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移住記録 ~異世界に移住した僕の開拓と捜索と成り行きの日々~  作者: 於田縫紀
第10章 合縁奇縁

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第3話 商売繁盛

「結愛ごめんな。折角2人での買い物なのに」


「大丈夫」


 どうにも結愛に申し訳ない。

 何か結愛が欲しがりそうなものはないかな。

 玩具とか人形とかがいいのだろうか。

 そんな事を考えてふと思いつく。


 そうだ、絵本や本を買おう。

 オース共通語の勉強にも役立つし。

 前回買おうとして、美愛の件で忘れていたのを思い出した。


「ここが終わって熊手を買ったら、皆で絵本を見に行かないか。」


「行く!」


 いつも以上に勢いのいい返事だ。

 よしよし、なら良さそうなのをじっくり探そう。

 美愛用にも、何なら僕やちひ用にも買おう。

 ここの言葉に慣れる為にもちょうどいい。


 なんて思っているとグラハムさんが戻ってきた。


「それではまず、今回の売り上げです。計算書の通り既に手数料等が引かれた金額となっています。あとはこちらが前回の商品が入っていた容器となります」


 計算書と振り込み通知、あとビニル袋入りバケツが3つ。

 さっと目を通す。

 正銀貨4枚(4万円)ちょいと計算通りの額が振り込まれていた。

 少ないながらも僕の惑星オースにおける初収入。

 うん、悪くない。


「確認しました。大丈夫です」


「それでは商品をお願いします」


 今回は125ℓ入り樽3個分だ。

 出すと結構な迫力がある。


「それぞれ味噌、甜麺醤、醤油になります」


「あの野菜加工品は無しですか」


「あれは少し先になります。手間がかかりますから」


 美愛考案・調理の漬物類も全て売り切れていた。

 ただあれは作るのにそれなりの時間がかかる。

 詳細は美愛に聞かないとわからないけれど。


「わかりました。この3点だけでも助かります。特にショーユはあっという間に無くなりましたので。それでは確認魔法を使わせていただきます」


 重さや品質は魔法で確認出来る。

 この魔法はオリジナル魔法の一種だが習得している人は多いらしい。

 僕も使えるようにしておくと便利かもしれない。

 習得用の教本も本屋に行けばあるようだし。


「確認しました。納品ありがとうございました。ところで次はいつくらいにいらっしゃいますでしょうか」


 ちょっと待ってくれ。

 もう次の話かよ。


「どれくらいで来た方がいいでしょうか」


「出来れば1週間(6日)位で一度来ていただければありがたいです。この商品がどれくらいで売れるか、まだこちらでもつかみ切れていない状態ですから。


 ヘラスの公設市場からの問い合わせも来ています。あちらで扱いとなると一気に無くなる可能性が出てきます。公設市場間の商品取引は基本的に買取形式で、取り扱い単位も大きくなります。ですので1週間(6日)以内にこの樽1つ分がまるまる無くなる可能性も低くはありません。


 またあの野菜加工品も評判がかなりいいです。次回はあちらも是非納入の方お願いします。包装無しで、容器に入れた状態でかまいませんから」


 少しばかり予想外の事態だ。

 でもまあ仕方ない。

 それに週に一度、気分転換で村に来るのもいいかもしれない。


「わかりました。野菜加工品は無理かもしれませんが、それ以外なら何とか。1週間(6日)後にまた伺います」


「ありがとうございます。宜しくお願いします。あとは業販で何か購入する物はありますでしょうか」


 そうだ、材料を仕入れないと。

 1週間(6日)後に来るとは言え、大目に買っておいた方がいいだろう。

 さっと計算して前回の購入の4倍ほどの注文をしておく。

 これで足りなくなる事はないだろう。


 ◇◇◇


 何だか忙しい事になってきたなと思いながら事務所を出る。

 1週間後(6日)までにまたもや醤油、味噌、甜麺醤を1樽ずつ以上。

 漬物も美愛に頼まないとならない。

 そう言えばちひの干物やさつまあげはどうなのだろう。

 その辺も少し気になるところだ。


 でもその前に、まずは熊手。


「それじゃ熊手を見に行くか」


「うん」


 よしよし。

 そんな訳で見に行く。


 うーん、貝を掘るのに使えそうなものは少ない。

 というか漁具関係がほとんど無い。

 網が数種類ある程度。

 基本的に農具が主役という感じだ。

 やはり漁業はあまり一般的ではない模様。


 それでも取り敢えず鍬くらいの大きさで爪が多く間が狭い熊手を発見。

 農具だがおそらく潮干狩りでも大丈夫だろう。

 その程度には頑丈そうだ。


 なお結愛は実際に構えて動かす真似をして、使い勝手を確認している。


「それでいいか」

「うん。あともう少し大きいの1つ。お姉ちゃん用!」


 はいはい。

 なんてやっているとちひと美愛がやってきた。

 どうやら試験も終わったようだ。


「どうだった?」


「何とか1級合格。美愛ちゃんも3級合格。でもあれ、かなーり厳しくないですか。問題もやたら多いですよね」


「確かにそうだよな。何はともあれおめでとう」


「でも3級ですから」


 美愛は謙遜するが彼女は高校1年、実質中学卒業程度なのだ。

 それで3級がとれるという事は習った範囲はほぼ完璧に出来ているという事だろう。


「ところで何を買っているの?」


「熊手、貝掘り用」


「あ、確かにいいですね。私も探します」


 結果的に熊手も2本の筈が3本お買い上げ。

 この手の遊びというか漁業、確かにちひも好きそうだ。


「あと商品は先に置いてきた。今度は念の為1週間(6日)後に来てくれって。あと美愛の漬物もその時は頼むってさ。包まなくていいから量が欲しいって」


「わかりました。明日早速仕込みます」


「いいなあ。うちより売れていますよね、絶対」


 うーむ、やはり言われたか。


「でもちひのも売り切れていただろ」


「それに漬物は作った数が少ないですから。包装もちひさんの干物の方法を真似しましたし」


 そういう事だ。


「さて、証明書も貰ってきましたし、取り敢えず事務手続きしてからお昼行きましょう」


「だね」


 とりあえず必要な作業はさっくり終わらせておこう。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >出来ればあれも次に納入できましたらお願いします。 『できれば』かぶりだが、話し言葉だし、ひたすらお願いしたい感が出ていてアリ。 むしろ、相当にクレクレ言われてるんだろうなと察してし…
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