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番外編 アスカの過去

今回は亜莉亜じゃなくてアスカのお話になります。アスカ十歳、シュン様十二歳、リグラー八歳です。

 私にはシュン様とリグラーの他に、もう一人幼馴染がいた。彼は私より一歳上の十一歳。彼の名前はユーマ・アミル・オレゴン。侯爵令息だ。


「ユーマ様、お久しぶりと存じます。」


「あぁ、久しぶりだな。」


 私達は貴族の挨拶をする。


「アスカ、立ち話はそのくらいにしてお茶をしなないか?」


 シュン様の言葉に、私達はお茶にすることにした。私は優雅にお茶を飲むことを意識した。

 (しばら)く沈黙が流れた。


「あぁ、そうだ。アスカ、シュン様。婚約おめでとうございます。」


 ユーマ様が静かに微笑んで言う。

 ユーマ様の言う通り、私とシュン様は先月に婚約した。


「ユーマ様、ありがとう存じます。わたくし、そう言って頂いてとても嬉しく思います。」


「それよりアスカ。今少し席を外せないか?」


 ユーマ様が真っ直ぐ私を見据えて言う。


「えっ、でも……」


 フィアンセがいる私がフィアンセじゃない男性と二人きりになるのは不味い。私が答えに困っているとシュン様が笑って言った。


「アスカ、俺のことはいいからいきな。」


「……シュン様、ありがとう存じます。」


 私はユーマ様の後を着いていく。


 ……ユーマ様、なんか変わったな。


 前までは何でも話してくれたのに。今では、自分から話してくれない。暫く歩くと、ユーマ様は止まってゆっくりと振り向いた。


「アスカ、愛している。」


「……へ!?」


 取り繕うのも忘れて、思わず変な声が出てしまった。何故なら、いつも私のことを避けているユーマ様が私に愛していると言ったから。


「アスカ、私はそなたのことを愛している。」


「えっと、申し訳ありません。わたくし、シュン様と婚約していますし……わたくし、シュン様のことを愛しているのです。なので……」


 ユーマ様は私が言い終わる前に行ってしまった。仕方なく私はシュン様とリグラーの元へ戻る。


「あれっ、アスカ様。ユーマ様は……」


 リグラーを私を見て言う。私はどうやって説明しようか考える。


「えっと。実は……」


 私はユーマ様に言われたことを全部説明する。ふとシュン様の方を見ると、何やら難しい顔をして考え込んでいた。

 空を見上げると、景色は茜色に染まっていた。







 今日はもう遅いのでシュン様とリグラーは止まることになった。



 ドンドン!


 誰かがドアを叩く音がする。時計を見ると、夜中の3時だった。ドアの方を見ると、側仕えが対応していた。よくよく見ると、ユーマ様のお母様が立っていた。

 私は眠たかったので部屋に戻ろうとした。


「どうかお願いです! アスカ様を呼んで下さい! ユーマがっ! ユーマが居なくなったんですっ!」


 私はその言葉を聞いて急いで階段を下りる。


「ヨーカ様、それはどういうことでしょう。」


 ヨーカ様、つまりユーマ様のお母様に話を聞く。気が付くと後ろにはシュン様とリグラーがいた。私達は耳を傾ける。




「そうか……。朝の6時を過ぎたら探しに行こう。」


 シュン様が言う。




 時計の針が6時を指した。私達はユーマ様を探す。遠くまでも行ったりした。けれどユーマ様は見つからない。

 結局、ユーマ様は見つからなかった。見つかったのはユーマ様の片方の靴だけだった。


 あれから数年の歳月が過ぎたけど、未だにユーマ様は見付かって居ない。

 貴族の間では盗賊に拐われたとされ、殺されたとされた。



長らくお待たせしてしまって申し訳ございません。


ここで少し小話を。

ヨーロッパの貴族の生活について。

昔のヨーロッパの貴族は夜中くらいに起床していたそうです。文献によっては夜中に一度起きて、また眠るという時代もあったそうです。確か、中世ヨーロッパの時代ですかね。

アスカ達がいる世界は……今の日本と同時刻の設定です。ただ世界が違うだけ。私が色々と設定すると分かりずらくなるので……。私の頭が悪いとか、面倒臭いとかじゃないですよ?

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