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滅びゆく異世界へ
「アイノ・マリカさん、種の保存のアルバイトについてですが。」
「はい、私がしてきたのは冷凍保存です。」
「時間停止保存ではなくそちらですか。それではそのアルバイトの経験で……」
終わった、疲れた、もう帰ろう。
冷凍のバイトなんて時代遅れだもん。
無理無理、多次元運用なんて大手企業無理だって。
最寄駅を降り、月のような灯りから外れた帰り道。
〝ゴン〟っと後ろから硬い箱が引き裂かれる音がした。
「は?」
おかしい、嫌な音がして後ろを見たら突然明るくなった。
「大丈夫?頭壊れた?」
気絶?夢?なんだこれは
それに前から失礼で変な声も聞こえる。
前を向き、よく見たら、よく見なくてもそれはそこにいた。
「どうも、神と呼ばれています。神と呼んでください。」
なんだこいつ
それは人であり、しかし身体の全てが水のように柔らかい金属で出来ている。
「貴女は死んだので異世界に転移してもらいます。この星には魂が多すぎて爆発しそうなので別の所に行ってもらいます。」
こちらの有無を言わせずの宣言。
「それでは、いってらっしゃい。」
世界が再び闇に包まれる。




