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プロローグand第一話

国北良暉の不定期投稿作品第4弾!

初の警察小説!

暴力団、マフィア、諜報機関など、この世の悪い奴と日本警察のミステリーアクション小説!

どうぞお楽しみください!

 プロローグ


 -blue list-それは日本の警察や自衛隊では「特殊能力者要監視名簿」と呼ばれている。この名簿に登録されている人々のほとんどは第二次世界大戦中に世界各国の人体実験で動物の能力などを移植された人間のことを指す。戦後はGHQやKGBなどの各国の情報機関にこの名簿は配布され、現在まで登録者には監視が続いている。そして先祖から子孫へと特殊能力の遺伝子は継承される。その結果、今世界中で問題になっているのはその特殊能力者による犯罪である。この物語はそんな能力者に立ち向かう警察官たちの戦いの証だ。


 招集


 4月の朝、俺は神奈川県警の刑事部長室にいた。ここに呼び出された理由は、公安委員会への昇進のためだ。


「これからは公安委員会で君が良き功績を残し、活躍することを我々は心から願う。おめでとう。」


俺は賞状と公安委員会のナンバーカードを受け取って部長室を後にした。噂によると俺は公安委員会の新部隊のメンバーに抜擢されたらしい。その新部隊の主な任務は国際テロ犯罪の捜査や日本国内の特殊能力者、いわゆる「Blue list」に載っている者の監視だ。俺は一旦神奈川県警の事件資料室に向かった。俺は今過去の横浜帝都銀行立て籠り殺傷事件の資料を調べていて、その資料を閲覧できるのがここ、神奈川県警本部か警察庁公安部の桜田門の資料室だけだ。

 資料室の中に入ると、見覚えのある女性が1人熱心に事件のファイルを調べていた。その女性は短パンに白のTシャツを着込み、その上から革ジャンを羽織っていた。資料のファイルには、「国際強盗集団銀座宝石店宝石強奪事件」と書いてあった。確かあの事件の犯人グループの中にはドイツ人も2人程いたはずだ。俺は気になって声をかけた。


「何やってんだアリサ、お前が来るところじゃないぞ。」


そう、そこにいたのはドイツ政府の諜報員で日本人とドイツ人のハーフの今本アリサだ。


「久しぶりだね、水沢!」


アリサはそう言って勢いよく俺に抱きついてきた。


「いいから離れろ。さりげなく手帳奪おうとするな。」


胸ポケットに伸ばされたアリサの手を掴んで止める。


「久々の再会なのに冷たくない?」


俺の質問をそっちのけでアリサは話をする。アリサと話していると俺は正直怖い。その訳はコイツのトーク力(尋問の力)だ。アリサはドイツ政府の諜報組織「BND」に属していて、養成所で鍛えられた確かな腕力とトーク力と学力をコイツは平然と乱用している。


「わかった、じゃあお久しぶりです。で、なんでお前がここにいる?」


俺は話しながらアリサの片手に手錠をかける。


「なんで手錠かけるかなぁ?ちなみに私は公安委員会の新部隊のメンバーに抜擢されたからここにいるの。」


俺が手錠をもう片方の手にかけようとするといきなりアリサは拳銃を俺の首元に突きつけてきた。


「今すぐ手錠外すか私の銃で頭撃ち抜かれるかどっちが良い?」


笑顔で彼女は拳銃のセーフティレバーを外した。


「お楽しみ中の所悪いが招集だ。あと俺のダチにそういうことすんのはやめてもらえる?そこの可愛いスパイさん。」


そう言って資料室に1人の男が入ってきた。


「久しぶりだね晴人。今このツンデレくんが私にセクハラしてきたから止めてたの。」


俺はアリサが話しているうちに拳銃を持つ手に手錠をはめた。


「じゃあこれで俺の勝ちだ。脇甘すぎる。このまま連行します。」


「もぉやめてよ。悪かったって仁。私、仁の彼女だよぉ〜!手錠外してよ。」


アリサは懇願してくる。


「何度も言うが俺はお前と付き合ったつもりはない。お前は何するかわかんないから本部まで手錠はつけさせてもらうよ。」


俺はアリサの肩に手を回して言う。


「じゃあ行くか仁。」


晴人にそう言われて3人で資料室を出る。

 県警本部の地下に新しい公安特捜班のオフィスが設置された。俺は部長室で貰ったカードをスキャナーにかざしてオフィスに入る。


「失礼します。ヤバそうだったんでアリサ連行してきました。」


オフィスのセンターの長机に、班長の新島謙人が座っていた。新島は俺と同期で警察学校ではよく一緒に行動していた。


「よく来たな仁、お前も県警で活躍していたらしいな。で、そちらがアリサさんか?」


謙人はアリサの方に目線を向けていた。


「そうです。でもコイツBlue listで洗脳の能力で登録されててしかもその能力コイツ乱用するんで手錠かけてます。」


俺の話を聞いても謙人は笑いながら言った。


「大丈夫だ、手錠外せよ。アリサが攻撃してくる時は俺ら総出でやれば止められるよ。」


謙人の話に俺も半分納得する。


「わかりました、手錠は外します。」


俺はアリサにかけたセラミックの手錠を外す。手錠を外すとアリサは俺の腕に抱きついてきた。


「ありがとう、ダーリン!」


アリサは上目遣いで俺から離れようとしない。


「いい加減離れてくれ。」


「嫌だぁー。」


俺が注意しても全く聞く耳を持たない。


「じゃあ記念すべき最初の事案の説明だ。」


俺が困っていることを見据えたからか知らないが謙人が説明を始めた。


「仁は知っているかもしれないが、例の『横浜帝都銀行立て籠り殺傷事件』で押収されたライフルの出所が国際的テロ組織の『GM武装戦線』であることがわかった。犯人の話からまだ組織のメンバーが日本に潜伏していることがわかってる。場所は川崎の扇島の製鉄所だ。」


謙人の話は俺も疑っていた。これまで例の銀行襲撃事件を調べていて、銃の出所だけが調査報告書や聴取記録にも記されていなかったからそれを資料室で調べていた。


「じゃあ製鉄所に踏み込むか?」


機動捜査隊の癖で口が滑ってしまった。


「まぁそれも悪くない。今製鉄所に許可を取っている所だ。だが僕としては派手に事件を解決すると仁の親父さんや上層部に迷惑がかかるんで、事件解決の場合は自衛隊のS部隊か神奈川県警のSATと共に突入した方が都合が良い。」


謙人は製鉄所の地図を見ながら言った。アリサが続けて疑問を嘆いた。


「じゃあ組織のメンバーとの公式の取引は無いってこと?」


アリサは元々諜報員だったからかやはり取引を視野に入れて考えていたようだ。


「流石に公安から取引を持ちかけてしまうと上の荷が増えてしまうし、準備の間にテロリストに逃げられる可能性もある。」


謙人が続けて答えた。


「それなら俺ら特捜班と公安機捜、SATで現場摘発でいいんじゃないか?」


晴人が拳銃の手入れをしながら答えた。


「俺もそう思うよ。ただでさえあの銀行襲撃事件の出所不明の銃が関わっていることが公になれば警察全体の信頼にも関わるのにそこに防衛省や公安委員会が関われば批判を浴びるだけだからな。」


 しばらく意見交換を行なって3日後に作戦の決行が決まった。俺は話し合いの後にオフィスでしばらく事件の資料を漁っていた。調べている事件は15年前に起きた『大崎会構成員連続不審死事件』だ。俺がガキの頃の事件で俺の同僚であり幼馴染の陽菜の父親である尚志さんに関わる重要な事件だ。現在陽菜は神奈川県警の捜査二課で経済界の贈収賄事件を中心に捜査を行っている。しばらくして俺はパソコンの電源を落として帰宅した。アリサと陽菜とは高校時代のある出来事から関係が大きく変わって今も2人と話していると内心緊張が続いている。この事件をきっかけに、また関係が変わることをこの時の俺は、知る余地も無かった。

すいません!

代表作の方は今受験期間なので来週の金曜日ごろには新作出す予定です!

それまではこちらの作品を3日に

一回投稿させてもらいます!

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