竜の一族 5
「成る程。………ドロース王国滅亡には、とあるパーティーが関与していたとは聞いていたが、お前達だったのか。」
約六十歳程の外見をした男性が、クッションの効いた高価そうな椅子に座っていた。
人族の外見となっているが、彼こそこのディプロ城の城主にして、ミロクェルーンの実父・『アグニムーン』。
山羊鬚を撫でながら、数段下に跪くファントム・ナイトに目を向ける。
彼等は今、城主に謁見の間にいる。
竜族の長である為か、威圧はミロクェルーンと桁違いだった。ティタノは最早、身動き一つ出来なかった。
「………ふむ。」
じっと四人を見ていたアグニムーン。何かしら合点がいったのか、軽く頷いてから二度手を叩いた。
部屋の脇から、執事らしき知的な眼鏡を掛けている男性が近づく。頭に山羊角を生やしているところから察するに、悪魔族だろうか。
「竜王様、ご用でごさいますか?」
「『ベリアロト』、この者達を歓迎しよう。食事の用意をする様に。」
「畏まりました。」
恭しく頭を下げ、そのまま謁見の間を出ていった。
「人族は本来、歓迎などするつもりは無い。しかしお前達は、仇であるドロース王国に刃を向け、滅亡に追い込ませた。その功を讃え、私からの礼として食事にしよう。」
「あ、「「「ありがとうございます。」」」」
若干一名、声を震わせてしまったが、無事に謁見が終了した。
「ドロース王国滅亡に貢献した、この英雄達に祝福を願い!」
「「「「「「乾杯!!!」」」」」」
ワイングラスを高々と上げ、竜族達はワインを飲み干す。それにおずおずと合わせるのが、今回の歓迎者・ファントム・ナイトの四人。恐縮してしまい、音頭にも声を出す事が出来なかった。
「………何か、スゲェ。」
「私、此処でホントに食事して良いのかな………?」
隣り合って話す、シロントとティタノ。顔を動かす事も出来ずに、ワイングラスを傾けた。
「………本当に良いのかな?」
「………畏れ多いな。」
シロント達と反対に隣り合って座る、クロノとヴェロキ。シロント達と比べれば肝が据わっている二人も、この雰囲気には馴染めていなかった。
賑やかに進む食事中、終始この二組が考えている事は、一つだった。
((((居心地悪いから、早く終わって下さい!!!!))))




