再会の涙
恋愛、入ります。
ちなみに最初の部分はリグラー視点です。
「シュン様、アスカ様のこと調べました。」
「そうか。どうだったのだ。」
私は自力で調べたことをシュン様に報告する。
「はい。まず、なぜアスカ様が消えたのか。これは簡単に言うと異世界、つまりここではない世界に転生したからだと思います。アスカ様の城の本に乗ってました。」
私はここで一旦口を閉じた。
あのとき、アスカ様は絶命すると身体が薄くなって消えたのだ。
そこにロアムと戦い終わったシュン様が来て、すぐに二人で話し合った。
「アスカ様の父君と母君にも聞きました。アスカ様の家系では早死にし、異世界へ転生する者が多いそうです。」
私が長々と話していてもシュン様は真剣に聞いてくれた。
「それで、リグラー……アスカはどこに転生したんだ?」
シュン様は私に問う。私はシュン様の薄い緑色の目を見て言う。
「アスカ様が転生した場所は……チキュウのニッポンというところです。因みにですが、アスカ様の容姿ですが、黒目黒髪みたいです。一度偵察したのですが、元気そうな女の子でした。転移陣を書いたのですぐに行きましょう!」
「あぁ!」
私とシュン様は転移陣へ乗った。私はアスカ様の元へ……!!と願いながら呪文を唱えた。
『ポート・ミール・ド・レート』
あたり一面が光に包まれた。
「夕汰ー、帰りましょう。」
私は夕汰に声をかけた。
「亜莉亜、夕汰ーまたなー!」
阿季君が私達に言う。私は阿季君にさよならを告げて帰宅した。
「ねぇ、夕汰。」
「なに? どうかしたの……?」
私が夕汰に呼びかけるとどこかからか声がした。
『アスカ……』
……今、アスカって聞こえた気が……。いや、でもまさか。
「アスカ」
今度ははっきりと聞こえた。私は後ろを振り向く。
そこには……リグラーとシュン様が立っていた。
「……シュン様!」
私はシュン様のところへ走った。シュン様がそんな私を抱きしめる。
「アスカ……逢いたかった。」
「……っシュン様、私もっ!」
私達はリグラーと夕汰が見ているのもお構い無しに唇を重ねた。
ゆっくりと唇を放し、そしてもう一度唇を重ねる。
……嬉しい。またこうしてシュン様と唇を重ねることができるなんて……。
やがて唇を放し、見つめ合った。そしてシュン様が口を開く。
「アスカ……ちっこくなったな。それに顔立ちや髪や目の色も違う。」
「もう、シュン様ったら。生まれ変わったのだから当たり前でしょう? それに今の私はアスカじゃなくて伊崎亜莉亜。亜莉亜って呼んで?」
「アリア?」
「えぇ。」
私がそう言うとシュン様は微笑んだ。
「綺麗な名前だ。亜莉亜……俺はこれからも亜莉亜を愛している。髪の色、目の色、世界が違うなんて関係ない。これからもずっと愛している。」
「シュン様……」
私はシュン様を見つけていた。
ジャリッと音がして横を見ると隣にはリグラーが立っていた。
「アスカ様、いや亜莉亜様。……異世界だとか関係ない。姿形が変わっても私は亜莉亜様に一生仕えます。私はリトリーチェ家に仕えたんじゃない。アスカ様に仕えたんだ。だから見た目や名前が変わっても私はずっと貴女に仕えます。」
リグラーが真面目な顔をして言う。
「妹になにしてるんだ!」
後ろを振り向くと兄と兄の後ろには夕汰がいた。
「お兄ちゃん……」
「亜莉亜……誰だ?」
シュン様が私をみて言う。
「大きい方は私の兄で伊崎一途。11歳。小さい方は私の友達の冴島夕汰。私と同い年で七歳よ。」
私がそう言うと二人は頷いた。
そしてリグラーが一歩前に出る。
「私の名前はリグラー・ジーン・アルト。21歳。三年前、伯爵をついだ。亜莉亜様の護衛騎士だ。亜莉亜様を抱いているのはシュン・アラルド・ハーザンド・リカイル公爵様だ。亜莉亜様のフィアンセで、今は25歳だ。」
「ご……えい、き、し? フィ……アンセ?」
兄は混乱した声を出した。私は混乱しているままの兄に声をかけた。
「お兄ちゃん、全て話すから!とりあえず家に行こう?夕汰も。シュン様、リグラーついてきて。」
私はシュン様の手を引いて歩き出した。
セリフ長くてすみません。
いつも読んで下さってありがとうございます!\(^_^)/
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余談になりますが、今度、シュン様かリグラー視点でこの回の番外編を書きたいと思います。