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移住記録 ~異世界に移住した僕の開拓と捜索と成り行きの日々~  作者: 於田縫紀
第13章 ちひの計画(1)

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第3話 計画通り

 漬物をつけたり醤油や味噌を追加で仕込んだり。

 そんな事をしているうちに日は過ぎて、明日はまたイロン村へ行く日。

 夕食後、屋内の作業場で明日に向けた作業を開始。

 作業内容はちひの魔法による検品と、残り3人によるチラシ作業だ。


「このペースでやれば1週間でもこの程度の納品は可能だな」


「醤油みたいに売れ行きがいいものは大樽単位のストックを向こうに置いておくのもいいんじゃないですか。私はまあ、売れ行きを見て適宜追加という形ですけれど」


 準備したのは僕が醤油2樽、味噌2樽、甜麺醤2樽。

 いずれも500ℓ樽だ。


 美愛の漬物がヘイゴの芯1樽とヘイゴ新芽1樽。

 こっちはそれぞれ125ℓ樽。


 ちひはアイテム数が多い。

  ○ さつまあげが茶色い小判型、アルカイカの粒入り、チーズもどき入り、タクワン入り、及びこれらの燻製タイプ

  ○ レジペイド、ゴヌール、トリアキス、サイパの干物。サイパ以外は通常タイプと味醂干しタイプ。サイパが一夜干しの燻製タイプ

  ○ トリアキス、スコンバの甜麺醤漬け切り身


「種類ごとの売り上げは先輩や美愛ちゃんに勝てませんからね。多品種少量生産で勝負ですよ。半分以上は美愛ちゃんとの共同開発ですけれど」


「私は味付けにちょっとだけ加わっただけですから」


「というか、ほとんどはちひの趣味だろ。作りたいからとか食べたいからとかという動機で」


「当然じゃないですか。自分が欲しいと思う物でなければ人も欲しいと思いませんよね」


「ダルサラスの甜麺醤漬けや燻製は美味しかったと思いますけれど出さないんですか」


「あれは家で楽しむ用ですよ。数が少なくて勿体ないので。あとハピタの鰹節ももう少し熟成してからですね」


 そんな話をしながら作業中。

 なおチラシは今回も木版、刷る作業はやっぱり結愛、紙の準備が美愛で乾燥作業の担当が僕だ。


 今回は表と裏、両方に印刷している。

 ちひ関係の商品が多くて紹介の場所を取るから。

 あと勿論だが今回は暗号文は入れていない。

 もうちひも此処にいるから。


「チラシはどれくらい作るんですか」


「とりあえず400枚かな。必ずしも必要なものでもないし紙代的にきりがいいから」


 今回は市場で購入した紙を使っている。

 概ねB3サイズの紙が10枚で正銅貨1枚(100円)

 今回のチラシはほぼB6サイズだから8枚とれる。


 つまり小銀貨1枚(1,000円)で800枚。

 その半分で400枚だ

 なおインクや版木は今回も自作。

 前回ので十分実用になるとわかったから。


「紙の質がいいから前のチラシより雰囲気がありますよね」


「前のはコピー用紙だったからな」


「ぺったん!」


 なんて作業を30分やって、結愛が疲れたから交代。

 何せ400枚が両面で800面分。

 時間も手間もかかる。


「これも次回はオリジナル魔法化しようか」


「その方がいいかもしれませんね」


 なんて話しながら僕と美愛、時々結愛が手伝って残り1時間少々で印刷完了。

 手を洗ってアイテム全てを収納して作業完了だ。


「明日は朝一で行くからもう寝た方がいいですよ」


「だな」


 全員さっさと寝るようだ。

 僕も自室へ入り睡眠魔法を起動して、おやすみなさい……。


 ◇◇◇


 翌朝。

 早起きして船でイロン村へ行き、公設市場へ直行。

 やはり入口でグラハムさんに捕まり個室へ連行される。


「やっぱりVIP扱いですよね」


「ちひもこの方が楽だろ。アイテム多いし」


「まあそうなんですけれどね」


 交渉関係も前回とほぼ同じ。

 ちひの分まで含め、全部委託に出すことに成功だ。


 あと売り上げ額、今回分だけで正銀貨20枚(20万円)を突破。

 勿論3人分あわせてだけれども。

 仕入れにかかった額をひいても正銀貨15枚(15万円)分は儲かっている。


 しかもこれは1週間分。

 これを続けていければ十分安定して生活できる。

 そう思って、そしてつい担当さんに聞いてしまった。


「このままの量で続けて大丈夫ですか」

 

「もう少し増やしても問題ないと思われます。どの商品も売り上げは増加傾向ですから。


 私の分析ではどれもここ半年に来られた移民の方からはじまって、他にも広がっているという形のようです。


 大量に出して頂いている醤油、味噌、甜麺醤はヘッセン、サカス、カーナリの公設市場にも出しています。これらはヘッセン以外は新しい開拓者の方が多い地域です。ですので此処と同じような広がりが期待できます。


 また野菜塩漬けも前回からヘラスに出し始めました。ですのでうまくいけば今後、数倍の売り上げが期待できます。


 魚加工品は種類辺りのロットが少ないですが、これも数を作ってヘラス辺りに出せば確実に売り上げが狙えるのではないでしょうか。出した物が確実に売れている状態ですから」


 種類辺りのロットが少ないのはちひの性格というか趣味というか。

 同じ物を大量に作るのはつまらないという理由だろう。

 それでもちひ分だけでも暮らしに十分程度は稼げている。

 だから別に儲けに走る必要はない。


 いつも通り材料として必要な分を業販で購入。

 今回は漬物用のヘイゴの芯も購入した。

 新芽は放っておけばその辺から生えてくる。

 でも芯はある程度育ったヘイゴを切り倒さないと採れない。

 だから家の周りのヘイゴだけでは足りなくなる恐れがある。 


 ひととおりお仕事分を終えて、市場で日常分の買い物をした後、いつも通りパフェのある店で昼食。


「あとは本とか雑貨を買って終わりだな」


「そこで相談ですけれど、何ならヘラスに行ってみるのはどうですか。どうせ船で行くなら往復で1時間程度の違いですしね。ここからヘラスは同じ湾内みたいなものですから、潮流はあまり考えなくていいですし」


「行ってみたい」


 結愛はいつも通りだ。


「確かにここより数段大きな街だしな。何か面白い物があるかもしれない」


「でもこれから行くと和樹さんとちひさんが大変じゃないですか。帰る時間が遅くなりますし、泊まったらお仕事に響きますから」


「その辺は大丈夫。先輩はこれで500ℓ1樽分ずつストックが出来ましたし、私もある程度出来るときに漁をしておけば天候とか気にしなくても問題ないですから。


 何ならこれから行ってみないですか。たまには向こうの宿に泊まってみてもいいですし。

 いい宿が無かったらあのコンテナもあります。布団やベッドは無いけれど毛布や寝袋を使えば4人で眠れますから。

 泊まる気にならなければ私と先輩両方でボートを操作すれば、1時間程度で帰る事も出来ますし」


 元々僕が家に使っていたコンテナ、今はちひがアイテムボックスに入れている。

『いざ海が荒れて帰れない時用に借りておきますよ』

という事でちひに渡したままだったのだ。


 という事はちひ、船もコンテナもMTBも常に持ち運んでいる訳か。

 MTBはともかく他はかなり異常だと思う。

 確かに容量的には余裕なのだろうけれど。

 こっちへ来て更に魔力が増え、アイテムボックス容量も増えたらしいし。

 

 ただし僕は少しひっかかっている。

 ちひは僕と違って即興とか思いつきをしないタイプ。

 少なくとも大学時代はそうだった。

 かなり経っているけれどその辺そう変わることはないだろう。

 だからあえて聞いてみる。


「最初からそのつもりだったんだろ、ちひは」


 奴め、にやりと笑みをうかべやがった。


「やっぱりわかっちゃいますか。まあその通りですけれどね。これで普通に生活が出来る目処が立ったし、この辺で此処ヒラリアをもう少し見ておいた方がいいだろうと思いまして」


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