プロローグ
作者は今回が初投稿の初心者です。
至らないところもありますが、どうかよろしくお願いいたします。
小さい頃はまだ皆優しかった。
いつの頃からだろうか、周りからの目は厳しくなってきた。
父親や母親も優しくしてくれていた。
昔は。
妹だってなついてくれていた。
昔は。
幼馴染とは一緒によく遊んだ。
昔は。
そう、昔は――――――
「貴様今まで育てたやったというのに……っ!」
父からの罵声が浴びせられる。
「本当よ! もしかしたら、もしかしたらって期待した私たちが馬鹿だったわ!」
母からの失望。
「お兄ちゃん……なんてもう呼ばないから」
妹からの軽蔑。
「もう話しかけないで」
幼馴染との絶交。
「当面の生活費だ」
そう言って目の前の床にたたきつけられたのはお金の入った布袋だった。
「せめてもの情けだ。これを持ってすぐに家を立ち去れ」
家を追い出された。
でも、それはしょうがないことだと理解していた。僕が無能だから。
何の力もないから……
そんな時だ。僕があの人と出会ったのは。
「少年よ、人間は愛だの友情だの言っているがそれらは奇麗事だとは思わないか?」
最初は何を言っているのかわからなかった。
「そんなものよりも怒りや絶望といった負の感情のほうがよっぽど強く、そして醜い」
でも
「まあ、そんなことはどうだっていい。私が言いたいのはそんなことじゃない……」
気づけば僕はその人に
「私の後継者にならないか?」
魅入られていた