ヴェロキの邂逅 4
ヴェロキはそっと、宝玉に手を触れた。すると、宝玉に文字が浮かんだ。『現象』が現れず、『文字』が浮かぶと言う事は、無属性なのだろう。
シロントの様に属性を持たない能力は、俗に無属性と言われる分野に分けられる。因みにシロントは、この時『怪力』の文字が浮かんだ。
「どれどれ?」
オロト神父が覗きこんだ。そこには、二つの文字が浮かんでいた。
「………『ラプラス』?………それと『創造』だと?」
訝しげに呟くオロト神父。当然だろう。
無属性の能力は、その能力の保持者の数だけ存在する。しかしそれ等は、大半が身体能力向上型か、生産活動型の二つに分類される。
例えばシロントの『怪力』は、典型的な身体能力向上型である。また、生活活動型の代表例と言えば、『鍛治』や『料理人』等がある。
しかしヴェロキの『ラプラス』と『創造』は、知識が無ければそのどちらにも当て嵌まらないと判断してしまう。
「………ヴェロキよ。お前の能力は役に立ちそうにない。開花させても良いが、あまり期待は出来ぬぞ。」
オロト神父はそう言って。しかし、
「………開花させます。」
ヴェロキは言い切った。
何故ヴェロキは、役に立ちそうにない能力を開花させたのか。
………それは、ヴェロキ自身がこの能力の意味を、前世の記憶から知る事か出来たからである。




