御霊前で悪霊退散!!(仮?)
何か書いてみた。特に続きはないです。
朝。学校に向かって歩いていると。
「う”~…」
「お前…」
俺の友人、山田蔵馬。女子にはてんでモテないのに…
【ネ”エエ、イイカゲンワタシノホウヲミテヨォ!】
朝も早くから蔵馬の背中には、念の強そうな女の悪霊が取り憑いていた。
何でお前は女にモテないのに、霊にめちゃくちゃモテんだよ…しかもだいたい悪霊。
「ダルい…体が何か重いし。昨日の夜なんて、耳元でずっと念仏みたいに【ダイスキダイスキダイスキダイスキ∞】って囁かれてたし…もしかして俺、霊にでも取り憑かれてんのかな?」
ピンポーン、大正解だわ。でも、俺はこいつに幽霊が視えるってことをカミングアウトしてない。
「…霊なんて、この世にいるわけないだろ?」
そう、俺は言っておく。
「だよな~…ははは…」
「てか、体調悪いなら休めばいいのに」
「いや…家にいたら、あっちこっちから変な音が聞こえるし…女の人の話し声とかボソボソ聞こえるような気がするし…何か怖くて…」
顔色を真っ青にしながら、蔵馬はため息をついた。いつも元気で落ち着きのないヤツなのに…今日の蔵馬は、まるで屍だ。
…この霊はほっといたらまずいな。マジで魂とられそうだな。
俺はその霊を直接見ないように、目の端で見ながら思うと。
バアシイイイイインンッッ!!!
蔵馬の背中を思いきり平手で叩きながら、心の中で俺は。
!!強制剥離!!
と唱えながら、蔵馬の体からその悪霊を無理やり引き剥がした。
「ゲホッ!ゲホッ!って、何すんだよ!?」
「ま、元気出せよ!てかワリ、俺家に忘れもんしてきたからちょっと家に戻るわ。学校、先行っててくれ!」
「はあ!?ちょ─ってあれ?体が急に軽くなった??」
俺は蔵馬の体から引き剥がしたこの悪霊を成仏させるため、一旦この場から離れることにした。