秘めた想い
長らくお待たせしました!
少し複雑な心情(?)をテーマに書いてます!
よかったらブクマ、感想よろしくお願い致します((。´・ω・)。´_ _))ペコリン
あと少し。もう少し。
早く大人になりたいな……。
◇◇◇◇◇
「ねぇ夕汰、阿季くん。デートと言っても何処へ行くの?」
私は二人の肩をトントンと軽く叩くと不思議そうな顔をして聞いた。私の質問を聞いた二人は一瞬ポカンとした顔をしたが、互いの顔を見合わせてニヤリと笑って言った。
「「デートと言ったらもちろん遊園地でしょ!」」
「そ、そうなんだ……」
思わず顔を引きつる私を無視すると二人は歩き出した。私は思わずぷくっとほっぺたを膨らますと急いで二人の後を追い掛けた。
私達は駅へ行くと、切符を買い、私達が乗る電車を待った。暫くして私達は電車に乗った。ゆっくりと走り出す電車。どんどんとスピードが出る。
まるで小学生のように興奮してしまう私。
「ねぇねぇ! 2人とも見て! 早いわ! 私のいたところではこんな乗り物なんてなかったのに……馬車が恋しくなるわ……」
ボソリと呟いてしまう。少し寂しそうな表情をする私を見た夕汰と阿季くんはどうすればいいのか分からないというか困り顔をしてた。
私は2人を見てニコリと笑って見せた。
大丈夫、笑顔を貼り付けるのは得意だから………。
◇◇◇◇◇
何十分か経った頃。電車は私達が降りる駅へと止まった。私達は電車を降り、目的地へと歩き出す。遊園地へとあともう少し。大丈夫、歩いてれば必ず着く。
〖逢いたい〗
その気持ちは今はいらない。心の外へと押し出すんだ。
今は、今はデートを楽しむよ。
「亜莉亜ー! 遊園地着いたぞ!」
「亜莉亜ちゃん! 早く行こ!」
二人は走り出す。まるで小学生の頃に戻ったみたい。時は早くて私達はもう18歳。もう子供じゃないんだ。でも今はそんなこと関係なく楽しみたい!
「待ってー! 今行くー」
私も走り出した。
私達は最初にジェットコースターに乗った。次はお化け屋敷。そのあとはメリーゴーランド。沢山乗った。悲しい気持ちになることなんてないくらい、沢山笑った。
「私飲み物買ってくるわ。なにか飲みたいものはある?」
「俺ファンタ!」
「僕ミルクティー! 亜莉亜ちゃん、ありがとう!」
「了解!」
私はそれだけ言うと、走り出した。
「………俺さ、亜莉亜のことが好きだ。」
「え……」
阿季がふとした感じで言う。思わず驚愕してしまい、夕汰は声が出なかった。
「知ってただろ? 俺も夕汰が亜莉亜のこと好きなの知ってたし。でも俺は亜莉亜と夕汰の親友で、関係を壊さたくなかったから敢えて言わなかった」
「そうだったんだ……告白はしないの?」
「するわけねぇーよ。あいつの心には別のやつがいるんだから」
フッ、と鼻で笑って、だけど少し寂しそうに言う阿季。
阿季も夕汰も複雑だった。二人とも亜莉亜が好きで、だけど関係を壊したくない。それに亜莉亜には既に想い人がいる。こんなに複雑なことはないだろう。
「でも、俺今の関係を壊す気ねぇから」
「……うん。僕も、阿季くんのこと親友だと思ってるから」
「……おう」
この男同志の内緒話を亜莉亜が知るのはだいぶ先だった。




