食か? うーむ、うーむ、うううぅうむ。 果たしてソレでいいんだろーか?   


 でもまぁ、馬鹿がしやがった馬鹿の理屈は要らね。早いトコ、マジックグローブにして貰おーっと。




 「手伝うよ」

 「あ、助かる」


 リュックを手に簡易テーブルに向かえば、ナチュラルに俺から取って持つ。 …性格の良さが際立つなー。



 

 「んじゃ、海のお宝詰め合わせセットから」

 

 このお宝セットを撒いてはならん。コロンゴロンと転がり落ちてくのは恐ろしい。んだから、ハージェストにも並べて貰う。取り出す片っ端からその手に渡すがあ〜〜  手袋した方がいーか? いや、片手はしてる。指先カットだから、あーんま意味ねーかも。










 茶に、喉の乾きを実感した。



 『あー、しんど。やっと座れたぜ』


 身体中がぼやく。


 もっと早く飲みたかった。冷茶を飲みたかった。いや、水でも良い。だがまぁ仕方ない、ステラは姉さん付きだ。そして、アズサが美味そうに飲んでるから良いんだ。


 ………駄目だな、冷茶の準備も望みたい。次があればだが、ない事を希望する。



 隠さず話してくれる『クロさん』の話は、ほんとにもうやってられない。似ていても魔成獣とは違う。根幹か、技術そのものか。違い過ぎる現実に、蓄積してきた情報の構築が弾き出す連想に唸る。


 唸りながらロイズに目をやれば、普通に困惑の表情を出していた。その裏を悟られない程度に居たから放っといた。



 兄と姉とも目を合わす。視線で素早く意志を読む。

 

 意見の合致はみた。

 みた。みたんだけどな。




 「ほんとに全部出して良いんだ?」

 「隠す必要ないだろ?  ……ブツに目が眩んでヒトゴロシ?」

 

 「する訳ないって」

 「……ブツに目が眩んでドレイオチ?」


 「やる意味ないって」

 「ブツに目が眩んでにゃんこイジメ?」


 「イジメてどーするって。詰まらない事より、べったり遊びたいよ。可愛い声は可愛かったよ」

 

 じゃあナニが問題だと真顔で聞かれると返答の仕様がない。頼られて嬉しい現状ではあるんだけどな?




 「こんなのバラすとキリないだろ? 中味が見えるよーにさ」


 渡してくるブツを並べる作業に徹してみたが…  気軽にポンポン渡してくる上に途切れないのが怖い。小袋の口を広げて置くに留めるが…



 「そっから、こっちに並べて」

 「こっち?」

 「ん、その間にだ」


 テーブル上の一角を四角に囲んだ。


 「そこに」


 ザラララッ…


 「しまった、撒けたあ!」


 大粒の真珠が転がり出た。それぞれが放つ光沢に、『おおお… 』と思う。普通に思う。


 「……代わってくれ。これ、置いて」


 真珠の色ごとに小袋別分けしてるとか。 …わかり易くて良いんだけどさぁ。



 蝶貝から作られたと見たカフリンクスの一揃い。カメオの髪飾りには金縁を。珊瑚だろう血赤の飾りは、これでもかと目を引く。

 血赤の名に相応しい深く重い赤。血赤と銀を繋ぐ金剛石ダイヤモンドの輝きが更なる重みに渋さを加える。この手の飾りはガキが着けても似合わない、モノに遊ばれるって奴だ。



 「こんなのどうかなって」


 姉さんに差し出した桃色真珠の首飾り(ネックレス)。光沢と色合い、粒の揃いと大きさ。長さに個数。 …安くはないだろ?



 「まぁ! お土産としてくれるの? 本当に良いの?」

 「はい。でも好みでしょーか?」


 ロイズが透かさず運んできた姿見で宛てがう。


 「土産と言ってもだな… 良いのか?」

 「元々その心積りだったんで。お家と本人と…  仲の悪くないご兄弟さん居たらとか〜」


 チラチラと俺を見るのに気分が、あ・が・る! 内容小さいとか言われても、あ・が・る!  こーゆーのの積み重ねがだなぁ!!



 「どう? 今日の衣装には微妙かしら?」


 桃色真珠は姉さんに似合ってた。


 「合ってるぞ」

 「合ってるよ。その手のは、持ってなかったんじゃない?」


 「ええ、そうなの。可愛らし過ぎて、私には合わないと思っていたものだから」

 「そんな事はございません!」 


 はにかむ姉さん見るの久しぶり。

 着付けるステラが力強く否定するのにアズサが笑う。笑って別の袋を引っ張り出す。


 「良かった〜、好みかどうか心配で。イマイチだったら別なのをと」







 「うわ」

 「おお、読んでるな」


 「まぁあ!」


 

 金の首飾り(チョーカー)は葉を象り、小粒の黒の実を添える。連なる葉と実の繋ぎ目には、金剛石をあしらってる。あの実は黒瑪瑙だろうか?


 姉さんに恐ろしくぴったりだ。




 「留めは引っ掛けるだけの物だけど」

 「こちらは幅もございますし、首元に合わせるお品ですから十分かと」


 答えるステラの声も弾んでた。

 桃色真珠を外し、新たに金飾りを姉の首へと纏わせる。


 「少し御髪を」


 手早く髪を持ち上げ、止める。首を露にした状態で見れば。


 「ばっちり!」

 「全くだ」

 「見立て良いよ」


 これ以上なく似合ってる姉さんが居た。




 


 「こっちも捨てがたいわあ〜」


 二つの内のどちらにしようかと悩んでた。二つの内の一つ。選べるお土産は一つ。



 「あ〜〜、どうしましょう〜〜〜」

 「他を選んでくれてもいーですよ」

 「まぁ!」


 楽しそうな悲鳴あげられてもなー、進まなくなるからなー。


 盆に二つを乗せて渡しておく。

 真剣に悩み始めたのを横目に作業を再開。



 「今度はこれ」

 「チェーンの類いだね」


 「ほい、纏めて渡す〜」

 「うわ、待つ! 鎖が絡まるって!!」


 「え? あうっ、ごめん!」


 太目の男用ならともかく、女性用の細い鎖が絡まり掛け…  あー、絡んでる。



 「こーゆー時は先端を束にして」


 ……括り紐が無かったんで、ステラに持って来てくれと頼んだ。

 


 「ほ〜う、おーう」


 見てるだけの兄さんは楽しそうだ。しかし役所を変わる気は無い。




 「今度は大丈夫」

 

 袋から取り出した丸い小箱は、宝石を嵌めた上品な作り。指輪に腕輪。首飾りに耳飾り。小箱の中にも詰まってる。丸い宝石箱も売り物か? 大丈夫の理由が環状を指すなら、確かに縺れない。


 今度の宝飾は全てが宝石付きだった。 


 置いた指輪の一つを手に取って、まじまじ見つめる。魔石… ではない。魔力に類する物で無い事を残念に思うが、アズサの健康に安全の配慮だろうかとも考える。



 「おーい、どした?  疲れた?」

 「ごめん、出来栄えに見惚れてた」


 「…それ、好み?」

 「いや、好みとは違う」


 「そっか」



 魔石でなくとも、あの仕上がりに質の良さ。十分な媒介になる。魔石に比べると落ちるが腕が良いなら問題ない、使い物になる。それに魔石でない事にも利点はある。あると言うか、これだけ良いなら魔石でなくとも需要が尽きる訳ねーっての。



 そう大きくはないが… 宝飾で埋まり切ったテーブル。個別に見せる為に置く以上、場所を取って当たり前だがどうしようかと思うこの現実。はっきり言ってアズサは金持ちだ。


 この現実に   物思う。



 「あ! ポーチに残しといた分!」


 

 …まだあった。



 「は〜、これで終わり。セイルさん、どれが良いですか? 大体の金額に理由を教えて頂けると大変有り難く〜〜」



 ……俺じゃなく兄さんに聞くのが寂しい、それが正解でもさぁ。



 「本当に土産として一つ貰って良いのか?」

 「はい、どーぞ」


 「……俺の見立てで、一番良いと思う物を貰っても良いのか?」

 「いーですよ」


 並んだブツをしっかり眺めてた。

 あっさりした返事に、複雑な顔をする兄さんもそうだが俺も複雑だ。悩み疲れた姉さんもブツを眺めて複雑だ。




 「ほら、勉強代だと思えば」

 「……困った。俺の方がしてやらねばならんのになぁ。前にも言ったが欲しい物ができれば言えな」

 「まださっぱりなーんにも」


 苦笑を通り抜けても、そうは見させない笑みであるのに色々思う。


 「高値で売れるのは王都だけではないぞ。はっきり言って宝石付きの分はだな、吹っ掛けてのぼったくりが可能な品ばかりだ」

 「おおおっ!」


 …………兄さん、間違ってないですけどね? そーゆー教え方止めてくれませんかぁ?

 





 「良い魔石は金になる、高い。じゃあ、買えない場合は?」

 「えー? 金銭問題なら魔力水買うんじゃね?」


 「あ、そっち? それも有り」

 「無謀な服用だと体が壊れてよ」

 「はい!? …俺じゃなくても?  うわ、こっ わ〜。 んあ〜 魔力グッズを買う」


 「はは、そうだな」







 出したブツを囲んで、あれこれ教えて貰ってた。



 魔石でぴっかりーん。魔力補充でぺっかりーん。術式できっらりーん。


 はい、わかります。魔石と補充の形式でぴかぺか光るのは洋灯です。魔石か術式か、もしくはその複合でぴかきら光るのが結界です。俺は魔石オンリーです。


 補充でぺっかは説明飛んだよ。後でハージェストに聞くからへーき。


 術式きっらりーん。

 普通にやっちゃうアレですね、ニールさん使ってました。水晶のばーちゃんもそうみたいだ。水晶の大きさ言ったら魔石じゃないだろーって言うから。


 んで、爆発物(上)。あれは術式のみ、媒介使用作品だそーだ。媒介も様々。もちろん、そこに宝石もアリですよ!


 

 ちなみに魔石をぴっかりーんさせるには、要、加工と研磨。最終、力の方向性を組み込む。定まらない力は全方位放出で全く意味なし。加工・研磨せずに方向性組んでもイケるけど、代わりに威力ガタ落ち。これまた意味なさげ。


 術式きっらりーんは、物への定着率でこれまた威力が変わるらしい。定着率って要、技術? それとも知識の差?  ま、どっちでも、一回ぽっきりの使い捨てなら拘る人はいないだろーけど。



 媒介の品質で耐久性は変わる。


 大事に使えば回数イケる。物に依ってはずっとイケる。回数重ねれば自分色。ある程度、力の残量の感覚その他も掴めて使い勝手良しとか。

 魔力タンクにならねーかと考えるが〜 そこは不明。しかし宝石でやれば、ある種の魔石化だと。本物とは違っても模造品イミテーションじゃねーってよ! ばーちゃんの水晶はこれだろう。



 つまり、品質が全てを左右する。

 


 見た目からしてイイもんの方が自慢にも見映え(ステータス)にも貢献するよね〜。それにさぁ、ほら。 採用試験に自作披露(アピール)可でも、魔石使用(お助け)は認めないそーだよ。


 あはははは! ま、どんなモンでも磨きは要るってこった。



 「気にする必要もないけど、他人の術式が嫌(潔癖性)な奴っているんだよねー」

 「器としても良い、意匠も良い。中も空だ」



 だから、ぼったくっても売れる!  なんて素敵な響き。




 「本当に素敵な物ばかり… 下さった方は、どうやって構えたのかしら?」

 「え?  ……ご自分で作ったとか何とか詳しい事はさっぱり」


 リリーさんの言葉に、くれた時を思い出したが問答しても意味なさげ。流してしまおう。


 「ご自分で?」

 「ほう、それがわかれば参考にしたいものだ」


 セイルさんの惜しくもなさそーな口調がナンでしょね。


 更に商品にする過程を教えてくれた。

 魔石の採掘から加工、術式の組み込み。その後も聞けば聞く程、一人で全部できるとは思えん。


 「一人じゃ無理ですね」

 「できる奴が居たら迷惑だな」


 「へ?」


 要するに一人で全部できちゃうって事はぁ〜 経済回してるよーで全く回してないのと同じ。後進に技術を伝授する事もしなさそーだし、特殊系なら後進育つか不明っぽいだろー? 不要だってさー。


 「そういう奴が居たら使えはするぞ。使える分だけ、使い勝手が悪くて我が煩いだろうがな。ま、居れば勘違いする程度に愉快に使い込むさ」



 他にもご意見、頂いた。

 肯定の意見も聞いたが、「思考回路は大抵決まっとる」とか何とか言われるとだな…  ゲームじゃない以上そんな奴が居る訳ないけどさ。


 わっはー! ゲームのカンスト者は要らないそーですよ〜〜〜。カンストしてよーがナニしてよーが怖い事はありそーですよね? カンスト継続やっは〜って、喜んでる時点で抜け落ちてるっぽい罠ありそーじゃないですか。


 うんうん、ぼっちで頭張ってもダメだぁね〜。







 「売って欲しくないなー」

 「へ?」


 「いや、売るなじゃなくて…  売り先がね」

 「そうね、本当に掘り出しだわ。こんなに数に種類が揃ってるなんて。魔石にも相性はあるの、同様に宝石でも上手くいく、いかないはあるのよ」

 「相性を選ばんのは基本的に屑石でな」


 なんと! 汎用性のある物こそが屑であるとか!!



 「これらは間違いなくどこでも売れる。転売目的の割り増しでも、がっつりぼったくれる」

 「刻印も無いでしょう? だからこそ高値でも買う者はいるわ」

 「あ、違うよ? 刻印が無い事は大した問題じゃない。誰が作ったの保証が必要ない者に刻印なんて不要だしさ。そこはもう個人判断でしかない」


 「保証はしない、代わりに自分の作だと主張しない。しかしこれだけのモノの権利放棄、高くあっても文句は言わんよ」



 ……権利の放棄に偽ブランドを連想する。

 徒弟君の意見とかその他諸々を思い出すが、『これら』の下だったのにな〜と強く思ってしまう。 




 『出す順番を間違えると面倒よ。でも、その時はその時。自分で頑張りなさいね』


 

 心配を含んだ優しい、柔らかい口調。


 何度思い出しても、あの優しさは真実の優しさに思える。

 少しの感傷と嬉しさと楽しかった雰囲気を思い出す。うん、そう思える思い出すモノがあるって良い。




 「…どうかした?」

 「あ、いやいや」


 「でね? 今、売る必要は無いと思うけど… 売るなら家の者に売ってくれないかしら?」

 「もしくは家で買い上げたい」

 「街で売るのも良いわ。利は回るし、必要とする者の手にあるのも良い事だわ。買い占めの単語はアレだけど… できれば竜騎兵に回してあげたいの」



 わかります、自分ちの兵力増強!装備万全! 延いては俺自身の安全保障!!


 俺の拠点はランスグロリア領になるだろう。しかしエルト・シューレも含まれる。それは俺のホームをラングリア家と決めたからだが! こっから他んトコへ動く気もないが!!


 全部出すのは…  まぁ…  なんだ、アレだからなー。どーすっかなー。




 「えー、先日お金は頂きました。特に困ってないんで売る必要ないですが… 幾つか出した方が良いですか?」

 



 少しの思案に、くれた答え。

 俺の思考では、まず持って出てこない優しい答え。



 「無償であるならいかんぞ。家で買い上げるか、兵に個人として売るかだ」

 「家の買い上げなら報酬として出してあげられるから」


 「そっか、ご褒美(ボーナス)ですね! 家の仕事もっと頑張れですよね!!」

 「そうなのよ!」



 正しく読める君は素敵だ。

 出す分については、俺と話して決めるで落ち着いた。家の買い上げにしてくれるのが嬉しい、本当に嬉しい。下賜があった、なかったはやる気に反映する。



 「決めたら見せてくれ、払いの方は」

 「全く急ぎません。それよりどれがいーですか?」


 「…本当に参るな。 ……それでは、これを貰って良いか?」

 「はい、どーぞ」


 「有り難うな、これを選んだ理由はだな」

 「はい、何ででしょうか!」



 勢い込んで聞くのにそれこそ苦笑する。

 兄さんと話している間、並べた品に目をやる。


 鑑定預かり分に、ぽちがくれた分も足す。旅費に代えた分はわからんが、距離と聞いてた話から大凡おおよそで差し引く。



 個人としての財産。


 アズサの食生活や生活態度を元に概算を弾けばだ。一生は無理、それは無理。でも余裕のある生活を送れる。その間に増やせば良いだけだ。

 考え方次第… いや、現物を直ぐに出せるのは強みだから、その点では俺より良いよな。  まぁ、ナンだ。 奴隷の一人や二人や三人四人、買った所でどーって事ない。 はは。





 手近な一品を取って眺める。


 俺がしてたのと比較する。これだけあって選び放題。なら… 遠慮じゃなく普通に要らなかったんじゃないか? 


 思い至ると至りたくなかった、気分が落ちる。



 「どれか良いのある? あ、それイイ感じ?」

 「え?」


 「これ貰ったろ? お土産ってゆーよりお返しに、どれがいーかな〜って考えてはいたんだ。チェーンで選んでたけど石付きの方が良くね? 相性とか言ってたろ? 合うのある? ってか、どーやって合うのがわかるんだ?」

 「あー… いや、お返しとか別に。それより要らなかったかなとかでこー」


 「あ?」








 視線と返事が痛い。本気で痛い。


 『俺にくれたのを今頃返せとは何事かね、君ぃ?』

 『ちがっ! 返せなんて言ってない!!』


 『へっ、俺の物を取り上げようとはい〜い度胸だ。この馬鹿め! ふはははは!』


 痛くて痛くない返事だった。


 軽〜い小突きで笑った。

 後で相性の見方を兼て、良いのを選ぼうと笑った。


 兄さんじゃないけど参る。俺よりよっぽど人ができてる。






 「そうなの、決められないのよ!!」


 姉さんの切実からは遠い声が響く。


 

 「えー…  と、 どうしましょうか…」

 「断然似合ってるのはこっちでしょ?  ええ、わかってるわ。でも、こういった感じが似合うとわかったのは嬉しいの。とっても嬉しいの、この色がとっっっっても素敵で素敵に気に入ったのね!!」


 「それでもまぁ、こっちの方がと」

 「普段の衣装から使い勝手を考えるとねぇ?」


 いつもなら、サクッと決めるのになぁ。



 「それでね、あのね。二つはダメかしらぁ?」

 「えーと、えーとぉおお…   それじゃあ… えーと二つ「姉さん、お土産は一つの話に頷きませんでした?」


 「ちゃんと聞いてよ。聞いたんだけど〜〜  ね?」

 「いやあのさ、俺は別にそれでも」

 「駄目だよ。こーゆー事はバシッと言っとかないと、ずるずる引っ張ったら終わりだって。同じ状況になった時、同じ事になるよ。ちゃんと断れる? 付け込まれるよ?」


 「…土産ではなく、それも買い上げの方向ではいかんのか?」



 ……あのですね、兄さん。それは助けに似てるけど助けになってないから。このままだと甘い詰めに付け込まれる可能性の回避に失敗するだろーが! それを防ぐには自己意識の理解から修正をだな!   だから、邪魔すんなよぉおおっ!!




 最終、二つを手にした姉さんはご満悦だ。しかも兄さんに金を出させた。甘いっちゃー甘いが仕事の名目を外してた兄さんのツケだな。



 『選び切らずに二つを手にしてズルいなぁ』


 やっぱり、俺は狭量か?



 「いやー… ほら、兄弟だし。おねーさんな訳だし。俺だって、その場限りの人にやらないって〜。まぁね、値切りの駆け引きならまた違うけどさ。それは大丈夫だ! あはは!  ほんとだから」


 ちろ〜〜っと見てても平気と笑うし。まぁね、君の言う『お姉さん』ってのにね。



 その後は兄さんの指示の元、ざっくりとした分類別けをして終わった。


 俺の見立ても悪くない。がぁ… まだまだだな。しかしそれより目が痛い、短時間でこんなに見ると目が眩む。脳内金額換算しながらやると踊る金額が止まらなくて変に頭痛もしてくる。


 素人なら金額に舞い上がれるし、手癖の悪い馬鹿ならツマミそーだしなあ。



 「ほんと〜に有り難うございます。お陰様ですっきりです! お土産渡すのは会った時で良いでしょーか? 先に送っといた方が良いですか?」


 「…親父様達にもあるんだな」

 「もちろんです! ご厄介になるんです、多少の金は入れねばならんと思ってます!」


 「気にしなくて良いんだよ」

 「貰って嬉しいから強く言えない私だけど…  入れなくても本当に大丈夫だから」

 







 しかし、一通り終わったな… 


 遣り切った感が強くする。するんだが金の事を気にするのが、すごく気になる! 金の切れ目が縁の切れ目じゃないが、そんなに気にされると…  変に気になる。


 何時でも出て行ける状況にしておきたい感じに受け取ってしまうのが、うあああああ!



 「ロイズ、ご苦労だった。話は後で聞く、それでだな」

 「ステラ、これらを仕舞うのにね。ええ、そう。あれを取ってきて、お兄様の分もお願いよ」



 部屋から出て行く二人を見送るが、その際、ロイズに笑い掛ける事を忘れなかった俺は正しい。










  キィ…  タン…



 二人して一礼し、扉を閉めた。


 茶器の片付けに小部屋へ向かう。裂けた上着も置いては行けん。


 カチャン…



 「ふぅ、これで良し。ありがと、後でするわ。それにしても目の保養には強過ぎる、毒ね」

 「あれだけの物になれば欲しくもなる」


 「欲しい… 欲しいねぇ? 高過ぎると合わせ様がないわ。この服装に合う程度の物が一番良い」

 「強請ってみればどうだ? くれそうじゃないか」


 「あら、怖い。嫌よ。 ハージェスト様に睨まれたわね、ふふ。  ……私は睨まれてないわよ、一緒にしないでよ」



 あの目を思い出した。


 「で、本当に大丈夫?」

 「あの時はキツかったが痛みはない」


 「もう一度、確認させて。私の方からもご報告しておく」

 「……わかった」


 しくじりを晒すのは嬉しくもないが仕方ない。時間も惜しい。手早く脱いで自分でも確かめる。



 「……ん、胸の爪痕も大した事ない。良かったわね、ざっくりやられなくて。堪えたのは後から踏まれたお腹か」

 「あの時だけだ、押した所で痛くもない」


 「じゃ、問題なし。 ふぅう〜〜〜  あれには心臓が止まるかと思ったわ。意図も読めない形より、わかり易い方がましなんて思うものじゃない。何時、あれが転じるかと張り詰めたわよ!  はぁ〜〜 先に出るわ」

 「ああ」


 深呼吸をしてから出て行く姿を見送った。

 袖を通し、着直す前に踏まれた場所を撫でる。腹の筋肉を押す。



 ほんの少し前に、この身を黒の巨体が覆った。

 ガキの頃ならともかく、近年ではした覚えのないしくじり。咄嗟の事態に反応したが、影が視界を埋めた時点で俺の負けだ。式を展開する暇もない。落ちてくる爪がでかくて、鋭利な事だけが印象に残っている。



 「ちっ」


 反芻しても逃げ切れない上に、返しの一つもできそうにない事が腹立たしい。






 上着で隠せない分、いつもよりかっちりと着込む。

 執事殿と話をして出ていた間の確認に、レイドリック様に話を通す。エイラム殿への伝言、それから…


 予定を浮かべながら、上着を持って小部屋を出る。扉を閉める動作で、先ほど閉める前に見たハージェスト様の笑みを思い出した。



 『ハージェスト様に睨まれたわね』



 思い出せば鼻で嗤う。

 

 ハージェスト様はご家族で、俺にとっても仕える一人。お帰りになられてからの付き合いで、性格も行動も力についても知っている。それについて思う事はある、確かにある。

 しかし、第一に仕えているのはセイルジウス様だ。あの方が良しとした以上、不用意な事はしない。しないが仕事は怠れん。


 藪をつついて蛇を出す。

 蛇が居るかどうかの確認を取るのも仕事だ。上が言った所で納得しない下は居る。そういう時の抑えに要るのが情報だ。




 廊下を歩みながら、どうやるのが最善か思案する。

 力量に、己が取るべき行動に悩む。


 黒い黒い黒い力。

 あの時も今も。 聞いた話に並べられたブツに。 思う事なら山とある。



 己が手を見て考える。

 手のひらをゆっくりと握り締め、広げて振る。




 『どうすれば確実に仕留められるか?』


 必要と判断すれば答えが出ずとも最善に繋げる為に考える。相手の隙に付け入る方法を模索する。それらができて当たり前だ。


 睨まれてもなぁ…  どこで最善と見做すか、その為にあの身をどう調理するか。








 「…… がっ!」


 衝撃に腹を押えた。

 内側からの不意打ちに、体がぶれる。歩みが乱れる。痛みが眩ませる。廊下の壁に手をつく。足が立たず、ずるずると踞りそうになる。



 押えた腹が 熱を孕む。 










 霞む周囲に人は居なかった。



 幸いだが、こんな廊下で踞ってなるか!と手近な扉を開ける。一室に逃げ込む。意地と習慣で音を殺す。閉めた扉に凭れる。


 これだけで目眩がする。腹が熱い。熱が痛い。腹の奥底で熱が疼く!



 「あ、 い、ぃぃぃ!」


 痛みに片手で腹を押え、片手で自分の口を塞ぐ。

 痛みで脳裏に火花が散り、体が仰け反る。塞いだ口から声が漏れる。前へと踏み出したのか感覚も掴めないが、床が近づいてくる。






 「あ?」


 不様に転がる自分を理解した。

 痛みから意識が飛んだのか。膝から落ちた… そんな気はするが。


 そろそろと腹に触れる。

 熱はあるが痛みが薄れた。体はだるいが動く。服を引っ張り上げて腹を出す。



 「な、んだ… 」


 腹が 赤い。



 赤黒い、血溜まりの赤。

 中心から広がり薄れる色と形。 咲いたよう。 腹を押した獣の手。



 先に見た自分の腹と、広がる赤。



 皮膚との鮮やかな対比。

 呪われたとしか思えない、そんな赤痕が熱を孕んで腹に浮かぶ。




 「は、はは…   直ぐに戻らねばならぬ言い付けでなくて良かったか?    あああっ! クソがあっ!!」


 何故にと思うより、口から飛び出る罵声。



 『睨まれたわね』


 思考が纏まらなくても天意の如く声が降る。直感が後悔を引き連れ、『意図ココロを』と呻く。


 身動ぎに孕む熱が膨れ痛みが滲む。きつく目を閉じ、食らう熱に歯を食い縛る。手を伸ばしても掴む物がない。痛覚を殺そうとして失敗する。悶えるだけ増していく。


 「ぐ      あ、 あ …  つっ!」


 絨毯に力の限り爪を立てた。






















 番猫クロさん、五ヶ条のご使命。

 

 第四条、第三項目。


 番猫の、裁定ルーリング

 『当方の大事なお子様への嫌疑につき、烙印(標的)押しにて釈放を許す』 『嫌疑のかたまりに烙印を赤華とす』 『警告の無視、並びに害意足らずも複数回認めた場合には、完全排除を確定とする(大輪に狂い死ね)










 




 



 「それでだな」

 「はい、何でしょう?」


 「預かり分はどうする? 此処での換算も微妙だがな」

 「え?」

 「そうね、釣り上げを望むなら此処ではね」

 「売る必要ある? ないんじゃない?」


 考え切ってなかったのか、固まった。

 そこへ皆で色々言ってみた。



 「売るかどーかは、はい、別予定です」

 「昨日の内に隊の者に鑑定させたが、シューレでの値はつかん。それで午前中に街の者にもさせれば、買取希望が出た」


 「あ〜〜」


 考え考え、兄さんに答える。

 その答えが俺の出した回答予想とほぼ合致してたのに、やったー!と浮かれた。




 「普通だったら信じないのだけど」

 「えー?  どちらにも得しかない軍資金でして」

 「え? 出して得なの?」

 「はい」


 「……ふぅん? どんな人だった?」

 「ん? 美人とかそーゆー話?」

 「おお、それは重要でも流さねばならん残念な案件だ。性格や思う所を聞きたくてな」


 「そっちなら〜 俺的には導きの女神様です。登ったばかりの清涼な朝日をパアアッと背景にお願いします」

 「は?」



 突っ込んで突っ込んで聞いてみた。


 「うーん、女神様。女神… そうねぇ…  大げさな気もするし、そんな気もするわね」

 「現物が並ぶ所にどうしても人臭さを感じるんだがな。だが、安全を憂慮している。一面であろうとも優しい心を持つ事に相違ない」

 「…うん、きっと優しい人なんだろうね」


 「あ〜、お前にはかなりってか確実に優しいぞ」

 「え、なんで?」


 「いやだからさ、言わんかったっけ? 俺が此処に決めたの、おねえさんがお前をイチオシしたから」

 「……はい?」


 「あ、そか。イチオシでも『お前』抜かしたっけ? あれぇ?   …うん、最初は意図して抜かした」





 説明に腰が引けた。

 どうして俺を知ってるんだの疑問に、見られていたの思いが強くなる。そりゃ、最初の説明で掠めたモンはあったけど? 改めて語られると生々しいな、おい。


 一体、何時から見てた? ほんとに見守りか? ほんとか? 


 「実際なーんにもしないって。会いにくる事もないはずだよ、面倒で大事は嫌いって言ったから。あ、風呂の覗きとかない。それはお約束」


 真顔で言われたのに安堵感と、疑いが残るナンか変な感じが。


 「だって、お前と一緒に居たら俺も視界に入るし。あははは、普段そんなの考えないけどさ。ま〜、年だってわかんないよーうな人達だったよ」




 会う事も話す事もない、これから先もない。 それは居ないだ。 考えるだけ無駄だ。


 それでも思う。


 見ていた、それは足掻きをか? 嘆きをか? 


 見て、何を思う? 

 見られていたから今に繋がる? 俺の泣きっ面に不貞腐れを?   本気で微妙だな…  殴りたい気もするぞ。






 「あ〜、残りは折り畳み敷布団に、獣除けの練り香とか他に〜  ぬ 」


 俺の表情に話の進行を優先した。

 床に出そうと離れたのに、手伝おうと傍に行く。 はっはっは、人のツラ見て逃げるのは良くないって。


 「あー…  これ、テーブルに」

 「開けても?」

 「ん」


 包みを広げれば可哀想な状態になった 花冠 の残骸のよーな… 布の汚れは汁気か。


 「乾燥… してんね」

 「何時の作成…  いや、誰が編んだの?」

 「おーれ〜っ」


 良い笑顔が煌めくんで、もっと突っ込んだらお姉さんの名前が出た。



 眼差しが遠くなるのに失敗した。

 しかしその程度で誰が下がるか、下がれるか。聞かんでどーする、聞きたいわ。俺に聞かない選択肢はない。聞かない事は優しさかもしれないが、逆もまた真也だ。聞く事も優しさだ。


 それがうざいってだけならな?  のーみそがほんと回らねーってだけだろ?  ク・ソ・ガ・キ、はははははっ!




 

 「で、金払って買った分」

 「問題ないよ」

 「ええ、特に何かある物ではないわね」

 「よし、大丈夫だな」


 これで終わりと思えば、リュックをまだ探ってる。まだあるのか!と心中で唸るが出すのを迷う顔をした。



 「これも軍資金として貰った分ですが、お土産からは除外を決めてまして」


 難しい顔をしてた。


 「売り先の注意に、見る人が見ればわかるって内容のブツです。その言葉に浮かれたけど、俺には最初っから価値がわからないって話。人を限定する以上、高価だと決まってる。安全が確保されるまでは自分でも見ない・知らずに居ようと決めて、これは開けてないんです」



 その言葉に視線が集中した。

 確実に高価だと聞かされると期待と緊張が膨らむ。期待の方が大きい。


 

 紐が解かれて、袋の口が広がって、中味がザララッッと……………   出たけどな。



 「お、ねえ  さん…   ええ、ええ、そーでしたね! おねえさんの贔屓はこいつでしたよねー、そーゆーコトをこーゆートコでしますか。 あの時、そーゆー…   そーゆ〜〜〜う おココロ(意図)をお持ちで!!  ひゅー、やっるーう!   でも、ナニこれ。 ほーしょくって言わんかったあ? 言ったよね、おねえさん、言ったろー!?  ひっでぇぇ!」



 原石と思われるモノが転がる中に、橙・白・青の三色のリボンで包装されたブツが自己主張してた。他が剥き出しのモノなだけに、釣り合わないくらい目立ってた。


 リボンの端がクルクル巻いて可愛いね。




 「お前にだよ」

 「俺?」


 「これは、お・ま・え・への土産! 絶対そう!  だーから、わざわざあっちに…! ポポポイのご機嫌もこれか!? これでか!  ……いや、それだけじゃないはずだ。きっと、そーだ。そーに決まってる!だって、おじいさ   あ〜〜〜     あっちもそーゆー人だったあーーー!  うがーーーー!」


 「ど、どうしたの!?」

 「何があっちなんだ?」



 突き出されて受け取った、小さな包み。


 どーしたら良いんだ? 開けて良いのか、これ?   あ〜〜、下手に慰めたら逆効果だろうなー。  落ち着かせるのに〜〜  茶は要らねーな。





 

 

久しぶりにお遊びを。今回は二つしましょう。



『意志が有り、意見が有り、意図が有る所に過失は無い』


質問。

本文中サンプルから、あなたはどれを答えと選びますか? いつも通り選ぶのは一つ。


一、弱肉強食。

二、罠。

三、愛。







選ばれましたら、問題。

あなたが選んだ回答は、他の二つと比較して何がマシであるのか述べよ。



はい、簡潔にどうぞ。



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