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期待ハズレの物語  作者: 梅屋卓美
6/12

~少年期 stand by me 中編 ~

あれから浩二とは、いつも行動を共にするようになった。


学校の行き帰りは勿論、放課後もツルんで遊んだ。


あの事件以降、俺はトシおじちゃんに床屋の岡本に連れて行ってもらい、角刈りにした。


長髪しか経験がなかったから最初は短髪に躊躇ったが、なれたら角刈りのほうが楽で、周りの目も変わった。


俺達に共鳴するヤツも出てきた。


雅也。


武志。


この四人で進んで行く。


リーダー気質の浩二。


悪知恵アイデアマンの俺。


頭が良く、参謀的な雅也。


従順な武志。



思い起こせば色々な遊びをした。


発泡スチロールで船を作り、霞ヶ浦に浮かべ四人で乗船して沈没させたり、ガチャガチャの丸いケースで爆弾作成し、まさかの大爆発で大騒ぎに発展した事もある。


あとはビーバップごっこも定番で、鉄板のファミコン。


小学校低学年の時はこんなもんか。



頭の硬い親父には「もっと友達を選べ」と言われたが、俺はこの四人でいる時が一番楽しかった。


先公にもよく怒られた。


名前は忘れたが、メス豚のような女教師。


制裁はビンタ程度だったので大したことはなかった。


学校帰りに浩二とこんな話をしていた記憶がある。


「早く大人になりてぇな~」


ランドセルを振り回しながら浩二が言う。


不思議に思った俺が返す。


「え?何で?汚くなるだけだっぺな」


浩二の言ってる意味が分からなかったから。


「だってよぉ、大人んなったら仕事して何でも好きなモン買えんだゼ?デッケェ車とか」


スゴく分かりやすい。

俺も賛同する。


「んだな!車も買えるし、ファミコンのカセットも!ビックリマンも箱ごと買える」


「だっぺよ!?大人っちゃいいなぁ~」


幼い俺達はいつもこんな話をしてた。



チャリに『四連パフパフラッパ』を付け、カスタマイズしたのも浩二が最初だ。


当時最新の6段変速ギア付きのドロップハンドルのチャリ。


これが当時の最高級車で、俺達も後に続いた。


浩二のチャリにはドクロの旗までぶったってた。


最新気鋭な浩二のアイデアには、感銘できるモンがあったのだ。


チャリは学年が上がるにつれ、飾りはエスカレートしてく。



そんな生意気な俺達は当然、年上から目を付けられる。


一学年上の 羽鳥と牧野だ。


下校中、羽鳥が陰湿な笑みを浮かべ


「お前ら生意気なんだよ。チャリ改造しやがって」


こんな事ヌカしてきた。


羽鳥の舎弟の牧野が


「これからはチャリ改造すんのも俺らに許可得てからだかんな」


と、来やがった。


冗談じゃない!


チャリの改造は、浩二も俺も数少ないこずかいから捻出し、コツコツやっていたのだ!


コイツらにゴタゴタ言われる筋合いはない!



二つの癇癪玉が爆発する!



浩二がランドセルの脇に刺してあった『縦笛』で羽鳥を殴りつけた!

俺も後に続き、牧野の腹にケリをくれる!

そして取っ組み合いの乱闘に突入!


すると、門松食堂のオヤジが通りがかり、


「お前らー!何やってんだー」


と、四人を静止させた!


所詮、小学校低学年の乱闘だ。

たかがしれてる。




号泣する羽鳥と牧野。




・・・・・・・・。



あきれた。



喧嘩を売ってきたのはヤツらだ。


それを泣きながら『可哀想な自分アピ』を展開させてる。


空気を察した門松食堂のオヤジは、


「まあ、仲良くしろよ」


と、だけ言って消えて行ったが・・・・



遺恨の残る結果になる。



これからは学校内、登下校中や放課後など事あるごとに羽鳥達とぶつかり、抗争状態に突入してく。


上級生にもかなり目を付けられだした。



しかし怖くも何ともなかったんだ。



浩二がいたから。



そんなこんなで俺達は擦り傷の数と共に成長してく。


友達を作るのが下手な俺にいっぱい友達ができて母や姉ちゃんも嬉しそうだった。


そして学年が上がって行き、四年生になると俺も浩二も親父達に強制的に少年野球をやらされる。


その少年野球チームにあの羽鳥と牧野もいた。


そんな事より遊びたかったのに・・・・・・


その少年野球には様々なルールがチーム内にあったが、何よりキツイルールが、


『上級生には絶対服従』


との謎の暗黒ルールだ・・・・。



当然、俺と浩二は絶好の的にされ、羽鳥や牧野を含めた上級生にシゴキの限りを受ける。


浩二はずっと癇癪玉を抑え我慢してた。


俺も。



しかし、やがて俺の中のリミッターが解除され、癇癪玉が爆発した。


ある日、ちょいちょい小突いてくる羽鳥を、俺はバットでぶん殴ってしまう。



・・・・・・。



これは俺本人と親、監督を含め問題となり、協議の結果・・・・・



俺は少年野球チームをクビになった。



この頃からだ。



得体の知れない歪んだ感情が俺の中に渦巻き始めたのは。


浩二は持ち前の根性で野球を続けてた。



しかし俺は・・・・・・



投げ槍になったんだと思う。


悔しかったんだな。



羽鳥達に屈辱を受ける位なら、ルールなどクソ喰らえで、喜んで暴力を行使してやる。


元々強制的にやらされたクソ野球なんざに未練はなかった。

浩二もたまに野球をサボり俺と遊んだ。


俺は何度も浩二に野球を辞めるようそそのかしたが、決して浩二は頭を立てにはふらなかった。


ここで。


根性とは?



正統派体育会系の根性は浩二だろう。


悪党暴力系根性は俺だ。



ここから長い人生を分けて行く。



この思想が大きく二人を・・・・




次回少年期後編突入!




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