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もう1つの故郷まで

 ゆっくりと着替えを終わらせて、シュン様が来るまで部屋で待機する。リグラーの知らせによるとあと数十分で着くそうだ。思ったよりゆっくりし過ぎた。ついにもう1つの故郷に帰る時が来た。私の母も父も兄もよく許してくれた。こんなよく分からない異世界に、帰ります。異世界の人間でしたって言われても信じれるもんか。そんな中私の家族は私の話をしっかり聞いてくれて認めてくれた。本当に感謝してる。大切な家族だ。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇





「亜莉亜様、シュン様が到着しました」


 ノックと共に連絡をしてくれたのはリグラーだ。シュン様がやっときた。にやけそうになる顔をなんとか押し殺してドアを開けた。


「教えてくれてありがとう。今行くわ」


 リグラーは私が内心かなり喜んでいるのを悟ったのかクスリと笑った。私たちは荷物を持って下へ降りた。待っていたのは少し涙ぐんだ家族、そして大人な余裕を見せて微笑んでいるシュン様。私は1度荷物をリグラーに預けて家族の元へ向かった。


「今まで私を育てて下さってありがとうございました。前世とか異世界とかよく分からない話にもかかわらず、信じてくれて、家族として私を愛してくれて本当にありがとう。お母さん、お父さん、お兄ちゃん……ずっと大好き」


 少し泣きそうになりながらも、言いたいことちゃんと家た気がする。私は家族に抱きつく。大切で、大好きな家族。18年間大切に育ててくれて本当に感謝しかない。


「何かあったら無理しないで自分を大事にしてね。離れていても貴女は大切な娘よ。愛してるわ」


 お母さんが私を撫でながら言う。お父さんなんて号泣してる。お兄ちゃんは泣きそうになりながらも笑っている。

 そろそろ行かなければいけない。とても名残惜しいが、ここでお別れだ。私は帰れる時には帰ると約束してシュン様の元へ向かう。


「お母様、お父様、お兄様、アリアのことは絶対に大切にします。俺にアリアを任せて頂いてありがとうございます」


「紅亜様、秋途様、一途様、私をここに置いてくださってありがとうございました。亜莉亜様の護衛騎士として、これからもずっと亜莉亜様を守り続けると約束致します。」


 シュン様とリグラーがお母さん達に挨拶をする。そして、私に行こうか、と言い手を差し出す。私はその手を取り、リグラーとシュン様と一緒に魔法陣へと乗る。魔法陣が淡く光り出す。今度こそ、本当にお別れだ。涙が流れ出す。少し寂しい。


「お母さん、お父さん、お兄ちゃん!! 今までありがとう! 大好き!!!」


 最後にそれだけ言い残して魔法陣は私たちをアルカティアへと運んだのであった。

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