14.祝・立太子!
その後、繰り上げで第1皇子がエヴァンス様。第2皇子がヴェールス皇子となった。
国王陛下もエヴァンス皇子なら立太子をしても問題はないだろうとの判断で、本日の良き日にエヴァンス様の立太子式となった。
何をするんだろう?バルコニーから手を振るとか?下町を馬車で移動とか?あ、こういうのは婚姻の時にするのか。
実際には非常に地味で、陛下から任命されるだけだった。謁見の間をたくさんの高位貴族とか大商人とかが埋め尽くしていたけど、思ってたよりも地味だ。
それでもバルコニーから手を振るというのはやるみたい。
ここのところ王家に不祥事が相次いで(全部シークンス様のせいだけど)、王家の人気を心配した陛下のお考え。
エヴァンス様は国民人気が凄まじいから、立太子は物凄く喜ばれた。「これで安心して眠れる」とか毎日爆睡してそうなオッサンが言ってた。
エヴァンス様がバルコニーから手を振ると、物凄い声援が聞こえた。これには陛下も驚いたようだった。
私はヴェールス皇子に「わたしもばるこにーにでていい?」と上目づかい(身長差でやむを得ない)で言われたけど、「今日の主役はエヴァンス様ですから、ヴェールス皇子はそっと見守りましょうね」と、二人で見守ることにした。
ヴェールス皇子のおねだりのような事を我慢した自分は中々偉いと思う。
ヴェールス皇子もまだ小さいのに父上である陛下に会う事ができなかったのが、悲しかったようで人見知りのようにおずおずと私のドレスから顔を覗かせて陛下を見ていた。可愛い。
陛下はそんなヴェールス皇子が可愛いようで、即座に距離を縮めようとしていたので「それは徐々にの方が良いと思いますよ。あと、できるお父さんってのを見せると効果的かと」と陛下に伝えておいた。
そうよね。仕事ができる父親って子供からすると結構アコガレられたりするから。キラキラした目で陛下を見るのかなぁ?いいなぁ。キラキラした目のヴェールス皇子……。
「はぁあ、疲れたぁ!」
と、珍しく盛大なため息でソファに座り込んだ。
「衣装に皺が寄りますから、普段着に着替えてからにして下さい」
とは普段護衛をしているロブの言葉。ロブは何でもできるなぁ。今は執事さんみたい。
普段着に着替えてきて、再びソファに飛び込んだ。
「王太子って大変なんだなぁ」
「次期国王ですからね。明日からは帝王教育などをみっちりとする予定です」
「騎士の仕事は?」
「すでに辞表を出しています」
「誰に?団長は俺なんだけど?」
「陛下ですよ。騎士団のトップは結局のところ陛下ですからね」
「はぁああぁぁぁぁぁ」
エヴァンス様は再び盛大にため息をついた。
「疲れた時は疲労回復に治癒魔法を使いましょうか?」
「「‼‼」」
二人して驚いている。そんなに驚くようなこと言ったかな?
「リサ様、治癒魔法は貴重なものでそんな気安く使うようなものではありません!」
「エヴァンス様の疲労回復でも?」
「そうです。それでしたら、私が疲労回復効果のある紅茶を淹れて差し上げます」
あ、それ私も飲みたい!
私も疲労回復の効果のある紅茶が飲みたいです!




