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ラプラスの転生冒険者  作者: 平菊鈴士
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魔法と能力の概念

 この世界では、魔法と能力は同意義となっている。しかし厳密に言えば、差異は存在する。


 一般的に知られている魔法とは、大きく分けて三種類に分類される。炎や雷、水(など)、自然界に存在する魔法を『自然型』、腕力や脚力、気功等、身体能力に作用する魔法を『強化型』、時空間収納や密度操作等、物体その物に干渉する魔法を『干渉型』と呼ぶ。

 この内、最も汎用性が高い魔法は『干渉型』である。この魔法は、制御が比較的簡単である為、生活面でよく活用されている。その為、『普遍的魔法』とも言われている。

 最も希少とされている魔法は、『自然型』である。自然界に作用させるこの魔法は、数百年前には『神力者(じんりょくしゃ)』と称され、『自然型』一人で一国の精鋭軍隊以上の力量を持っていた。

 軍隊で最も優遇されている魔法は『強化型』である。一定時間、超人とも言える力を引き出せるこの魔法は、『自然型』と比べて所有人材が多く、国同士の戦争では、大抵『強化型』戦闘員の人数で勝敗が決まっていた。


 一方能力とは、本来『魔法を行使する事の出来る素質』を意味していた。つまり、魔法を使える素質その物を『能力』と呼び、この素質を持つ者を『能力持ち』と呼んでいる。


 同意義になってしまった理由は、それぞれが示す対象の違いが本人以外の、特に能力持ちで無い人からの理解が得られなかったからである。

 魔法を行使する素質と、実際に使っている魔法その物を区別させる事が、使用者本人以外には分かりにくい。その結果、今では魔法も能力も、同じ物を指す様になってしまったのである。



 実際の所、能力持ちの魔法の殆どが、『自然型』・『強化型』・『干渉型』の三種類に分類される。しかし、この三種類の全てに当て嵌まらない能力が、ごく稀に現れる事もある。それが『禁忌型』であり、ヴェロキの『ラプラス』と『創造』等が例に挙げられる。

 この様な魔法は、数十年や数百年に一人程度にしか、確認されていない。その上、この魔法に近い魔法を龍族や悪魔族等が使いこなす事もあり、一部地域ではこの能力持ちを『堕天者』や『劣等者』と呼び、迫害していた。その為、仮にこの能力持ちがいたとしても、周囲に気付かれない様隠す者が多かった。中には、生んだ自分の子が『禁忌型』であると知った途端、殺害した親もいる程、忌み嫌われていた。

 しかし、ヴェロキ達が生まれた村は、幸いその様な伝統とは無縁であった。その為ヴェロキは、迫害される事も無く、無二の仲間を手に入れている。

 『禁忌型』は、その内容と使い方次第だが、一説には『自然型』数十人分の力を秘めているとも言われる程に、高い戦闘力を持つ。事実、ヴェロキの『創造』さえあれば、誰でも核ミサイルも作り出す事が出来る。彼がその気になれば、世界そのものも破壊する事も、難しくは無いのである。



「………と、ここまでは理解出来たか?」

「うん、大体知ってる内容だし。」

「けど、『禁忌型』なんて聞いた事無かったな。」

「そうそう、ヴェロキの魔法は特殊と思ってたけど、なんか歴史の闇が濃そうだね。」

 四人は今、ヴェロキの借りている部屋にいる。ゲイ・ボルグを見てから、もっと魔法について詳しく知りたいと思ったそうだ。

「けど、今の所全部、汎用型魔法だよね。特化型魔法はどう言う魔法なの?」

「そうか、そっちがメインだよな。分かった、俺の知識だけだが、説明するか。」

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