みんな夏が食べていった
真夏の昼下がり
35度に横たわる僕の耳は
寝覚めの悪い夢を探してる
白い天井と真っ赤な日射しが
僕の体を突っつきながら
いくつ穴が空けられるか
遠くで賭けをしてた
視線だけが泳いでる部屋の中
ワルツを忘れたカーテンが
酔ったふりして窓枠の気を引く
金魚のしっぽが暑苦しいね
水槽で揺れる蝋燭の火
焦げた煙は蚊取り線香の渦巻き模様
茹でた僕の声を食べたのは
暑い暑い真夏の昼下がりだから
あちこちに倒れている陽炎や
あどけない夕立じゃ取り返せないよ