魔王の生首が落ちていたので、拾って持って帰ってみた。(仮)
連載しそうでしない、執筆中小説のカケラ(笑)
連載するならたぶんコメディー
「…ん?」
仕事帰り。俺はコンビニに寄って、酒と晩ご飯のコンビニ弁当を買った。
コンビニ袋をがさがさとさせながら家へと向かって歩いていると、ちかちかと点滅する外灯の下、壁と外灯のわずかな隙間に、丸くて黒っぽい何かが落ちていた。
近づいてみると…
「ぅ、わっ!─って、なんだ人形の首かよ」
そこには、ちょうど人間の頭くらいの首が落ちていた。一瞬、本物の人間の生首かと思うくらい、質感がリアルだった。けど、すぐに人間の頭ではないと気づいた。
その人形の頭には、牛や鹿のような角が生えていて、口には牙があり、人間の首というか…
「…魔王の首?が、何でこんなところに?ああ~…そういえば、この辺に美大があったな。そこの生徒が捨てたか落としたのかな?」
それにしても~…と言いながら、俺は体を屈めてその魔王の首をまじまじと見る。フサフサとした、ライオンのたてがみのような黒い毛が顔の周りにあり、ギザギザとした眉毛。そしてやはり、肌の質感が妙にリアルで。まるで、さっきまで首と胴体が繋がっていたような…生きていたような感じがする。閉じている瞼が、今にもバチィーーー!!!っと開きそうだった。
「よくできてるな~…」
その魔王の首?に顔を近づけ、まじまじと見ていた。
すると。
「ドワアアアアアアアアアアアアっっっ!!!!」
バチィーーーっ!!!と、その魔王の首の瞼が、勢いよく開いた。