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第1話    ポだって人に勇気与えられる!

半角って使えないんだな

吹奏楽の練習の音色も聞こえなくなり下校の支度を終え続々と生徒達が帰って行く。音楽室のある3階東棟では生徒達の声がこだましていた。急いで帰ろうとする生徒達の勢いは強く、他の生徒とぶつかることもある。ここにおいても例外ではない。

「あっ、ごめん!」

勢いよく謝るが相手の返答はあまりにも小さい。

葉月(はづき)................」

その声は周りの帰りを急ぐ生徒達の喧噪のせいで聞こえないはずだった。しかしその少女の耳にはまるで針のように刺さっていく。

「...................(しず)

彼女の名前を呼ぶ声は多くの軽蔑と少しの後ろめたさを孕んでいた。

「葉月〜!」

遠くから彼女を呼ぶ部員の声が聞こえた。

「.....っ、今行く!」

彼女からどんどん彼女が離れてゆく。

                ・・・

「だ〜か〜ら〜!絶対この名前のほうがいいって言ってるでしょ!」

「誰がそんな部名を採用するか!」

舞い散るホコリのせいで光が反射し、ある種幻想的とさえ思える部室の中で二人の生徒が言い争っていた。

「何がだめなのよ!この『ポッチャマのお悩み相談♡部』の素晴らしさと可愛さがわからないなんて、本当に馬鹿なのね!」

「わかんねぇよ!?なんならわかりたくもねぇよ!まずそのポッ◯ャマはなんだ!何でいる!?」

「失礼なこと言わないで!ポッチャ◯じゃなくてポッチャマよ!ポの音を少し上げるの!」

「なに「ピザじゃなくてピッツァです。」みたいなこと言ってんだよ!」

ひとしきり言い終えたあとゆっくりとあかりが話し始めた。

「ポッチャマの言葉は私に勇気をくれるのよ。ほら」

そう言いながらあかりは俺に向かってスマホの画面を見せてきた。そこには、まぁ、うん。ネットの世界にしか逃げ場所を失ってしまったポッチャマの姿が書かれていた。

「良い?このポッチャマは現実の世界で引きこもりになった。ご両親とも対話できなくなったときに気づいたのよ。今の自分は現実の世界に存在しない、けど自分はネットの世界に存在する。この現実世界に自分を定義づけるものは存在しない、けどネットの世界に自分を定義づけられるものがある。一人称はただ自分を呼び表すためだけの代名詞、だけど自分が生きる世界にそれすらも存在しなかったら?彼は彼を定義できる世界に潜った。これは現実逃避じゃない。彼は、生きる世界を見つけたのよ。この文章は自らを生かす世界は一つじゃないって言いたいのよ!」

「...........................。」

ここまで美化されて言われるとなんだかそんな気がしてくるけど絶対そんな御大層なもんじゃないよな?今なんかすげぇやばいもんを見た気がする。

「なんか解釈の仕方がぶっ飛んでるけどポッチャマへの情熱はすごく伝わったよ」

そういういうとあかねは「じゃあ!」とでも言いたげな期待の眼差しで俺を見ていた。

「残念だけどこれは採用できない。」

「なんで!」

「学校での決まりだよ。研究会や同好会などのある特定の者に対して探求していく部でなければ固有名詞を使ってはならないっていう決まり。」

「.....そうなのね。」

少しうつむき、何かを考えている素振りを見せるあかね。少し経って僕の方を向いてこう言った。

「ねぇ、この部活『ポッチャマ研究会』に...」

「しません。」

そんなもんだろうと思ったよ。

「なぁ、やっぱり無難に『相談部』で良くないか?わかりやすいし。」

「良くないわよ!可愛くないじゃない!」

「そうですか?私は別に可愛さを求めなくてもいいと思いますけど。」

「ぴゃっ!」

俺に対して即却下してきたあかねの背後から人影が現れいきなりあかねを脅かしてきた。

驚きのあまりあかねは聞いたこともない声を出して椅子から転げ落ちた。本当なら俺もあかね以上に驚いて多分天井に頭が突き刺さっていると思うが俺は彼女を知っている。

「おはよう美雨。起きてたのか。」

そう言って俺が美雨に声をかけると彼女は気だるげにまぶたを開き応答する。

「おはよう部長。目覚めにキスでもする?」

「いらないよ」

俺等が会話しているとさっき椅子から崩れ落ちて震えていたあかねがいきなり飛び起きて問いただしてきた。

「その人だれ!?」

「この人は朝野美雨(あさのみう)。この廃部になりかけた部活にも唯一最後まで残ってくれてる。美雨、彼女が新しく入部した木村あかねだ。」

「さんを付けなさいデコ助野郎?」

「現実でそんな言葉聞かねぇよ!」

思いっきり突っ込んでも美雨は何食わぬ顔であかねの方を向いた。

「よろしくね、あかねちゃん。分からないことあったら何でも言ってね。」

そう言いながら美雨は俺の隣の席に座った。

「新しい部活名で話し合ってたんだよね?『相談部』じゃだめなの?」

「『相談部』ってなんかありきたりじゃない?しかもちょっと硬い感じもするし、いままでこの部に来たことない人からすれば相談しにくいと思う。」

その後色々と話してみてはいたが部活名は決まらず膠着状態に陥っていた。

そんな中ふと美雨が閃いたかのように言った。

「『お悩み部』ってどうかな?」

「「『お悩み部』?」」

「そう。こんな部活の名前を決めることすら時間のかかる私達にピッタリじゃない?あとは相談をしてきた人と一緒悩んで問題解決するって意味じゃ堅苦しくないんじゃないかなって。」

そう美雨が説明するとあかねは大いに賛成した。

「それ良いわね!これからこの部活は『お悩み部』よ!」

「なんか若干情けない名前の気もするけど異論はないな。」

こうして新生『お悩み部』が爆誕した。


最後まで読んでくれてありがとうございます!一話から大体2週間ぐらい経っちゃたんですけど、他の人達ってどのぐらいの間隔で書いてるんですかね?参考にしたいです!

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― 新着の感想 ―
待望の2話!ありがとうございます!ここからどうなっていくのか楽しみです!ぴいイィィ!
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