本編 2011年1月3日~2012年10月7日
今回はあまり小説っぽくありません。
それでも良ければどうぞ。
2011年 1月4日 Side海上自衛隊第1艦隊
「対艦ミサイル4基接近!! 方角270、距離95km!!」
「ECM照射始め!! ESSM発射用意!!」
「対艦ミサイル、1基海面に墜落!! 3基以前接近中!!」
「ESSM攻撃始め!! 主砲撃ち方用意!!」
「ESSM緒元入力完了。1、2、3番発射用ー意・・・・ッテェ!!」
「航空機等の接近は!?」
「ありませんッ!!」
「インターセプト5秒前・・・スタンバイ・・・マークインターセプトォ!!」
「2基撃墜!! 残り1基です!!」
「主砲撃ちー方始めェ!! CIWSオートロック解除!! 絶対に撃ち落とせ!!」
「撃ちー方始めェ!!」
「距離5km!! 接触まで20秒です!!」
「チャフ、CIWS発射始めェ!! 」
「総員衝撃に備えェ!!」
「接触まで5,4,3・・・撃墜!! 本艦より500mで撃墜!! 全基撃墜です!!」
「被害の報告を!!」
「船体に破片が直撃。されど航行・戦闘に支障はありません。」
「分かった。浮かれるんじゃないぞ!! 対空・対水上・対潜警戒を厳となせ!!」
「了解!!」
―――――1時間後
「今日の訓練も疲れましたね、砲雷長。」
「航海長・・・。まさか500mまで接近を許してしまうなんてな・・・。」
此処は海上自衛隊第1艦隊の「こんごう」の科員食堂である。
そこにいる二人の男、航海長の尾崎稔3等海佐と砲雷長の椎名三圀3等海佐は疲れた様子で椅子にもたれ掛かっていた。
「この間の大規模艦隊編成変更はどういう意味だったんですかねぇ。」
「護衛隊群もただの艦隊に変わっちまってな。まぁその方がこっちとしてはうれしいんだが。」
さかのぼること2日前、赤城首相から防衛省を通じて発表された艦隊配置の転換要請で海上自衛隊の第1~4護衛艦隊群は全て解体し、新しく第1~6艦隊を編成。さらにそれ以外の艦(旧式艦)は新たに設置された第1~6護衛艦隊に編入させ、艦隊隷下に指揮系統が置かれた。従来の護衛隊は全廃止され、直接の艦隊行動とし、司令部も各艦隊に一つずつ割り当てられた。
その編成を見てみるとこうなる。
第1艦隊 (司令部・横須賀)
ミサイル搭載型護衛艦「こんごう」
ヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」
汎用護衛艦「むらさめ」「はるさめ」「たかなみ」
第2艦隊 (司令部・佐世保)
ミサイル搭載型護衛艦「きりしま」
ヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」
汎用護衛艦「ゆうだち」「きりさめ」「おおなみ」
第3艦隊 (司令部・舞鶴)
ミサイル搭載型護衛艦「みょうこう」
ヘリコプター搭載型護衛艦「たかお」
汎用護衛艦「いなづま」「さみだれ」「まきなみ」
第4艦隊 (司令部・呉)
ミサイル搭載型護衛艦 「ちょうかい」
ヘリコプター搭載型護衛艦「はりま」
汎用護衛艦「いかづち」「あけぼの」「さざなみ」
第5艦隊 (司令部・函館)
ミサイル搭載型護衛艦「あたご」
ヘリコプター搭載型護衛艦「のりくら」
汎用護衛艦「ありあけ」「あきづき」「てるづき」
第6艦隊 (司令部・那覇)
ミサイル搭載型護衛艦「あしがら」
ヘリコプター搭載型護衛艦「あかいし」
汎用護衛艦「すずなみ」「もちづき」「みかづき」
汎用護衛艦はむらさめ型以降のものだけを使い、全体の平均艦齢が若い。各艦隊における護衛艦の数が少ないと批判が出たが、今後5年以内に大量の艦艇を配備させることを発表し、そのため陸海空自衛隊の定員を最大3倍に引き上げる方針を示したのだ。
「もう本部じゃ1万人以上の入隊希望者を受け付けてるらしいぜ。」
「それって・・・。」
「ああ。海自だけでだ。」
近年稀に見る自衛隊増強政策である。
2011年現在の海上自衛隊員数は約4万6000人である。この中で実際に艦に乗艦して行動しているのは約3万1千人である。新しく入ってくる隊員がほとんど艦隊勤務となるなら相当数の護衛艦が必要になるがどうなるのだろうか。
「なあ、椎名。こんな噂を知ってるか?」
「どんなだよ。」
防衛省で勤務している友人からの話であり、結構有力である。
「裏海上自衛官と裏航空自衛官の団体16000人余りがアメリカの海軍学校に研修に行ってるらしいぜ。それも約6年前から。」
「政権交代前か。・・・空母か?」
「さあな。だがこれまで日本が持っていなかった物を持つことになるのは確かだな。」
これは民主党に一切知られることなく進められていた日本の空母取得の準備だったのだが、その事を二人が知るわけがない。知っているのはその16000人の自衛官たちと一部の閣僚のみなのだから。もちろんすでに空母の建造がはじまっていることも二人は知らない。
2012年 10月1日
防衛省が行った今年行われる観艦式についての取材で、海上自衛隊の全艦艇の艦名を漢字表記に変更することを発表。さらに明日から1週間の我々の発表を心してお聞き下さいと発表。
2012年 10月2日
三菱造船のドック内で、公開建造中だったイージス護衛艦4隻が進水。「敷島」「朝日」「初瀬」「三笠」と命名。
2012年 10月3日
三菱造船のドック内で、極秘建造中だった原子力空母4隻を公開、および進水式を行う。「赤城」「天城」「翔鶴」「瑞鶴」と命名。
2012年 10月4日
三菱造船のドック内で、極秘建造中だったイージス戦艦4隻を公開、および進水式を行う。「大和」「武蔵」「信濃」「紀伊」と命名。
2012年 10月5日
播磨造船のドック内で、民間の貨物船として造られてきた、戦闘輸送艦3隻が進水。「伊豆」「能登」「房総」と命名
2012年 10月6日
播磨造船のドック内で、通常の補給艦として造られてきた戦闘補給艦3隻が進水。「琵琶」「猪苗代」「丹沢」と命名。
2012年 10月7日
三菱造船、播磨造船、三井造船のドック内で、ミサイル防空母艦11隻が同時進水。「風神」「雷神」「龍神」「水神」「火神」「氷神」「土神」「陽神」「天王神」「海王神」「冥王神」と命名
また、防衛省はこれらの艦艇はすでに偽装を整えたものであり、今すぐにでも、配備が可能であると発表。そのため、各基地に人が殺到。
中国から抗議の文面がとどいたことも発表。
新しい艦隊編成は次の通り
第1艦隊 (司令部・横須賀)
ミサイル戦艦「大和」
ミサイル搭載型護衛艦「金剛」「敷島」
ヘリコプター搭載型護衛艦「日向」
航空機搭載型護衛艦「赤城」
汎用護衛艦「村雨」「春雨」「高波」
ミサイル防空母艦「風神」「雷神」
第2艦隊 (司令部・佐世保)
ミサイル戦艦「武蔵」
ミサイル搭載型護衛艦「霧島」「朝日」
ヘリコプター搭載型護衛艦「伊勢」
航空機搭載型護衛艦「天城」
汎用護衛艦「夕立」「霧雨」「大波」
ミサイル防空母艦「龍神」「水神」
第3艦隊 (司令部・舞鶴)
ミサイル戦艦「信濃」
ミサイル搭載型護衛艦「妙高」
ヘリコプター搭載型護衛艦「高尾」
航空機搭載型護衛艦「翔鶴」
汎用護衛艦「稲妻」「五月雨」「巻波」
ミサイル防空母艦「火神」「氷神」
第4艦隊 (司令部・呉)
ミサイル戦艦「紀伊」
ミサイル搭載型護衛艦 「鳥海」
ヘリコプター搭載型護衛艦「播磨」
航空機搭載型護衛艦「瑞鶴」
汎用護衛艦「雷」「曙」「小波」
ミサイル防空母艦「土神」「陽神」
第5艦隊 (司令部・函館)
ミサイル搭載型護衛艦「愛宕」「初瀬」
ヘリコプター搭載型護衛艦「乗鞍」
汎用護衛艦「有明」「秋月」「照月」
ミサイル防空母艦「天王神」
第6艦隊 (司令部・那覇)
ミサイル搭載型護衛艦「足柄」「三笠」
ヘリコプター搭載型護衛艦「赤石」
汎用護衛艦「鈴波」「望月」「三日月」
ミサイル防空母艦「海王神」
第1補給艦隊(司令部・横須賀)
戦闘補給艦「琵琶」
通常補給艦「十和田」「摩周」
第2補給艦隊(司令部・佐世保)
戦闘補給艦「猪苗代」
通常補給艦「常盤」「近江」
第1輸送艦隊(司令部・横須賀)
戦闘輸送艦「伊豆」
通常輸送艦「大隅」「下北」
第2輸送艦隊(司令部・佐世保)
戦闘輸送艦「能登」
通常輸送艦「国東」「知床」
海兵特殊強襲艦隊
ミサイル防空母艦「冥王神」
戦闘輸送艦「房総」
戦闘補給艦「丹波」
通常補給艦「浜名」
どうでしょうか。
次回は新しく登場した艦の説明にしたいと思います。
ご意見ご感想お待ちしております。