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準備期間

遅れてすみません。

少しずつpvやポイントが増えていて驚きました。これからもよろしくお願いします。(^o^ゞ

 私達は異世界からきたことを悟られないために入念に準備をすることになった。まず、アルカティアでの滞在先は私の前世、つまりアスカの家になった。


「ねぇ、シュン様。私達の身分はどうするの?」


「そうだな……アスカの家、つまりリトリーチェ家の親戚の設定にするつもりなんだ。リトリーチェ侯爵夫人の弟の予定だ。だから……伯爵だな。」


 シュン様がそう言うとお兄ちゃんが口を開いた。


「伯爵……なんかすごいなぁ! 夢みたい!」


 その隣で夕汰がこくこくと頷く。


「そしてですね。アルカティアで過ごすときの名前ですが、こちらで決めときました。夕汰様ですが、アルカティアでは亜莉亜様の家族として過ごしてください。そして、みなさんの家名はイーサイです。秋途様はシュート・リグベルト・イーサイ伯爵です。」


 リグラーはそこで一旦口を閉じた。そして、今度はお母さんのほうをみた。


「紅亜様はクレア・ローズマリー・イーサイ伯爵夫人。一途様はアルカティアではカズトという名前がないので名前を変えました。カズト・ライリー・イーサイ伯爵令息です。夕汰様はユウ・アランハルト・イーサイ伯爵令息です。」


 リグラーはここまで一気に言いきった。そして、優しい眼差しで私を見ている。

 そこでシュン様が口を開いた。


「亜莉亜の名前は、アリア・アスカノーラ・ミアリー・イーサイ伯爵令嬢。」


 私の目から涙がこぼれた。アスカ時代の名前が入っていたからだ。

 さすがにリトリーチェ姓は名乗れないけどそれでも嬉しかった。

 それをお兄ちゃん達はただただ優しい眼差しで私を見ていた。私は涙を拭いて立ち上がった。

 そして、みんなの前で発言するために口を開いた。


「シュン様、マナーや言葉遣いの指導をしましょう。私はお母さんに教えるからシュン様とリグラーは男子達に教えて。」


「分かりました。」


 リグラーが返事をしたのを確認し、私はお母さんを別室に連れて行った。

 そして、私達は向かい合う。


「お母様に言っておきたいことがあるのだけれどいいかしら?」


「な、なんでしょう……?」


 いきなり変わった私の口調に驚きながらお母さんは返事をした。


「まず、アルカティアに行くにあたって守って欲しいことがあるの。1つ目は丁寧な言葉遣いで話すこと。2つ目は名前に敬称をつけること。3つ目は常に笑顔でいること。守れるかしら?」


「守れるわ!」


 私がそう言うとお母さんはやや意気込んでいた。


「さて、次は宮廷作法だけれど……。まずは歩き方について教えるわ。」


 私はアスカ時代のことを思い出しながら姿勢に気をつけて歩いた。


「お母様、やってみて下さる?」


 私がお母さんを見つめて言うとお母さんは緊張した感じで歩き始めた。初めてにしては中々上出来だった。


「初めてにしてはいいわ。けれどもう少し姿勢を真っ直ぐにして優雅に微笑むとなおさらいいわ。」


 私は実際に歩いて見せた。お母さんはそれを見て真似した。


 ……ん、いい感じね。


 その後、私はお茶の飲み方など実際に教えて見せた。


 コンコン


 ドアがノックされた。


「どうぞ」


 私が声をかけるとドアが開いた。そこにいたのはシュン様だった。


「まぁ、シュン様。どうかしたの?」


「うん……君たちの髪や瞳の色を変えなきゃと思って。シュート達のはもうすでに変えといた。因みにシュートは黒髪、赤目。カズトは黒髪に青目、ユウタは金髪に赤目。それじゃあまず、クレアから。」


 シュン様はそう言って腕を一振り。瞬間、お母さんの髪が金に、瞳が青に変わった。


「次は……アリア。」


 シュン様はお母さんのときと同じように腕を一振りした。

 瞬間、私の髪はうす茶色に、瞳は緑に変わった。


 ……これ、アスカの色と同じだ。


 多分、シュン様とリグラーが気を使ってくれたのだ。


 ……二人の隣に立っても恥じない姿でいよう。


 私はそう決意したのだった。


よければブクマ、感想、評価よろしくお願いします。

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