表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

危険な戦い

今日作者は滑り止めの受験です!

あと4日経てば投稿ペース戻せると思います。

それと2月14日以降は全ての作品を週一投稿にする

予定です!

 危険な戦い


 国際連合内で、近年世界中の犯罪率の上昇や組織犯罪の増加、能力者による凶悪犯罪の多発に伴い、犯罪組織や専門部隊を利用した犯罪捜査を支持した。そんな中、ヨーロッパの中心ドイツとアジアの経済大国日本で、不良であり捜査官の2人の男が立ち上がった。


 横浜の山手町の一角、道場で2人は柔道の稽古をしていた。


 「お前も相変わらずだな。闘争心が戦い方から嫌でも伝わってくるぞ。」


そう言い放ったのは駐日ドイツ大使への推薦が決まっているジェイソンだ。


「悪いな、ガキの頃からそこだけは譲れない部分だからな。」


ジェイソンに対していたずらっ子のような笑みで言葉を返したのは、陽菜の父親であり、公安委員会の管理官でもあり、神奈川県警管理下の大崎会会長の大崎尚志だ。


「ところで、うちの国のテロリスト集団の一味が日本に潜伏しているらしいな。」


ジェイソンが真剣な顔で尚志に聞いた。


「そうらしいな、娘から聞いたよ。そちらのテロリストにはうちの新しい部隊が既に対応している。」


尚志は柔道着を畳みながら答えた。


「そういえばうちの娘が公安のその新設部隊に配属されたと言っていたのだが娘はちゃんと働いてるか?」


ジェイソンは心配そうに聞いた。実は娘好きなジェイソンはアリサを少し心配していた。


「ちゃんとやってるよ。現場の監察官からもとても信頼されてるよ。」


「そうか、確かその部隊に水沢兄もいたよな?」


ジェイソンは質問を続ける。


「えぇ、水沢くんもよく働いてくれていますよ。先日も配属日にも限らず早朝に数日間逃走していた凶悪暴行犯を逮捕してましたしね。」


2人は談笑しながら道場を後にした。


 早朝の川崎港、4月というだけあってまだ陽は顔をだしていない。今日はテロ組織の一味の制圧作戦決行日だ。だがまだ決行時間では無い。俺がなぜこんなにも早く川崎港に来たかというと、弟の貞嗣が


「『あるモノ』を渡したい。」


と連絡がきたからだ。しばらく愛車のスカイラインに乗って待っていると、後ろからエンジン音が聞こえてきた。俺が後ろを見ると、弟のホンダシビックタイプR無限が見えた。俺は車から降りて弟を待つ。

 30秒ほどでシビックはスカイラインgtrと並んだ。そして車からスカジャンを着た貞嗣が降りてきた。


「久しぶりだな、兄貴。」


貞嗣は真剣な眼差しで俺を見つめてきた。


「あぁ、それで渡したいものってなんだ?」


俺が聞くと貞嗣は何枚かプリントが入った封筒を渡してきた。


「それの中に兄貴の彼女のアリサの身辺調査の報告書と、イギリス空挺部隊の俺の上司から25口径の麻酔弾がワンセット入ってる。上司は今回の犯人をどうしても生け取りにしたいようでな、協力してくれるか?」


まさかの空挺部隊の隊長の指示からとは正直心が揺れた。だが今回の事案は射殺もやむ得ないと指示が出てるため俺としても保証ができない状態だ。


「約束はできない。公安委員会は射殺もやむ得ないと結論を出してるからな。だが全力は尽くすよ。」


貞嗣は俺に頭を下げながら言った。


「無理言って悪い、だがテロ組織の全容解明のためにも可能な限り協力してほしい。」


「わかったよ。それはそうと何故アリサの調査書を俺に渡した。」


弾丸の意味はわかったがアリサの調査書のわけは謎のままだ。


「それはイギリス政府が要注意人物に認定している証拠だ。だからアリサさんも一回イギリス大使館に連行してほしい。逮捕はしないぞ。」


アリサの調査書に目を通すと、『イギリス軍赤外線スコープ不正輸入事件重要参考人』と記されていた。この事件は過去に起きた自衛隊のスコープ不正輸入事件と状況が似ていたから俺の記憶の中にも残っていた。


「わかったよ、アリサを連行する。だが先に言っておくがアイツの尋問は一筋縄じゃ行かないからな。」


俺の話に貞嗣は慎重な口調で言った。


「勿論それも承知の上だ。だから兄貴にお願いしてる。日本の公安部の人間をイギリス政府が尋問するというのがリスキーなことも承知の上だ。」


しかしこの事件が悪い方向で目立ってしまうとドイツとイギリスの関係にヒビが入ってしまう可能性もある。


「わかったよ、任せとけ。」


貞嗣はシビックに乗り込んで川崎港を後にした。それと入れ替えでkasawakiのバイクとフェアレデZの nismotuneがやってきた。Kawasakiのバイク「ninja」に乗っていたのはアリサと陽菜だった。本来陽菜は公安委員会の統括官だ。そしてZの方からは謙人と晴人が降りてきた。


「おはようダーリン!」


アリサが勢いよく抱きついてきた。正直かなり暑苦しい。


「いい加減離れろ。暑苦しい。」


俺はGTRのトランクを開けてチョッキと拳銃を準備する。拳銃の動作を確認して父親から貰ったチョッキに防衛省のワッペンを貼り付ける。


「ところでさっきの白のシビック、誰?」


陽菜が俺の肩を掴んで言った。


「イギリス軍空挺部隊少佐水沢貞嗣、俺の弟だ。」


俺がそう言うとアリサと謙人が続けて言った。


「噂には聞いていたけど本当に仁の弟がイギリス軍の人間だったなんて。」


アリサは驚いた顔でそう答えた。


「どうせなら弟くんも作戦に参加させれば良かったんじゃないか?」


謙人は拳銃をセッティングしながらそう答えた。


「弟の目的は今俺らが追っているテロリストとアリサだ。」


俺の話にアリサは少し驚いていた。


「やだなぁ、弟くん私のことが好きなの?」


アリサは自分の口元を手で隠してそう答えた。


「あと弟から伝言で、イギリス軍は今回のテロリストを生け取りにしたいそうなのでご協力お願いできますか?」


俺の話に晴人が答えた。


「いいんじゃないか?俺らとしても色々情報聞き出したいしアリサにとってもドイツ政府に情報を提供できてみんなメリットしかないだろ。」


晴人の話に謙人が続けた。


「じゃあ今回のテロリストは可能であれば生け捕りということでお願いします。」


謙人が話し終わったその時、製鉄所の方から破裂音のようなものが聞こえた。その音を聞いて俺は無意識に車のドアを開けた。すぐに晴人が大声で言った。


「行くぞ!」


すぐに陽菜とアリサもバイクに跨る。俺はgtrの屋根に赤色灯を載せて乗り込む。アクセルを一気に踏みつけて発進させる。埠頭から製鉄所に続く道を進む。すでに到着していたSATに加えて空からは陸上自衛隊の空挺部隊が降下していた。


「今回の事案では自衛隊は無関係のはずなのに何故?」


俺は頭の中にこの疑問が浮かんだ。しかし今はテロリストを検挙することに集中しなければと俺は深呼吸する。製鉄所の高炉の前に車を停めて急いで俺は構内の中央制御室に向かう。無線を陸上自衛隊幕僚部の司令室に繋ぐ。無線の先からは父の声がした。いつも通りの落ち着いた声で少し安心する。


「聞こえるか仁。」


「聞こえるよ、状況は?」


俺は無線のボタンを押して応答する。


「今うちの部隊がテロリストと鉢合わせして銃撃戦になっている。相手は爆弾を製鉄所に仕掛けている可能性がある。気をつけろよ。」


勢いよく無線が切れた。俺は無線のチャンネルをSATの指揮本部に変える。


「聞こえるか謙人!」


声を尖らせて俺は叫ぶようにマイクに声をぶつけた。


「聞こえてる!今仁たちの様子は無線のGPSと製鉄所のカメラで把握してる。どうやらテロリストは高炉の点検用の待機場に立て籠っていたらしい。テロリストは爆弾を所持して依然自衛隊と銃撃戦を続けてる。そっちの方にはアリサと晴人が向かった。お前は中央制御室に行って爆弾の解除をやってくれ。こっちの情報じゃ爆弾は遠隔操作式だ。制御室で防火扉を作動させて電波を遮断する。」


謙人は警察学校時代も的確な指示を出していた。それは今も変わらないらしい。俺はすぐに返事をした。


「わかった、お前も気をつけろよ。」


中央制御室まで俺は必死に走り続けた。

 制御室に入るとやはり職員は全員退避しているため無人だ。すぐに制御室のコンピュータの接続口に公安オリジナルの電波遮断ツールをダウンロードさせたUSBを差し込む。そして制御室のPCで防火扉を一斉に閉めた。


「こっちは全部できた、あとはそっちで頼む。」


無線で伝えると制御室の扉が開いた。俺が振り向くとそこには陽菜の姿があった。


「できた?」


陽菜はそう言って俺に寄ってきた。


「あぁ、今のところ問題なく進んでるよ。あいつらは大丈夫か?」


俺は自分の拳銃のマガジンを実弾から麻酔弾に入れ替えながら陽菜に聞いた。


「アリサたちは大丈夫だよ。今無線に入ったけど無事に逮捕できたって。」


俺は陽菜の言葉にそっと胸を撫で下ろす。


「そんなことより今夜仁って予定空いてる?」


急に陽菜が俺の首に手を回してそう言った。正直胸がうるさい。アリサと話している時とは違う、幼馴染としていつも一緒にいた分どうしても俺は陽菜を意識してしまう。


「俺は空いてるけどなんn..」


俺が答えようとするといきなり陽菜がおれの口を塞いだ。停電した製鉄所の制御室、機械音と無線のノイズが聞こえる中、陽菜は唇をゆっくりと離した。


「仁は私をただの幼馴染の頼れる友達って思ってるかもしれないけど、私は仁を傍に置いておきたいの。だから今日私と一緒にディナー行かない?」


俺は頭が追いつかず正直混乱していた。その時、制御室の扉が勢いよく開いた。そこからアリサが俺の方に駆け足で抱きついてきた。


「ダーリンを独り占めしないで〜!」


アリサはそう言い放って俺から離れようとしない。ちなみに今の俺の体制を説明すると正面からは陽菜に抱きつかれて後ろからはアリサに抱きつかれている。どちらも首に腕を絡めているためめちゃくちゃ苦しい。俺は枯れかけた声で2人に言った。


「悪かったってアリサ、だから2人とも離れてくれ!」


腕で陽菜の肩をグッと離すと陽菜は寂しそうな目で俺を見つめてきた。その瞳を見つめるとあの時の出来事を思い出してしまう。


「それより早く戻るぞ、本部報告を忘れんな。」


俺は咄嗟に話を逸らす。


『わかってるよーだ。』


陽菜とアリサが一緒に答えた。

 結果犯人は神奈川県警公安委員会に連行された。俺らも一旦公安本部に戻って上層部への報告会を行わなければならない。もちろん今回緊急で参加した自衛隊の件もあるため俺の父親の龍河防衛大臣も参加する。

 俺はスカイラインに乗り込んで一旦弟に電話をかけた。プー、プーとコール音が鳴り弟の声が聞こえた。


「どうした?兄貴」


俺は端的に言った。


「テロリストを確保した。マル被は神奈川県警本部に移送中だ。」


弟は静かに


「そうか、ありがとな。」


と短く答えて電話を切った。弟は昔からこういうキャラだからいつものままだとふと思う。俺はエンジンをかけて県警本部に向けて車を走らせた。

陽菜大胆過ぎんか????

俺もキスされてみてぇー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ