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移住記録 ~異世界に移住した僕の開拓と捜索と成り行きの日々~  作者: 於田縫紀
第5章 開拓の開始

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第4話 知識は負けていない筈だけれども

 あと今日の夕方、やりたい事が残っていた。

 これは美愛や結愛も出来る作業だ。

 

「もう少しして潮が引ききったところで潮干狩りをやろう。どれくらいいるかはまだわからないけれど」


「楽しそうですね」


「結愛もやる!」


「もちろんだ。3人でやろう。ただあまり深いところは行かない。せいぜい足首くらいの深さの所を中心に」


 本当は熊手があれば良かったのだが買ってこなかった。

 だから足で探す方法で挑戦だ。


 3人とも砂浜で靴を脱いで、裸足で海へ入る。

 足首を回すような感じで足で砂を掘って探り、貝らしいものが無ければ横へ移動する。

 その繰り返しだ。


 なお貝は砂抜きするのでアイテムボックスには入れない。

 アイテムボックスに入れると死んでしまうから。

 だから僕と美愛はバケツを持っている。

 結愛は美愛のバケツを一緒に使う予定。


「ありました。しっかりした二枚貝です」

「結愛も見つけた」


 速くも2人は見つけたようだ。

 一方で僕は何故か見つからない。

 場所が悪いのだろうか。

 少しだけ沖側へ移動してみる。


「結構ありますね。この辺」

「また捕った」


 おかしい。何故だ。

 横移動しつつ探す。

 やっと足がそれらしき感触を掴んだ。

 手で拾い上げる。

 残念、貝殻だった。

 

 暗くなるまで頑張った結果、美愛&結愛はバケツにぎっしり二枚貝を採取。

 僕はかろうじてバケツの底をカバーできる程度。


「勝った!」


「場所が良かったんです、きっと」


「負けた」


 2人とも楽しそうだったしいいだろう。

 そこそこ量も捕れたし。


 捕れたのは平たいのとやや厚みがあるのと2種類。

 知識魔法によればどちらも食べられるようだ。


「今日食べるの?」


「砂抜きするから明日の夕食かな」


 大きめのバケツに移し、海水をたっぷり入れて作業場の屋根の下へ。

 これもうまくやれば商品になるかもしれない。

 活かしたまま持って行くのは大変だから、剥いて冷凍するなんて形になるかもしれないけれども。


「あとは明日の朝、網を持ってあの水路に行ってみよう。うまくいけば取り残された魚なんかが捕れるかもしれない」


「行きたい!」


 結愛は今すぐにでも行きそうな勢いだ。


「まだお魚が入っていないだろうから明日ね」


「わかった!」


 あまり期待させて何もないと不味いかな。

 そう思いつつも実は僕自身が結構期待していたりする。


 干潮時に行けば水があるのは幅50cm深さ50cmの下段だけの筈。

 たも網を振り回すにはちょうどいい感じだろう。

 何なら魔法で水温を下げて獲物の動きをにぶらせてもいい。


 そんな訳で明日の朝を楽しみに待つ。


 ◇◇◇


 翌朝。

 勉強は後回し。

 朝食後すぐ網を持って水路へお出かけ。

 美愛と結愛はそれぞれ大小のたも網を持って、僕はバケツと投網を持って。


「魚、いるかな」


「初日だからな。あまりいないかもしれない」


 拠点から海側の水路入口まで歩いて3分もかからない。

 水路を偵察魔法で見てみるとそこそこ反応がある。

 それほど多くないにしろ、初日としては悪くなさそうだ。


 満潮時には水に浸かる中段に下りて採取開始。

 結愛は網を水の中に入れてバシャバシャやった後、上げてのぞき込む。

 中には藻や泥以外に確かに生物の気配。

 見ると体長3cm程度の小さなエビだ。


「凄い凄い、エビさんいた!」


『プラワナ エビの一種。汽水域や沿岸域の底が泥質の場所にいる。1年~3年生で最大20cm以上になる。雑食性で藻類や貝類、多毛類などを食べる』


 いきなり本命がとれた。

 これなら養殖池、成功の可能性が高い。

 バケツの中に水を入れ、エビを確保。


 一方美愛の方も割と本気でやっている模様。

 美愛は既に警戒魔法を使える。

 だから動物がいるか視力以上に見える筈。

 そしてどうやらそこそこ大物を追っているようだ。


 ただ魚は水中では速い。

 つまり簡単には捕まえられない。

 苦労しているなと思ったらすっと魔法を使った気配がした。

 冷却して動きをにぶらせた模様。

 

「捕れました。食べられるみたいです」


「大きい!」


 全長20cm位で色はやや茶色っぽい。

 ヒレが小さく少なく、魚体は細長く、胴そのものは太く丸っこい独特の形の魚だ。

 ドジョウが口を小さくして普通の魚っぽく見せたような雰囲気といえばいいだろうか。


『レジペイド 汽水域~沿海域。主に砂泥底に生息。最大で1m以上。雑食性。食用可能。地球のネズミキスと似た魚』


「エビが食べられちゃう」


 そう結愛が主張するので美愛に聞いてから低温で殺してアイテムボックスへ。


 そして結愛は2匹目のエビと、あと同じくらい小さな魚もGET。


『ゴヌール 汽水域~沿海域の底に近い部分に生息。最大で1.5m近くまで成長する。雑食性。レジペイドの近縁種。地球のサバヒーに近い魚』


 サバヒーは確かインドネシアあたりのエビ養殖場でエビと一緒に養殖したりする魚だ。

 ならちょうどいい。

 これはエビといっしょにバケツ入り。


 これなら養殖場を作っても上手く行きそうだ。

 今日から3~4日間で養殖池を掘って、水質保全用に川からオーラムを移植して、それから水を入れて。


 ある程度経てば最初に入った小エビや稚魚等も成長するだろう。

 そうしたら水を抜いて全部を捕ってもいい。

 それとも投網で定期的に捕るなんて方がいいだろうか。

 夢が膨らむ。


 なお美愛も結愛も結構本気で楽しんでいるようだ。

 水路のあちこちで網を振り回している。

 これは毎日の日課になるかな。

 それはそれで楽しそうでいい。


 勉強時間はこれが終わった後にしてもいいだろう。

 長さそのものは同じで時間をずらす形で。

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