表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラプラスの転生冒険者  作者: 平菊鈴士
29/37

ゲイ・ボルグの初陣 2

 この世界において、魔物は普通に存在する。その特性として『野生動物よりも力が強い』、『人間を捕食する』、『個体によって群れる事が少ない』等とある。しかし一般的には、魔物は遭遇する確率が低いものであり、詳細は完全に判明している訳では無い。


 遭遇率が低い魔物の中でも特異な存在として挙げられるものが、『幻獣』と呼ばれる。

 地方によってはこの種を、『神獣』とも呼び、恐れられている。特徴は、魔物を遥かに上回る『怪力』と、魔物には殆ど備わっていない『固有スキル』である。


 例えば『世界蛇 ヨルムンガンド』、『巨鳥 ロック』、『干害竜 ヴリトラ』。そして『幻狼 フェンリル』。

 フェンリルは体長七メートルの巨大な狼であるが、実はこれが最も小さい体長である。その顎は天と地にまで届き、神を食い殺すとされていた。そしてフェンリルの持つ固有スキルは、『急成長』である。


「………ま、さか………。」

「嘘………でしょ………。」

 シロントとティタノは、完全に固まっている。その前でフェンリルは白く息を吐くと、毛を逆立てた。そして、ミロクの速度に匹敵する速度で肉薄した。

「くっ!」

 フェンリル目掛けてクロノはゲイ・ボルグを構えた。

 現実世界では使用経験の無いヴェロキでも、ゲイ・ボルグは問題無く扱える。

 使用者としてインプットされた魔道具は、使用者の経験の有無に関わらずプロ並みに扱う事が出来る。


 疾駆するフェンリルは、徐々にその体躯を大きくした。

 (この『急成長』は、0.5秒に二メートル巨体化している。距離は約三十メートル。この速さから計算するに、到達するまで約二秒程だろう。となれば、十五メートルの巨体となる。)

 この間、約0.1秒。

 ヴェロキはゲイ・ボルグを構え、狙いを上顎に定めた。そして………。

「ふっ!!」

 フェンリルを受け流した。

 その瞬間、フェンリルは身体を反転し、砂埃を上げながらヴェロキに向き直った。その時、


「………汝、我に仇なす者か。」


「!?」

「フェンリルの………声!?」

 フェンリルがその頭を上げる。


「問いに答えよ、愚かなる人族よ。」

 フェンリルの問いに、ヴェロキが口を開いた。

「………そのつもりは無い。お前がこのまま手を引くと言うのなら、これ以上は手を出す気も無い。」

「その口振り、まるで汝の方が実力があるとでも言うかの様だ。」

「ああ、その通りだからな。」

「何?」

 ヴェロキはゲイ・ボルグに魔力を回した。

「それを今、証明してやる。そこを動くなよ。」

「その言葉は信用出来んがな。」

「狙いは、お前の後ろのマンティコアだがな。」

「ほう?」

 フェンリルが僅かに横目で見た刹那、その眼前を閃光が走った。そして、背後から走って来たマンティコアを口から串刺しにし、後ろの大木に突き刺さった。

「ふん。たかが一匹狩った程度で、実力など知れたもの。この程度で勝てると思うなよ。」

「その目は節穴か?一匹狩って実力を示した訳じゃ無ぇよ。よく見ろ。」

「ほう?………むっ!?」

 絶句するのも納得である。何故なら、口から串刺しされたマンティコアの後ろには、更に四匹側面から貫かれていたのだから。

「計五匹、全て心臓を穿っている。これで証明出来ている筈だが?」

「………。」

 五匹纏めて貫かれたマンティコアを前に、フェンリルは言葉を探していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ