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平成日中戦争 ~日本のみらい~  作者: カトタク
局地戦闘勃発編
11/19

本編 2012年10月10日

こんにちは。

データが吹っ飛んだときは泣きそうになり、なんとか書いてみたこれも当初よりかなり劣化してしまいました。


更新が遅くなったことも併せてですが、文句は学校に言ってください。定期テストや模試を1週間置きに入れるガッコが悪いのです。


ごめんなさい。


では毎度ながらの駄作ですがどうぞ。

防衛省地下8階 NCCS中央管制室

有事宣言を発表した赤城総理は会見を終えたその足で防衛省へ向かい、このNCCSで防衛大臣とともに戦闘の指揮に当たっていた。そして朝7時になろうというとき、驚くべき情報が入ってきた。

「偵察衛星、『長門』が中国大連港から出港する空母機動艦隊を確認しました!!」

『長門』とは2011年末に打ち上げられた7基の偵察衛星の内の一つである。偵察の他に何か別の機能もあるという噂があるが、ほとんど情報が公開されていないため真相は明らかでない。

「機動艦隊!? 強襲揚陸艦の間違いじゃないのか?」

防衛大臣はその可能性があるのではないかと指摘するが、衛星監視の隊員は譲らない。

「いえ、我々が前々から危惧していた旧ソ連からの売却艦である『ワリャーグ』だと考えられます」

『ワリャーグ』とはスキージャンプ台を備えた旧ソ連の軽空母であり、中国軍のダミー会社にカジノ経営と称して買い取られて以来、大連港のドックで練習空母としての改造を受けていた艦である。『赤城』型には遠く及ばない性能だが、相手が航空戦力を出すというだけで艦隊の意味が変わってくる。

「艦隊陣容は?」

「巡洋艦3、駆逐艦7、フリゲート7、空母1、強襲揚陸艦5です。空母と揚陸艦を中心にして南東へ進んでいます。潜水艦もいる可能性がありますが、それは今のところ不明です」

「南東か・・・。尖閣諸島が怪しいな」

「はい。衛星からの映像ではJ-15、もしくはSu-33と一致する機体が発艦していました。これなら我が国領の爆撃も可能です。航空自衛隊による迎撃も不可能ではないでしょうが、ある程度の犠牲を覚悟しなければなりません」

「そうか。各艦には悪いが日本海に急行中の第2艦隊と補給作業中の第1輸送艦隊を敵艦隊追尾に回してくれ。海兵特殊強襲艦隊は敵艦隊の最終目的地が判明し次第現地に急行してもらう。犠牲は覚悟の上、現場の人も同じ気持ちだと願う。だが、だからこそ、この『戦争』で犠牲者を出すわけにはいかない!! 絶対に犠牲者ゼロでこの戦いを切り抜ける!!」

「・・・分かりました。では新田原基地からRF-2Fを出します」

「それでいい。念のため周辺基地のF-2には全機戦闘待機を告げておいてくれ」

「了解です」

「では首相、隣の部屋へ移ってください。アメリカ軍、陸海空幕僚長との会議があります」

「分かった」

首相を連れて隣の会議室へと移った防衛大臣は入室してからコの字型に並ぶ机の中心に腰を置いた。

いまや日本国内の米軍は通信施設とそれを守る警備隊位しか存在しないため、陸海空幕僚長以外は皆テレビ回線での会議である。首相はアメリカ軍には極力期待しないよう注意しながら会議を開始した。


2012年10月10日 AM8:40 九州沖

九州沖上空を空気と波を切り裂きながら飛翔しているのは航空自衛隊新田原基地偵察航空隊のRF-2F(バイパーゼロ)偵察戦闘機である。RF-4EJ(ファントム)の退役に伴い、RF-15J(イーグル)とともに開発がすすめられたRF-2Bの改良発展型である。具体的にはF-4EJの退役に伴い緊急生産されたのがF-2C/D、その機体の対艦性能をそのままに対空性能を強化したのがF-2E/Fという具合である。

要するにこの機体のアドバンテージである「対艦誘導弾を4発積載した状態で戦闘が可能」をそのままに偵察機へ改造したのである。この時飛んでいたRF-2Fも新型対艦誘導弾のASM-3、対空誘導弾AIM-9Lサイドワインダーを4発ずつ携行していた。もちろん機関砲も健在である。

『こちらエアニードル。レーダー上に敵艦隊を確認。潜水艦の存在は認められない』

『NCCSよりエアニードル。艦種識別のため偵察映像がほしい。視認距離まで近付けるか?』

『やってみます』

RF-2Fは速度を上げると艦隊へ近付いていった。

搭載レーダーがなんとF-3と同じなのでレーダーで確認できても視認距離まで近づくにはかなり時間がかかるのだ。

『視認距離まで到達。カメラに写します』

そこに映る23隻の軍艦は壮々たるものだった。

『まるで連合艦隊だ・・・。あ、いや識別完了した。危険空域から離脱せよ』

NCCSにあるスーパーコンピューターを使えば、映像を使った艦種識別など数秒とかからない。

『了か・・・なに!? 敵ミサイルレーダー波照射を受けた!!』

通信を一方的に終わらせたパイロットはチャフをばら撒き、ミサイルのレーダー波を欺瞞させる。幸い欺瞞によって自爆したが、その間に空母からJ-15が発艦してしまった。Su-33のコピーであるJ-15は中国製とは言いながらF-15に匹敵する能力を持つといわれている。第5世代戦闘機を相手にできるF-2A/Bの対空戦闘能力を更に強化したF-2Fなら、相手に不足はないのだが何せ今はASM-3を4発も背負っているのだ。機体が重いと機動力を損なって対空戦闘に不安が残る。

そうすると投棄か使用のどちらかしかない。独断だがこの際仕方がない。

兵装をASM-3に設定し、HMDの中心に映る十字(レティクル)に中心の巨艦、つまり空母を捉え、ロックする。機内にロックアラートが鳴るのと同時に搭載する全対艦誘導弾を撃ち放し反転急上昇、チャフ・フレアをばら撒きながら対空ミサイルをギリギリでかわす。同時に対空ミサイルを撃ったJ-15をロックするとAIM-9Lを発射し、粉砕する。更に向かって来るJ-15をすれ違いざまに機関砲で掃射。毎分6000発を誇るRF-2Fの機関砲は一瞬で敵機を穴だらけにし、撃墜する。

自身が放った4発のASM-3は超音速で『ワリャーグ』へ突貫し、敵艦に搭載される30㎜ファランクスの対応速度を超えて全弾がそれぞれ機関部、航空機格納庫、艦橋、飛行甲板に着弾・爆発した。機関が完全に沈黙したせいか速度を著しく落として黒煙を吐きだし、艦隊から落伍し始めた。更にゆっくりではあるが、艦尾が沈みこみ沈没しかけている。少し強めに設定した信管のおかげで、艦体に突き刺さってから爆発し、艦内に吹き荒れた爆風は外部から見える以上の被害として艦底をぶち抜いていたのだ。

RF-2Fのパイロットもそれを眺めているわけにはいかなかった。ほかの巡洋艦や駆逐艦から放たれた対空ミサイルが機体をロックしていたからだ。


その数、44


実際それほどの数になるとお互いの対空ミサイルのレーダー波が干渉しあって目標に達する前に自爆してしまうことがあるが、今回だけはそんな事にならなかった。

再びチャフをばら捲き急旋回、上昇で逃げを試みる。しかしそのうちにフレアは底をつきRF-2Fに残された回避手段はその機体の機動力だけとなってしまった。

まだ追ってくるミサイルは10発以上ある。パイロットは一か罰かの賭けに出ることにした。残っていたAIM-9Lを投棄し、機体を軽くすると上方80度で急上昇し、各ミサイルの位置がいつにまとまる時を見計らって一気に棒高跳びの背面跳びのように、機体をそらせて急降下した。まとまっていたミサイルはRF-2Fに付いていこうとして他のミサイルにぶつかり爆発し、それに巻き込まれたミサイルも次々に誘爆した。これで一度に12発の無力化に成功したのだが、残っているミサイルもまだ5発あり、再び上昇できる余裕はもうない。そこで一気に海面まで降りると、そこで更に急上昇。ついていけなかったミサイルは、すべて海面に激突すると、巨大な水しぶきをあげて果てた。

気がつくともう敵艦隊の射程から逃れていた。

『エアニードル!! 応答しろ!! 古賀1尉応答するんだ!!』

集中と緊張により途切れていた聴覚が戻り、何度も呼びかけたであろうNCCSのオペレーターの声が聞こえてきた。

『こ、こちらエアニードル。敵の攻撃を受け、機体を軽くするため対艦誘導弾を使用しました。着弾した空母は沈黙。確認した時点では艦尾が沈み始めていました。その後2機のJ-15との交戦後、一度に44発の対空ミサイルに追われ、回避しました』

『良かった。無事だったか。衛星からの映像で空母が艦隊から落伍したことが確認された。救命活動はされていない』

『はい。勝手な行動で戦闘を始めた責任は私にあります。処罰は甘んじて受け入れます』

会話があまり噛み合っていないのでオペレーターは重傷と見たのだろう。そのことに関して追求するのをやめた。

『あ、いや。空母を潰したことは我々としてもうれしい。何せ残りの艦隊構成艦にF-2で効果的な攻撃ができるからな。あとは後続のF-2に任せて帰投してくれ。ありがとう』

艦隊の攻撃計画は本当であった。今頃防衛大臣が発した出撃命令により、航空自衛隊各基地のF-2A/B/C/D/E/F、RF-2D/Fかかわりなく全てが離陸しているところだろう。海上自衛隊航空基地でも旧型になりつつあるP-3C対潜哨戒機と最新のP-1対潜哨戒機がASM-3と爆雷を搭載して離陸をはじめていた。更に佐世保を出港して日本海に向かったが艦隊追尾に戻ってきた第2艦隊も援護に回っている。既に旗艦『武蔵』の主砲射程に全ての艦が収まっていた。



そして航空自衛隊のF-2、海上自衛隊のF-3、P-3C、P-1、第2艦隊が中国艦隊を取り囲んだ午前11時30分、北緯30度43分 東経128度04分で行われたのちに『大和直上海海戦』と呼ばれる戦闘が幕を開けた。


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