チート武器の紹介 1
食事が終わり、各々部屋に案内をされる直前に、アグニムーンとその妻・サラスレムから呼び止められた四人。部屋に行く前に、書斎に来る様言われた。
執事長・ベリアロトの案内で、細かい彫刻が施された戸の前に着いた。
「竜王様、竜王妃様。ファントム・ナイトの四人をお連れしました。」
『入れ。』
ベリアロトが戸を押し開く。
「どうぞ、お入り下さい。」
「………失礼します。」
四人を代表して、クロノが挨拶をする。
壁には何百何千もの本が、本棚に入れられていた。所々の柱に付けられた蝋燭が、この部屋の物々しさを増長させている。
「よく来た。………いや、よく来てくださいました。お掛けください。」
アグニムーンは敬語で話し掛ける。それに慌てたのは、当然ファントム・ナイトの四人である。
「あ、ありがとうございます。しかし竜王様。貴方が敬語では示しが付きません。どうか、いつも通りの口調でお願いします。」
クロノが答えるも、
「そう言う訳にもいきません。貴殿方が、我が仇のドロース王国を滅亡させたとなれば、礼儀を欠く訳にはいきません。」
そう言って四人に、大きめのソファーに座らせた。
「さて。話をする前に、こちらの紹介をするべきですね。」
アグニムーンの横に立っていた女性が、静かに頭を下げた。
「ミロクェルーンから聞いていると思いますが、我が妻・『サラスレム』です。私と同じく竜族です。」
サラスレムが頭を上げた。皺一つ無い顔は、二~三十代の美しさを醸し出していた。
「サラスレムです。この度は、長女のミロクェルーンがお世話になりました。」
「ご丁寧に、ありがとうございます。私はファントム・ナイトのリーダー・クロノです。こちらがヴェロキ、シロント、ティタノです。」
クロノが一息で答えると、サラスレムはニコリと微笑んだ。そして言うことは、
「クロノさん。貴女、お隣のヴェロキさんに惚れてますね。それも、両想いの様ですよ?」
クロノとヴェロキの顔が、一気に赤くなって、湯気が出る錯覚を覚えた。
「な、ななな何故しょ、そう思われるのでしゅか!?」
噛みながら、バグが発生した様に慌てるクロノ。
ヴェロキは………、彼の名誉に掛けて、此処では記さないでおこう。
「えっと、それはまたの機会にしましょうか。」
「は、はい!そうですね!」
アグニムーンの話題転換に、即座に乗ったヴェロキ。
「………ミロクェルーンから聞いたのだが、貴殿方は特殊な………拳銃?………なる武器を持っているのですか?」
「あ、はい。参謀のヴェロキが製作しました。所持者の気力・魔力を銃弾に生成し、引き金を引く事で発射される武器です。」
「実物を見せてもらっても?」
「構いません。」
目配せをしてから、四人はゴトゴトと拳銃を置いた。
「これは………。」
「こちらの詳しい説明は、ヴェロキに任せてもよろしいでしょうか?」
「ああ、ヴェロキ殿。説明をよろしくお願いします。」
「畏まりました。」
ヴェロキは四丁の拳銃を説明した。アグニムーンはシロントのPfeifer Zeliskaに、サラスレムはティタノのニューナンブM60に興味を示した。
「………試し撃ちを実演しましょうか?」
「「良いのですか!?」」
竜王夫妻は、目を輝かせて食いついた。
………竜族と言うものは、案外可愛い種族なのかもしれない。




