第一話 炎上と落下と喜びと
拙いことが文章に垣間見えると思いますが、
今後、改善できるように精進しますので今は目を瞑ってください…
少しでも皆様の暇つぶしになることを祈って!
俺はそこそこの名が知れたラノベ作家をしている。
デビュー作はとある出版社の大賞を獲得し、そこからはうなぎ登りだ。出版した作品は毎巻即重版、出す作品全てが売れてきた。稀に満足にいかない作品を生みだしてしまったこともあるが、周りは囃し立て、売れてきた。そういった作品を出版すると、批判しているのは、普段は忌み嫌われているネット評論家だけ。彼らはあながち間違っていないのかもしれない。
そんな俺だが、新作アプリ『ラストーリア』のシナリオライターになってほしいという依頼が来た。俺はアプリゲームをかなりやる方だし、月数十万は課金してしまう重課金者だ。ただ、興味本位で依頼を受けてしまったのがいけなかったんだろう。
始めは制作会社が希望した世界観を基に、自分が描きたいストーリーを作っていたが、ある時期を超えてから制作会社の干渉が酷くなり、描きたいストーリーが作れなくなっていった。制作会社が作り出した作品はあまりにも「凡作」だった。主人公が努力して強くなり、仲間達と協力してラスボスを倒しに行く、ただそれだけだった。そういったストーリーはありきたりだが俺も好きだ。そのため「凡作」だったが俺も口出しはしなかった。ある時までは。
順調にアプリは売れ続けた。二周年を超えたとともにメインストーリーは完結した。問題は第二章という形で続編を作り出すことになったことだ。その時では既に制作会社が作りたい作品を俺がシナリオ化しているだけだった。というかシナリオライターの表記に俺の名が載っているだけだった。
マンネリ化を解消させる施策だったのだろうが、第二章の初めはあまりにも唐突すぎる筋の通っていないストーリーな上、これまでの世界観とは全くの別物。流石におかしいと思ったため、制作会社と話し合いをする機会を設けてもらった。
「このストーリーなのですが、これまでの世界観、良い点がないように感じるのですが,,,」
「いやいやこれでいいんですよ!心機一転で話題性も高まりますよ!」
と、言われ続けそのまま押し通され配信されることとなってしまった。
案の定、批判され、炎上した。
もちろん火花は制作会社だけではとどまらず、シナリオライターの俺にも訪れた。
ありきたりだが、だからこそ好きな過激なファンも存在し、批判は誹謗中傷へと変わり長く続いた。
気分転換に登山をすることになった。その行動が悪かった。あまり気にしていないつもりだったが精神はとても消耗し、身体にもかなりの疲労が蓄積されていたみたいだ。そう、俺は足を踏み外し、そのまま落下して死んでしまった。落下してから意識がなくなるまでの間はとても長く感じた。俺の人生の間違った行動を振り返った。制作会社の犬に成り下がったこと、作りたくもないストーリーを作ってしまったこと。
「もし、あの時に戻れるのなら、好きなようにストーリーを描きたい」
そう思いながら意識は薄れていった...
「あなた。目を覚ましたみたいよ。」
気がついた時にはそんな言葉が聞こえた。
「可っっっ愛いぃぃぃぃぃなぁぁぁ!!!!」
うるさい。なんだこの声は。野太過ぎるだろう。
それよりなんにも見えない。なんだ?
「キレイな顔立ちをしているわね。」
お淑やかな女性の声がした。あれ?てか体が動かないぞ、なんで?
まぁ山から落下したし、骨折とかしてるか。
「ほら唇、ミューに似てキレイな形!」
さっきから俺の周りで聞こえるし、何かが顔に触れたか?
「眉はあなたに似て、キリっとしているわ」
また触れた。あれ?もしかして俺に言ってる?
いや童顔とは言われるがさすがに赤ちゃんには見えないだろ。
てか俺の親はこんな声じゃない。心の中に少しの疑惑が浮き出てきた。
もしかしてだけど…赤ちゃんになってる?
確かにかなりの高さから落下したから死ぬかもしれないけど。
転生とかあるの?もしそうなら嬉しいものだ!
確信させるためにまずは景色を見たい!見えろ俺の目!
そう思いながら、かなりの日が経った気がする。
「おはよう。レツ。」
目を覚ますと聞きなれた声がした。
『ミュー・トラン』この世界での俺の母親の名前だ。
そして俺は『レツ・トラン』という名前らしい。
父親の名前は『カイズ・トラン』といい、ある国の騎士団に所属しているらしい。
その国の名前なんだが『ロランシア』というみたいだが、聞き覚えがある。
そう『ラストーリア』に登場する国の名前だ。
その名を聞いた当初は偶然もあるだろうと思っていたが、それだけではなかった。
『ロランシア』の現国王に子どもが生まれたという報せが入ったんだが、
どうやらその子の名前が『ユウ・ロラン・シアトール』というらしい。
お分かりの通り『ロランシア』に出てくる主人公の名前だ。
もう否定することは不可能だ。
制作に関わったアプリゲーム『ラストーリア』の世界に転生してしまったようだ。
だからといってどうということではない。
普通に暮らそう。
とでも言うと思ったか。
せっかくゲームの世界に入ったんだ。
知識を利用して、やりたい放題過ごすしかないでしょ!!!
これから起こる出来事を知ってるんだ。
ということは好きなように捻じ曲げることも可能ってことだ。
転生前はできなかったが、ここでは好きなようにストーリーを作れるんだろ?
好きなように作れる権利があるのなら、作りたいに決まってんだろ!
ということで改変していきたいと思います。
もしこれから起こる物事が『ラストーリア』のストーリなのなら、
大炎上する未来しか見えないが、ここでは関係ない。
万人受けするストーリーを作る必要がなく、
やりたいようにやって良いこの先の未来が楽しみでしかたない!
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