ブランコ
仕事を終え、とぼとぼと家へと向かって歩く。
いつもは、特に気にすることもなく通りすぎる小さな公園。
その公園の横を過ぎようとした瞬間。
ふと。
ブランコが目に入った。
公園の外から、そのブランコをぼーっと見つめ。
その小さな公園に入った。
キイッ。
ブランコのチェーンを握る。
赤く錆びていて、触れた手からは、鉄錆特有の血のような臭いがする。
ギキィッ…
その、チェーンが錆びたブランコに座る。
ちらりと、隣のブランコを見る。
隣のブランコは片方のチェーンがちぎれ、板がぶらぶらと宙吊りになっていた。
その宙吊りになったブランコをぼーっと見つめ終えると。
キイッ…
キイッ…
ゆっくりと、ブランコを漕ぎ始めた。
ブランコに乗ったのなんていつぶりだろ?
キイッ…
キイッ…
前に、
後ろに、
行ったり来たり。
何だかまるで、自身の人生のようだな。
そう思いながら加速するブランコ。
ちいさな軋み音は、だんだん大きくなって行く。
ギイッ!
ギイッ!
ギイッ!
ブランコを漕ぐ早さがだんだん早くなって行く。
行ったり来たりを繰り返すブランコ。
そして─────
──────たとん!
行ったり来たりを繰り返していたブランコから。
勢いよく地面に飛び降りた。
そして。
「最後にありがとう、お疲れさま。ゆっくりとお休みなさい…」
次の日そのブランコは、小さな公園から跡形もなく撤去されていた。
ブランコというタイトルで詩を書こうとしたら…詩じねぇなとなり。
で、単独で投稿させるにはいまいちな出来だったのでこちらのごっちにぶちこみました(笑)
久しぶりにブランコ乗りて~。