卒業式
今日は卒業式。日本に転生してからはや、18年。年月は本当にあっという間に過ぎていく。最近なんだが余韻?感傷?に浸ることが多くなってきた。年取るとこういうことが多くなるのかな? もう体内年齢?は34歳だものね。うわぁ、考えないようにしよう。年齢怖い。
制服に着替えてリビングへ向かう。制服を着るのが最後。なん新鮮だ。
「あら、亜莉亜おはよう」
「おはようお母さん」
挨拶をして私は椅子に座る。お母さんが朝食を出してくれた。お味噌汁に、トースト、ウィンナーと卵焼きだった。美味しそう。いただきます。と一言言ってトーストを口に入れる。
「うぅぅ、亜莉亜が、亜莉亜がもう卒業か……」
「お父さんもー、そんなことで泣かないでよ(笑)」
お父さんがお母さんのご飯を食べながら泣いてる。そこまで泣くの? っていうぐらい泣いていて逆に笑えてきた。
お父さんは私の事を沢山愛してくれた。お母さんも。何かあったらすぐ駆けつけてくれた。励ましてくれた。そのことを考えたら何故か少しうるっとした。私まで貰い泣きしそうだ。
急いでご飯を食べて私は立ち上がる。このままだと泣いてしまう。
「ご馳走様でした! 私歯磨きしてくる!」
そう言って私は急いで食器を片してリビングを出る。
「亜莉亜、成長したのね………」
「あぁ、そうだな」
◇◇◇◇◇◇◇
そろそろ家を出なきゃ。いよいよ卒業式だ。なんだから緊張してきた。何かやらかしたらどうしよう。
ピコン
なにやらメッセージが届いた。私と夕汰と阿季くんのグループだ。
「亜莉亜ー! 迎えに来たぞ! 早く降りてこい!」
「焦らなくていいよ、待ってるね」
2人とも迎えに来てくれたらしい。さっきまでの緊張がほぐれてきた。2人がいれば大丈夫。私たちはずっと一緒だった。3人でいれば何が起きても大丈夫。
「今行く」
私は返事をして急いで玄関へと向かった。がちゃり、と開けて外へ出る。光が眩しい。ものすごく晴れだった。寒い時期だとは思えない外の涼しさ。
「おはよ」
にこりと微笑んで挨拶を交わす。早く学校へ行かなきゃ。学校最後の日なのに遅刻したらたまったもんじゃない。私たちは歩き出す。最後の学校へ。今はもう怖くない。2人がいるから。緊張などとっくのとうに無くなっていた。大丈夫。私たちはきっと大丈夫。
それぞれ歩き出す未来は違うけれど。大切な幼なじみで親友という事実は変わらない。目的が違うだけで、歩む道が違うだけで、私たちはずっと親友だ。ウジウジはしていられない。前を向かなきゃ、進まなきゃ。




