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移住記録 ~異世界に移住した僕の開拓と捜索と成り行きの日々~  作者: 於田縫紀
第8章 旧雨今雨

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第4話 何かを忘れている

 話したり結愛の勉強を3人で見たり、美愛とちひで刺身中心の夕食を作って食べたり。

 ちひの料理の腕は技術的には悪くない。

 味付け全てが薄味になってしまうという欠点はある。

 でも刺身中心なら無問題だ。


 夕食の後に風呂も入った。

 勿論今回は女子3人と僕とで別。

 流石にちひも一緒というのはまずいから。

 4人だと流石に浴槽も狭いだろうし。


 覗きはしていない。

 ちひが一緒に居れば僕が警戒する必要はないから。

 邪念が湧かないよう、味噌小屋で無心に麹と醤油麹を作っていただけだ。


 なお魔法については夕食後、話をしながらそれぞれ教えあいを実施。


「美愛さんの魔法は便利だし使いやすくていいよね。木豆やヘイゴの処理とか。特にエビ魔法、便利!」


「ちひさんの魔法はお魚系が多いんですね。小骨まで抜けるから確かに食べやすくなります」


「漁業と魚加工業でやっていくつもりだからね」


 確かに2人のその辺の魔法はなかなか便利だ。

 すべき動作と手順を一般化してイメージ出来ればオリジナル魔法はいくらでも作れる。

 その一般化がなかなか難しい作業なのだけれども。


「位置エネルギーや運動エネルギーを直接操作するのもいいよね。イメージが簡潔だし効果もわかりやすいし、私の慣性制御よりよっぽど使いやすいかな。自転車にも船にもそのまま使えるし」


「単に私の知識がちひさんや和樹さんより劣っているだけですから」


「年齢が10歳ちょい違うからね。そもそも力やエネルギーって中学でやったっけ? やったとしても普通はその辺をエネルギーとしてイメージ出来ない方が多いんじゃないかな」


 確かに言われてみればその通りだ。

 僕の頃と美愛の頃でカリキュラムが違っている可能性もあるけれど。


「それにしても先輩のオリジナル魔法、使えなさすぎですよね。行列式で定義するベクトル操作魔法って先輩しか無理でしょ」


「行列で定義するのが一番簡単だろ。全体の形を詳細に細部までイメージしなくとも、式と範囲だけ指定すればいいんだから」


「そもそも普通の人は形を見て式でイメージしないですよね」


 確かにそのとおりかもしれない。

 しかしちひの魔法にはそれよりとんでもないのがある。


「それを言うならちひのM理論式アイテムボックス魔法だって大概だろ。誰がM2膜とM5膜だので折りたたまれた空間まで意識するんだよ」


「先輩、そう言っているけれどあっさりと使いこなしてますよね」


「前にちひにカラビ・ヤウ多様体について説明したからな」


 流石にM理論は数学科の範囲ではない。

 かつてちひにその辺に必要な数学理論を教えた時の事を思い出して、何とか理解したのだ。


「2人とも凄いです。私には全然わかりません」


「いや、そもそもM理論なんてさわりだけでも難解だから。大学生だって普通は理解を放棄する代物だし」


「そうそう、それが普通だよね。あんなの理解出来るのは異常者だけ」


 その台詞、ブーメランが刺さっている。


「ちひだって理解しているだろう。異常者発見だな」


「私は先輩ほど異常じゃない自覚があります」


 そんなこんなで話して、そして結愛が眠くなったので就寝時間。


 場所が他にないのでちひは僕の横のスペースにマットと寝袋で就寝。

 美愛達と違いちひの場合は横に寝ていてもあまり気にならない。 

 合宿の時にいい加減慣れてしまった結果が今でもそのままの模様だ。


 この先どうなるんだろうな。

 ふとそんな事を考える。

 ちひにも会えたし、美愛や結愛もいるし。


 今のこのコンテナ内をラノベ的に見ると、ほぼ10歳差の女子3名によるハーレム状態だろう。

 ただ実際に手を出すつもりはない。


 別に禁欲が好きという訳では無い。

 僕だってそれなりの性欲はある。

 それでも今の状況で手を出すというのは反則な気がするのだ。

 童貞的な発想かもしれないけれど。

 

 一番無難なのは特異点も極値も作らない事だ。

 ちひとは普通に友人関係。

 美愛と結愛に対してはあくまで保護者。

 このまま急激な変化をさせず現状維持する事だろう。


 期間は結愛が成人して学校を卒業する10年後まで。

 ただ結愛はある程度学校に通わせた方がいいかもしれない。

 なら此処での収入が安定したら集落近くに居所を移すか別に設ける等してもいいだろう。

 僕の麹関係事業は此処で無くとも出来るから。


 今だってつい3ヶ月前、ちひからメールを貰った頃に比べると悪くない生活だ。

 頭が古くて疲れる馬鹿が周囲にいない。

 自分の思った通りに仕事を進められる。

 周囲の自然環境も悪くない。


 それに収益を得る為の麹関係事業だって始まったばかりだ。

 滑り出しは良かったけれど、この調子で伸びてくれるとは限らない。


 背伸びをせず、微分可能な面白くないような生活を維持していくべきだろう。

 美愛や結愛の為ではない。

 僕自身がここで生きていくために。


 とりあえず日本脱出時の目標は全て叶ったのだ。

 それにこの生活のままでも充分楽しいのは確か。

 だから今の状態に満足しておくという事で。


 でも何か忘れている気がする。

 何か要素を見逃している気がする。

 しかし眠くなってきた。

 とりあえず明日に備えて今日は寝よう。

 僕は目を瞑る。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 行列式だのM理論だのファンタジーが仕事してないwww 頑張れファンタジー 異世界転移の皮をかぶった惑星開拓物だから仕方ないか
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