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黒い天使長編「黒天狗村の伝説」  作者: JOLちゃん
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「祭りの予定」

「祭りの予定」



祭りの間の予定表発表!

お盆最終日までイベント目白押し!

そしてユージやエダたちはしっかり京都観光の予定も。


サクラだけは除け者だった。

*** 祭りの予定





 場所は四階の特別ルーム<山桜の間>。


 部屋数は5つ。純和風の豪奢な造りで大きなリビングにキッチン、広い寝室、個別のトイレ、大きなベランダと個別の大きな露天風呂までついている。


 そこで湯上りのユージ、エダ、セシル、そしてサクラに拓、飛鳥、ついでにJOLJUと全員が揃っていた。湯上りということで、エダとセシルは旅館専用の浴衣に着替えている。ユージだけは黒のスーツに黒のTシャツ、その上にデカイDE入りのホルスターを付けている。


 ここはユージとエダが取った部屋だ。一泊二食付き5万である。ちなみに今回全員分の部屋は綾宮家が用意してくれていたが、部屋は当初男性用女性用でスタンダードなタイプの一泊1万2000円の二部屋だった。しかしユージとエダだけは自前で特別ルームを手配してもらったのである。



「あたしらの部屋と全然違う……」


 部屋を見渡し嘆息するサクラ。

 サクラたちの部屋は大きなリビングと寝室だけのシンプルな部屋だ。広さも半分以下だ。



「ご……ゴメンね、サクラ。サクラも家族だしこっちでもいいんだけど」と申し訳なさそうに答えるエダ。


「いやいや、カップルの邪魔はしないから好きなだけイチャイチャしたら~」


 やる気なく答えるサクラ。成程、ユージが気前良く一万円もくれた意味がこれで分かった。「俺たちの邪魔はするな」という事だ。二人は完全にバカンス・モードのようである。周りもこの熱愛カップルに茶々を入れたりはしないし、入れるだけ無駄なのを知っている。


 リビングに全員が集まり座ったところで、飛鳥が全員にスケジュール表を配った。




①演奏者は15時、旅館地下1Fにある大演芸場でリハーサル。

②16時、移動。黒酉神社の境内に用意された特設ステージで準備。

③17時。大天狗祭りが始まる。(縁日は15時から開かれている)

④18時。特設ステージで音楽ショーがスタート。40分の予定。

⑤19時、黒酉神社にて神楽舞・初日の部が行われる。

⑥20時より、綾宮家主催による花火大会と大宴会。90分行われる予定。

同時に綾宮家の特別宴会場でセシルのヴァイオリン演奏会開催。

⑦21時。初日の部、終了。縁日は22時で撤収。




「というのが初日の予定やで。最終日は、15時音楽ショー、17時から灯篭流しをやった後、19時から町主催の大花火大会って流れになっとるでー」



 と、簡単に時間経過を説明する飛鳥。



「縁日を楽しむ時間はありそうだね」

 エダは楽しそうに微笑む。忙しいのは初日である今日くらいで、後のスケジュールは緩い。セシルのスケジュールもそれほど過密ではない。さらに言えばサクラとJOLJUは特にやる事はない。


「ちなみに祭りの中日は、祭りを主催する黒酉神社で大黒天狗の祭具の展示をやったりするし、綾宮家の花火大会は祭り期間中ずっとやるらしいし、この北にある白芥川ってトコでニジマスやヤマメの掴み取りバーベキュー大会なんかも予定されとるらしいで~」


「本当に町上げての大イベントなんだな」


 感心する元京都人の拓。拓のいた時代にはこれほど色々はなかった。


「束縛されるのは今日と16日だけで間違いないんだな?」

 と言ったのはユージである。


「ユージは何か用があんの?」とサクラ。

「俺とエダとセシルは、13、14、15日は京都観光する予定だからこの町を一旦離れる。その予定だからレンタカーで来たし、京都市内のホテルも予約済みだ」

「で、俺もその期間は実家に帰る」と拓。


「なんじゃ。田舎でマッタリするんじゃなかったんかい。ていうか! そんな話一切聞いてないけどあたしはどーなる!?」


「お前、ずっと家にも帰ってこなかったんだから相談しようがないだろ。お前は飛鳥とJOLJUと三人で好きに過ごせ」


「…………」



 ……これが義理とはいえ親の言葉か……

 と、サクラは噛み付きたくなる衝動をなんとか堪えた。



「エダとセシルは初日で顔が知られてしまうから、京都観光に逃げるのはいい手だと思うJO~」

「そうですね。私は来日がバレてしまいますし、エダさんはもっと多くの人の前で歌うわけですから……」


 サクラもJOLJUとセシルの言いたい事はよく分かった。セシルはクラシック界の天才美少女として世界を舞台に活躍していて、来日すればニュースやバラエティー番組に引っ張りだこの人気の音楽家だ。さらにエダは誰もが目を見張るほどの美貌を持つ金髪白人の超美少女だ。白人美少女というだけでも目立つのに、そんなエダがナチュラルな日本語で音楽ショーのボーカルを務めるのだから、皆エダの事を覚えてしまうだろう。その後騒ぎになるに違いない。その点、京都市までいけば外国人観光客は多く、それに埋もれてしまえば騒ぎになることはない。むろん、ユージ含め三人共京都は無縁の人間だから、ただ純粋に京都を満喫したい、ということもあるだろう。



「完全にユージたちは観光目的で、音楽ショーはオマケじゃん」


 感心するくらい見事にスケジュールは立てられている事に、サクラは言葉がない。


 さすがはJOLJUが一枚噛んでいるだけはある。



「ま、ウチらはアレやな。田舎を満喫してもええし暇になったら京都や大阪に行ってもええわけや。とはいえウチらの宿はこの旅館しかないからここに帰ってこないとあかんけど」


「今更、京都市内で宿は見つからんだろーし、しょうがないJO」


「お前らに言われるとなんか腹立つな」



 サクラは大きな溜息をつく。

 別に今でも充分魅力的なお盆の過ごし方ではあるのだが、ユージたちにはそれ以上の満喫プランがあり、家族であるのに自分がハブられていることが気に食わないわけである。しかしそれもこれも一ヶ月間ちゃんと帰宅しなかった自分が悪いと言われれば返す言葉もないので黙っている。


 ゴネればユージたちのほうに参加できそうだが、デートを楽しみたいエダには悪い気がするし、常にユージに監視されて観光するのもそれはそれで面白くなさそうである。



 その後、飛鳥を中心に、音楽ショーについて説明と質疑応答があった。



 初日はアニソンと邦楽をメインにしたカラオケバンドで、最終日は打って変わって洋楽やジャズをメインとした歌謡ショーになる、と飛鳥は説明した。つまり飛鳥の出番も初日だけで、後は遊んで暮らせるということになる。飛鳥らしいズルい計画だが、最初に娯楽系で盛り上げ、最後は本格的な洋楽で客を酔わせようという意図は中々の演出力だと感心した。飛鳥にはそういう演出力もあったのか……敏腕プロデューサー顔負けである。



 そこまで来て、サクラは重大な問題に気付いた。



 これだけ大規模な祭りで、これだけ表舞台の活動をしていいのか……ということである。当然テレビや新聞の取材もあるだろう。エダやセシルはただ座っているだけでも目立つ美貌とアイドル性があり、マスコミに存在を知られれば大事になるのではないのか? いや、それ以上に拓はともかくユージは拙いだろう。裏社会で最高の賞金首にして<死神捜査官>と知られているFBI捜査官だ。一般メディアに顔がバレるのは本職として問題があるではないか。


 その事を指摘すると、飛鳥が自信満々とばかりにドカっと微笑んだ。



「今回の大天狗祭りは撮影禁止なんや。映像は勿論、写真もダメなんやって。それが祭りの犯してはいけないルールだそうや。そのルールは町中看板が立っているし、黒酉神社にもでかでかと垂れ幕が出るらしいからな」

「外部に知られる事は禁制の祭り、ということなんだろうな」と拓。



 成程、そういうルールもあるわけか……とサクラは一応納得した。

 しかし、妙な感覚はさらに大きくなった気がする。この町は、大天狗祭りを主軸に町興しを行っているのに、そういう古臭い風習には煩い……というのは矛盾しているのではないだろうか? 今の時代、携帯電話やスマホには必ずデジカメ機能がついているし、町興ししたいならばそういうSNSの力は重要だと思うのだが……それとも、村人にとってそれくらい大天狗祭りは重要だという事か? 一応伝統に煩い京都だし、田舎町だけにそういう伝統やしきたりは重要なのかもしれない……昔は門外不出の秘めた祭りだったのかもしれない。



「ま、いいか」


 サクラ以上に危険察知能力を持つエダの第六感は特に危険を感じていないようだ。だとしたら、サクラが深く考える事はないだろう。


 それにそういう話であれば、確かにエダやユージたちの顔が知れる危険は最低限だろう。




 ……杞憂であればいいけど……。



 とも思うが、逆に考えればこれだか強い面子が揃っているんだ。何があっても怖くはないではないか、とも思うわけだ。


 結局、今回色々疎外された事がサクラの中で不満になっているという気もする。



 その自覚は多少あるので、一応は納得したサクラだった。




「祭りの予定」でした。


これが今回の長編の大まかなイベントのタイムラインです。

今回の長編はお盆期間の事件という設定ですので、このイベントの間に色々事件が起きるわけですね。

除け者というか計算にいれられていないサクラですが、こいつはそもそも普段から勝手に遊び歩いているのが悪いのであってユージたちに悪気はありません。多分。

まぁ日本なのでサクラをほっつき歩きさせてもユージは叱られないし、そもそも雅な観光が好きな娘ではないので。


さぁ……予定ではこうなっていますが、分かっていると思いますが事件が起こる!

どこで起きるかは秘密です。

しばらくは日常編のようなノリをお楽しみください。


これからも「黒天狗村」をよろしくお願いします。

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