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期待ハズレの物語  作者: 梅屋卓美
12/12

姉御 ~天下無双 女ヤクザ~

俺には四歳離れた姉がいる。


ちょっと、嫌、ダイブ普通の感覚とは違う姉だ。


皆様には説明するまでもないと思うが・・・・・



刺青は胸割り総身彫り。


金髪に限りない茶髪。


ズーズーな茨城弁。


超絶ドアル中。


極めつけは、鎧武者のようなエアロパーツを纏った通称『原爆プリウス』。



・・・・・・・・




これだけで十部な破壊力を秘めている。


が、


性格もかなりパンチが効いている。



とにかく直球の人で、思った事はなんでも口にだす。


例えば、


「ん?これオメェの彼女げ?この前よりブスだな。しみじみしたらいかっぺな」



・・・・・・・・



このような感じだ。



当然、ビールを片手に持ち、セブンスターを咥えながら唸る姉に、俺の彼女は震えあがる。


42才でいまだに独身&彼女ナシなのは姉が原因ではないか?とたまに思う。


まあ俺もバツ2だし姉もバツ2だから似たモン姉弟ってとこか。


印象に残ってるのは姉の二回目の旦那。



もう八年前位だろうか?


たまたま実家に俺は泊まっていた。


早朝。



「ぎゃあぁぁぁぁぁあ!」


甥っ子。つまり姉の息子が大悲鳴をあげた。



急いで二階から下のリビングに降りてみると・・・・




!?




姉の旦那が刺身包丁でナマスに斬り刻まれ、血塗れで倒れていた。


その横で、悠々とタバコを吹かすクレイジーシスター。





・・・・・・





この日から俺は彼の姿を見ていない。





皆様は俺の姉にどのような印象を(いだ)かれるだろうか?



職業ヤクザの愛人。もしくはトラックやダンプまたはガテン系の仕事に従事。


全然違う。


体型はプロレスラーのブル中野で、男顔負けの迫力。


全然違う。




弟の俺から見ても、20才は若く見え、小柄で細身。尚且つ80年代のアイドルを彷彿させるようなビジュアルだ!


俺は断じてシスコンではないが、中○美穂+小○今日子の領域で、中年オヤジのハートをガッチリ掴む。



これが非常に危険なのだ。



ヤバいのだ!



普段は裏声を駆使し、社交的。


バッチリメイクにスーツ姿はキャリアウーマンである。



しかし・・・・・・



つい先日。


夜中に俺の携帯が唸りだす。


鬱陶(うっとお)しそうに俺がでると、


『遅ぇんだテメエ!早く○×○○×まで迎えに来ぉー!』


またまたヒドイ剣幕に俺は、


「やだね。何時だと思ってんの?」


『あ?テメエ、姉ちゃんがパクられてもいいっつうんか?ゴラァ!』



・・・・・・



仕方なく現場に向かう俺。



すると指定された場所には、畑の出前の電柱に『原爆プリウス』が突き刺さっている!


運転席を見ても姉は乗ってない!



すると・・・・・・




!?



畑の中からズリズリ足を引き摺った姉が登場。



俺はすかさず、



大丈夫(だいじ)かよ?オマワリは?」


と、訪ねたら、


「あ?オマワリ?帰らした」





・・・・・・




是非ともその裏技を伝授して頂きたい!




事故処理等は全て甥っ子が任された。



・・・・・・





その翌日。



不気味な黒い型落ち(車種不明)のセダンで現れ、梅屋邸から日本刀と脇差し、木刀三本を持ち帰った。



何に使うのだろう?




・・・・・・




今、LINEが来てるので全文紹介。




《今の職場は私には合わない。どいつもこいつも薄汚ぇチンカス野郎ばっか。いつか全弾命中の勢いだな。目に物みせてやる。スイカに仕込んだシナモンがややこしい。明朝8時に現地集合。それと現金50万いつもの口座に入れとけ。以上》




・・・・・・・



ノイローゼになりそうだ。




こんな姉でよかったら誰か嫁にもらってください。(美空ひばり似の母上と893チックな弟のオプション付き!)




よろしくお願いいたします。





茨城の畑から。



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