図書館は宝庫
私は図書館のパソコンコーナーに来ていた。言葉使いについて調べるためだ。『お嬢様言葉について』
なぜこのことについて調べているかといると今朝、阿季君とあって話したときのことだ。
「お前の言葉使い、お嬢様みたい。ほらあれだ、お嬢様言葉。」
と、阿季君が言ったからだ。
「……ふんふん。お嬢様はゆっくりとした口調で常に微笑んで話すのね。」
確かにアスカ時代、よく言われたことだ。私は頷きながら画面をスクロールさせる。
……また、家族に対して敬称を使う、ね。
「それじゃあ、お兄様じゃなくてお兄ちゃんと呼べばいいのね。……ん?」
気になる見出しがあった。
「異世界に転生・トリップ……」
それは物語だった。主人公の女の子が異世界に二回もトリップして戦い、最後にはその地で死んでしまう。そして数年後、その地に転生するというお話だ。
私は他の物語もあるか調べてみた。そして最終的には図書館で何冊か借りた。
「亜莉亜、迎えに来たよ。」
兄がいた。私はくだけた口調で話すことにした。
「お兄ちゃん、学校終わったの?」
兄は軽く目を見張ったがやがて話し始めた。
「今日は五時間授業だったんだ。」
兄は一言そう言うと「それより」と続けた。
「どうしたんだ? いつもと口調が違うようだけど?」
「それは……まぁ色々と。それよりお兄ちゃん。私、今日本を借りたんだ。」
「へぇ。どういう本なんだ?」
私は借りた本の説明をした。兄はその間ずっと微笑みながら私の話を聞いていた。
「つ、疲れた……」
私はただ一言、そう言って自室のベッドに倒れた。
「言葉使いを変えるのって難しいわ……」
私はそのまま眠りにつこうとしたが、先ほど借りて来た本を読むことにした。
私は本を閉じた。借りた本を全部読み終わったのだ。気がつくと時計は6時をさしていた。
「もう6時……。……なんか壮大な物語だったな。」
「亜莉亜、夕食の時間だよ。」
兄がそう言って部屋に入って来た。
「うん、今行く。」
私はそう言い兄を部屋から追い出した。
私はそれからずっと、ほぼ毎日図書館へ通った。
次のお話は亜莉亜、七歳です。