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Episode 2
いい匂いと言われて一瞬浮かれる俺。
そもそもおかしいのではないだろうか?
誰もが振り向く絶世の美少女が自分に惚れている訳がない。
「…うーん、いい匂いってどんな匂いなの?」
「えっとねー、甘い美味しそうな血の匂いがするの!」
――はい?
16年しか使っていない自分の頭を全力回転させても
目の前の美少女…もとい、白銀さんが何を言っているのか分からない。
当の本人は言ってやった!とドヤ顔でこちらを見つめてくる。
「んな吸血鬼みたいなこと言われても…からかってんの?」
「からかってないってば!私は吸血鬼なのよっ!」
「…え、女の子にこんな事言うのアレだけどマジで頭イカレてんの?」
「至ってまともなんですけど!?」
俺の勉強机の上に立ち仁王立ちで見下ろしてくる白銀さん。
…ちょっとスカートの中が見えそうなのは黙っておこう。
理性に逆らえずチラチラと無意識に見てしまっていた様で
気づかれたのか頬を赤く染めながら慌てて座っていた。