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第一話:藩王様の最初のお仕事④


 ◇戦い終わって◇


GM:戦闘は終了だね。気絶した二人の男が転がってるけど、どうする?

レアン:一応、尋問するかもしれないし、武装解除して縛り上げておくか。

リュミエ:この場合って、ゴーガンの死体とか残らないのかな?戦利品取りたいぞ(笑)

GM:あー……じゃあ、魔神の残骸が一部残ってるってことにしようか。戦利品は普通に取れていいよ。

サージュ:(データ確認)ゴーガンの戦利品は自動取得のみですね

GM:なら、その分の戦利品が散らばってるってことで。

ナザル:〈ケアフルオートルーター〉をケアモードで起動させるか。神官戦士はこれで十分だし、魔神使いも6ゾロ以外はこちらの方がいいくらいだしな。

リュミエ:おお。いいもの持ってるね、ナザル。

ナザル:一人旅では必需品だ。戦利品を取るときが一番無防備になるからな。

セレスト:なるほど、そういうものですか。私はまず奴隷たちを確保しに行きたいですわ。パニックにでもなって、どこかに行かれては困りますし。

サージュ:お供します、お嬢様。

リュミエ:オレも一緒に行くよ。キャンプの探索もしたいし。魔神の入った壺とかありそうだしなー。

GM:あ、待って。先にトレジャードロップの戦利品を振ってもらおうかな。

セレスト:あら、頂けるのですか。てっきり、フォルゴーンと一緒にさよならしてしまったものかと(笑)

GM:ルール上はそうなっちゃうんだけどね。それはあまりにも酷い気がするから、落としていったってことにするよ。Hの表を1回振ってね。

セレスト:それはありがたいですわね。では、お願い致しますわ、お兄様。

レアン:うむ(ころころ)1の4で……〈アインハンダー〉だと……

一同:(爆笑)

サージュ:なぜそんなものが……あのフォルゴーンの苗床が、ザイアの神官戦士だったのでしょうか?

セレスト:確かにそれなら納得ですが……しかし、これほど嬉しくない非売品アイテムもありませんわね(苦笑)


 〈アインハンダー〉は強力なダメージ軽減能力を持つ片手剣だが、「自分で魔剣の迷宮を突破して手に入れた」ザイア信者しか、その恩恵を受けることができない。つまり、トレジャーで手に入れても無意味なのである……


リュミエ:まあ、9000ガメル貰えたってことで。あ、でも、蛮族領域で売れるのか、これ?

セレスト:リュミエ、今こそあなたのコネクションを活かす時ですわ。

リュミエ:なるほど、デイジーに引き取り手を探してもらうか。庭に植えておけば迷宮作ってくれるかもしれないって売り込めば、もっと高く売れるかもしれない(笑)

セレスト:それは名案ですわ。ザイア信者なら定価の倍くらいは喜んで出すに違いありません。

リュミエ:お嬢様、自分で言い出しといてなんだけど、また猫が取れかけてるぞ(苦笑)

GM:それをやるにしても、次回以降にしてね(笑)それじゃ、セレストたちはキャンプへ向かって、レアンとナザルはどうするの?

レアン:我も妹と一緒に行きたいが、竜化状態ではいろいろアレなことになりそうだな……そうだ、崖の上のストーンサーバントと我の装備を回収しておかねば。

ナザル:念のため俺も一緒に行こう。ついでに、ゴードベルの戦利品も回収しておきたいしな。

GM:オーケー、そっちは特に何も起きないよ。それじゃ、キャンプの方に視点を移すね。

セレスト:奴隷たちはどうなっていますの?逃げ出したりしていなければよいのですが。

リュミエ:あ、〈妖精のランタン〉拾っていくね。まだ明かりはついたままかな?

GM:ついたままだね。キャンプでは五人の奴隷が固まって怯えているけど、セレストの姿を見るとホッとした表情を浮かべる。

セレスト:その様子からすると、五人ともロートレック家の奴隷なのですわね?さすがに奴隷の顔を一人一人覚えているかは怪しいのですけれど、認識票のようなものは身に着けていないのかしら?

GM:奴隷であることを示す首輪にロートレック家の名と家紋が掘られているよ。ちゃんと所有者が分かるようにしておかないと、他の蛮族に何されるかわからないしね。

レアン(装備回収中):所有者が分かっていても何かする奴も多そうだし、それほど安心はできんがな。ないよりはマシ程度か。

セレスト:頭が痛いですわね。ちなみに、輸送隊にいた奴隷は全部で何人でしたの?

GM:六人だと、出発前に聞いていたことにしようか。

サージュ:一人足りないようですが、どうしたのですか?

GM:奴隷の一人が「魔術師風の男が生贄にすると言って、あの大きなテントの中へ連れて行きました。私たちのまとめ役だったんですが……」と答えながら、一つだけ大きなテントを指し示すよ。

リュミエ:予想はしてたけど、少なくともどっちかはここで召喚された魔神か。

セレスト:あ、魔神の苗床にされた様子の奴隷はいませんわよね?

サージュ:私が確認しておきます。デーモンルーラーが1レベル生えているんですから、魔物知識判定で判別できるはずですよね?

GM:そうだね。判定なしでわかっていいよ。苗床にされている奴隷はいないようだ。

リュミエ:最初から生贄にしか使うつもりはなかったってことかな?

ナザル(剥ぎ取り中):危険だからではないか?第一段階ではちょっとした友人程度になるだけだ。1レベルとはいえ召異魔法を使えるようになったら、脱走する危険性は跳ね上がるだろう。

リュミエ:あー、そうか、第二段階になるまでおとなしくしてくれるような状況じゃないもんな。

GM:(深く考えてなかったけど、言われてみればそうだな)

セレスト:ま、いないのならそれでいいですわ。では、この大きいテントを調べてみますか……テントを破壊したら屋外扱いになったりはしないでしょうか?

GM:それを認めちゃうと、いろいろ悪用されそうだからダメかなあ(笑)

リュミエ:任せろ、お嬢様。まずは入り口に罠がないか調べるぜ。

GM:あ、それも含めて探索判定1回でいいよ。

リュミエ:了解。【フェアリーウィッシュⅡ】で兄弟を呼んで(ころころ)オッケー、調べるぞ(ころころ)達成値22。まだ足りないなら指輪も割れるけど。

GM:いや、それで十分だね。まず、探索するまでもなくテントに入った瞬間わかるけど、テントいっぱいにでかでかと魔法陣が設置してある。

セレスト:(データ確認)レベルと同じということは、直径13メートル必要なのですね。もうテントというレベルじゃない気がしますわ……

GM:端の方ははみ出てるかもね。ただ、魔法陣の上には何もものがないから、探索が必要な範囲は狭いんだよね。

リュミエ:なるほどね。そういや、テントの中で召喚したのならゴーガンの方か。フォルゴーンはさすがに高さが足りない気がする。

サージュ:フォルゴーンは高さが6メートルありますからね。魔法陣ははみ出ててもいいのでしょうが、テントの高さはそこまでないですよね?

GM:ないね。だからその推測はあってるんじゃないかな。それで探索の結果だけど、鍵がかけられた頑丈そうな金属の箱が大と小一つずつ、同じく鍵がかけられた本、一抱えもある大きな壺を見つけたよ。小さな箱と本は隠されていたね。

リュミエ:壺は間違いなく何か入ってそうだし、箱も怪しいなー。それぞれ罠とかないか調べてみるけど。

GM:達成値高かったし、それはいいや。小さな箱には下手に開けようとすると毒針が刺さる罠が仕掛けられている。他のには特になさそうだね。

セレスト:隠されていましたし、この箱にはよほどのものが入っていそうですわね。

ナザル:よし、GM、そちらが探索している間にこっちも終わるだろうし、合流してもいいか?

GM:あ、そうだね。剥ぎ取りも10分だし合流していいよ。

レアン:とはいっても、我はまだしばらく竜化が解除できないしな……男たちを外で見張っておくか。

セレスト:誰かがやらなければならないことですし、お願い致しますわ、お兄様。

ナザル:いくらテントが巨大とは言え、入り口はそこまで大きくないだろうしな(苦笑)あ、ゴードベルだけ戦利品を自分で剝いだので振っておくぞ(ころころ)お、〈透明な皮革〉が取れたな。赤のSカードにしておく。

GM:それじゃ、先に戦利品の個数を決定しておこうか。


 結果、赤のSカードに加えて、10点〈消魔の守護石〉と10100ガメルを入手。カードと守護石はサージュに渡すことになった。


サージュ:ありがとうございます。しっかり役立てますね。

セレスト:ええ、頼りにしていますよ、サージュ。

レアン(テントの外):それで、見つかった怪しい箱やら壺やらはどうなのだ?我だけ文字通り蚊帳の外だから、早めに調べてほしいぞ(笑)

ナザル:了解だ(苦笑)まずは、罠まで仕掛けてある小さい箱から開けてみるか。

リュミエ:解除はナザルに頼むね。オレは【フェアリーウィッシュⅡ】込みでやっと基準値が同じだし。

ナザル:うむ。では、罠解除から(ころころ)おっと、出目3で14だ。

GM:それは失敗だなー。目標値は15だけど、指輪割る?

リュミエ:15なら4以上で開けられるけど……毒針の毒の効果とかわからないかな?

GM:解除して調べればわかるよ!

ナザル:まあそうなるか(笑)毒には耐性があるとはいえ、わざわざ危険を冒す必要もないか。

サージュ:待ってください。毒針なら私が発動させてしまえばいいのでは?

リュミエ:……あ。そういえばそうだったね。

ナザル:無駄に時間をかけてしまったか。では、頼む。

サージュ:無理矢理開けようとしてみます。

GM:罠が作動して、サージュの指に毒針が突き刺さる!……しかし、効果はないみたいだ……

セレスト:流石ですわね(笑)一応、どんな毒か調べてみますわ。

GM:薬品学判定で目標値15だよ。

セレスト:(ころころ)20で成功です。

GM:かなり強力な麻痺毒だね。目標値20の生命抵抗力判定に失敗すると6時間の間動けなくなる。達成値が15以下だと、加えて即座にHPが0になって生死判定を行わなければならない。

レアン(テントの外):目標値20は我々でも普通に失敗するレベルだな。ますます中身が気になるところだ。

ナザル:うむ。鍵を開けよう(ころころ)どうも出目が悪いな……15だが?

GM:それでも開くんだけどね。中には種のようなものが十個ほど入ってます。

サージュ:それってアレですよね?見識判定でわかりますか?

GM:これも知名度がないんだよなー。サージュは〈魔神の契約書〉も見抜いてたし知っていてもいいか。察しの通り〈魔神の種〉だよ。

リュミエ:おおう。〈魔神の種〉が十個とか、そりゃ厳重に隠すわけだ。

サージュ:燃やします。

セレスト:ちょ、ちょっと待つのです、サージュ(汗)

サージュ:お嬢様、どうしました?これは存在していてはいけないものです、処分しなくては。

セレスト:もちろんですわ……ちょっともったいないですけど(ボソ)……でもテントの中で燃やすのはまずいでしょう。そもそも、これって燃やせるものなんですの?

GM:魔法で作られたものだしね。【ディスペル・マジック】……いや、呪い属性だから【リムーブ・カース】で魔法を解除しないといけないんじゃないかな。

サージュ:それを10回ですか。魔力差を考えると、今やるのは現実的じゃないですね。

GM:わざわざ魔法を解除しなくても、処分するだけならもっと簡単な方法があるけどね。

ナザル:穢れを持っているものに植えれば枯死するからな。処分するというのなら、俺がまとめて食ってやろうか?あまりうまそうではないが。

リュミエ:食べても枯死するのかな?(笑)穢れはないけどオレに植えても大丈夫だぞ。

GM:穢れにとても弱いみたいだし、蛮族が食べたら枯れそうではある。

セレスト:……ところで、お兄様は処分に賛成なのかしら?

レアン(テントの外):ん、我か?仮にも統治者たる我からすれば、埋め込んだものにしか従わないという時点でむしろ害の方が大きいからな。面倒なことになる前に処分してしまう方がよかろう。

セレスト:……そうですわね。では、ナザル様、試しにお食べになってみます?

GM:(まだ未練がありそうだなー)ナザルはホントに食べるの?

ナザル:ふむ。物は試しだ、齧ってみよう。どんな味だ?

GM:(そんなんわかるわけないじゃん)……たぶん無味無臭じゃないかな。

リュミエ:魔神パワーに目覚めたりして(笑)

サージュ:それはダメですよ、ナザル様!

ナザル:そんなことにはならん(笑)まずいが、言いだした以上はやり遂げねばな。一気に飲み込む!

レアン(テントの外):ホントに大丈夫か、ナザル殿?(笑)

GM:まあ、特に何も起きないね。

セレスト:ああ……次は大きな箱を開けてみましょうか。

ナザル:ふう、まずかった。これも鍵開けの目標値は15か?

GM:うん、そうだね。

ナザル:4以上(ころころ)よし、成功だ。

GM:中身はガメル銀貨と宝石類だね。金額にして5万ガメルあるよ。

一同:マジで!?

ナザル:金庫だったか。なかなかの大金だな。

リュミエ:ふむ。メタな話だけど、これが今回の報酬ってわけかな?

GM:メタな話をすれば、その通りだね(笑)

セレスト:なるほど(笑)では、遠慮なく貰っておきますわ。

レアン(テントの外):形としては、一度ロートレック家で接収してから皆に報酬として配るということになるか。

GM:そうだね。そういう形を想定してたけど。

リュミエ:それだとレアン様は貰えなくならないか?(笑)

レアン(テントの外):ふっ、アレだ、我の場合は自分へのご褒美と言うやつだな。

サージュ:そうですか(笑)

GM:あ、金庫に入ってたわけじゃないけど、保存食が70日分あったよ。最初の探索の時に言うの忘れてた。

セレスト:あら。……保存食は人族が作っているものでしょうか?

GM:んー、まあ見た目違いそうだし、人族が作ったものっぽいね。

リュミエ:なら、普通に食べられそうだな(笑)

ナザル:さて、次は本か(ころころ)16で解除できそうか?

GM:できるね。

ナザル:開いてみるが、俺が読める言葉の可能性は低そうか。

GM:うん、読めないね(笑)というか、この場にいる誰も読めない言語で書かれているよ。

セレスト:ふむ。となると、地方語の可能性が高そうですわね……ところで、戦闘の時から地方語とだけ言っていましたけれど、ユーレリア地方語のことなんですの?

GM:シナリオ作った時点では、どの地方に近いか設定してなかったからなー。まあそもそも、君たちにはわからないわけで。

サージュ:私はユーレリア地方に留学してましたし、聞き覚えくらいはなかったんでしょうか?

GM:うーん、そうだね、たぶんユーレリア地方語じゃないかなーと、サージュには思えたかな。書かれている言葉も、それかもしれないとはわかっていいよ。

サージュ:そうですか。次セージを上げたときは、ユーレリア地方語を覚えることにします。

セレスト:リュミエは【トランスレイト】は使えないのでしたっけ?

リュミエ:【トランスレイト】は5レベルだから無理だなー。現状、読む方法はなさそうだね。

レアン(テントの外):人間の奴隷に読ませるというのはどうだ?ユーレリア地方語が分かるのなら、だが。

GM:うーん、蛮族領域で生まれ育った奴隷が、お隣とはいえ別地方の地方語が分かるのはちょっと不自然かなー。

レアン(テントの外):そう言われると反論できんな(笑)地方語の代わりに汎用蛮族語を習得してるとか、そんな感じか。

セレスト:しょうがないですわね。サージュが覚えるか、他に読める者を見つけるまで、この本は取っておきましょう。

サージュ:はい、お嬢様。私がしっかりと保管しておきます。

GM:(他の誰かがセージを伸ばして覚えるって選択肢はないのか……)

リュミエ:さーて、最後にこの怪しい壺だけど、蓋とかはあるの?

GM:蓋はあるけど、ちょっとずれてるね。

セレスト:仮に封入具だとしても、今は中にはいないということですか。

リュミエ:今思いついた、【センス・マジック】をかけてみよう(ころころ)発動したよ。何もなかったからよかったけど、箱や本に魔法の罠があったらヤバかったな(笑)

GM:(ホントだよ。仕掛けておけばよかったなー)わずかにだけど反応がありますな。鑑定するなら目標値は18だよ。

リュミエ:わずかかー(ころころ)成功!

GM:売ったら500ガメルだね!

リュミエ:安っ!(笑)

セレスト:サージュ、お願いしますね。

サージュ:お任せください、お嬢様。ただ、18はちょっと厳しいですね(ころころ)16……明らかに怪しいですし、指輪を割って成功させます。

GM:オーケー。これは〈使役の壺〉、魔神の封入具として使うためのアイテムだ。大型容器扱いで、この壺に封入された魔神は一時解放の時間制限がなくなり、またファジーな命令であっても悪意をもって曲解されることがほとんどなくなる。ぶっちゃけちゃうと、シナリオ上でゴードベルを自由に動かすためのアイテムだね。

ナザル:なるほどな。あの時言っていたのはこれか(笑)

リュミエ:ちょっと待って、なんでその効果で500ガメルなの?明らかにもっと値段がつくはずだ!

GM:あー、ごめんごめん説明が足りなかった。この壺は一度魔神を封入してしまうと、他の魔神を封入することはできなくなってしまうんだ。これはもう使用済みだから、ただの壺としての価値しかないよ。平たく言うと、PCに使わせるわけにはいかねー。

リュミエ:はっきり言いやがったな(笑)

サージュ:魔神絡みの壺なんて叩き割るつもりでしたが、すでにただの壺ですか……

セレスト:売って指輪代に充てましょうか(笑)

レアン(テントの中):ただの壺で500ガメルなら、割と立派な壺か。ところで、GM、そろそろ1時間たたないか?(笑)

GM:んー……まだたってないかな(笑)

セレスト:残りのテントを調べたあたりで、だいたい1時間経過くらいですわね。

リュミエ:さっさと残りも調べてしまおう。もうちょっと待っててね、レアン様(笑)


 残った二つのテントは、奴隷が寝るのに使っていたものと物置だった。物置に輸送隊が運んでいた物資が保管されていた他には、特にめぼしいものは何もなし。探索技能を持たない二人は――


サージュ:探索中にこの魔法陣を破壊してしまいたいのですが、可能でしょうか?

GM:簡単には消えないようにはされてるけど、そこまで強固なものではないから、やろうと思えばできるよ。

レアン:テントの外にはみ出ていると言っていたが、魔法陣は地面に書いてあるのか?

GM:そうだよ。まず地面に魔法陣を書いて、その中心にテントを据えてある。

レアン:ならば、テントを動かしてブレスで薙ぎ払ってやろう。一人蚊帳の外だった鬱憤を晴らす!(笑)人手もちょうどあるしな。

GM:ああ、はい、奴隷たちね。というか今更だけど、竜形態でデーンと立ってたら奴隷たちはめっちゃビビってそうだな(笑)

リュミエ(探索中):大丈夫、大丈夫。毎日ゴーレム作って竜化してるんだから、見慣れてるでしょ。

サージュ:確かにそうですね。でも、間近でブレスを吐かれたら流石に怖いのでは。

レアン:はっはっは!ちょうどいい、新当主として威厳を示しておかねばな。

ナザル(探索中):楽しそうだな、レアン殿(笑)

セレスト(探索中):一応、威厳とか気にしてはいたのですね……


 こうして魔神召喚の魔法陣は破壊され、キャンプの探索も終わったのだが、その裏で忘れられている人たちが……


GM:ところで、みなさんすっかり忘れてるみたいだけど、HPマイナスのまま放置されてる男たちは1時間経過で自動的に目を覚ますよ……その間に死んでなければ。

セレスト:あ、応急手当するの忘れていましたわ。

レアン:特に積極的に生かしておく理由もなかったしな。

リュミエ:いや、もしかしたら重大な情報を持っているかもしれないし!オレも忘れてたけどさ(笑)

GM:酷いなー。とりあえず、生死判定6回するね(ころころ)魔神使いは5回目で6ゾロ、神官戦士は3回目にピンゾロをひっくり返して覚醒。両方とも生きてたよ。

サージュ:流石、人間はしぶといですね。私としては、さっさと埋めてしまいたいところですけど、一応尋問しておきますか?

リュミエ:普通だったら一番助けてくれそうなサージュを敵に回してる時点で、こいつら死亡確定だよなー……

セレスト:殺る気満々ですわね(汗)尋問するだけならただですし、やってもいいのでは、お兄様。

レアン:ふむ……GM、さっき一人で待たされてた時に、奴隷たちからは話を聞いてたってことでいいか?

GM:それは構わないよ。とは言っても、奴隷たちから聞けるのは、移動中に男たちと遭遇して戦闘になり、護衛の蛮族たちが倒されてここまで連れてこられた、ってことくらいかな。男たちの会話は基本的に地方語だったのでわからなかったし。

ナザル:このキャンプはもとからあったのか、それとも襲撃の後で建てたのかはわからないか?

GM:あ、それは襲撃の後でだね。見つかりにくそうな場所を見つけたので、奴隷たちを使って設営したみたい。

セレスト:この領に流れ着いて、たまたま遭遇した輸送隊を襲った、と言うことなのでしょうか。

レアン:まあいい、生きているのだし聞くだけ聞いてみるか。「おい、お前たちはどこから来たのだ?」あ、相手は魔神使いの方だ。苗床の神官戦士相手にまともな尋問はできんだろうしな。

サージュ:魔神を倒しても、治るまではかなり時間がかかりますしね。

GM:レアンの言葉に魔神使いは「答えたら助けてくれるんだろうな?」と言うよ。あ、流石に交易共通語で。

レアン:「お前の金庫の中身で損失は補填できたからな。さっさと我が領から消えるのなら見逃してやろう」と言いつつ、ナザル殿に目配せするぞ。サージュをこの場から遠ざけてくれ(笑)

ナザル:心得た。サージュよ、この苗床はどうしようもあるまい、埋めるから手伝ってくれないか?アンデッドにならないように、最低限の弔いは必要だろう。

サージュ:そう言われては仕方ないですね(苦笑)わかりました、ナザル様。ラーリスの狂信者といえど、生まれ変わってやり直すことは許されています。キルヒア様の御許に送ってあげましょう。

セレスト:サージュをわざわざ遠ざけるということは、本気で見逃すおつもりなんですの?

レアン:まったくそんな気はない(笑)だが、こうした方がこいつも信じやすくなるだろう。

GM:(もともと自分の都合で周囲も動いてるってキャラだしなー)魔神使いは偉そうな態度で「私の偉大な研究を理解しない愚か者どもに追われてユーレリア各地を転々としていたのだがな、ついに居場所がなくなってこんな蛮族領域まで逃げる羽目になったのだ。まったく度し難い」とのたまう。

リュミエ:ほうほう、ユーレリアで指名手配されていると。ひょっとして賞金首だったりする?

GM/魔神使い:「どこの馬鹿かは知らんが、賞金を懸けていたようだな。金の亡者どもがつけ狙ってきよったわ。返り討ちにして供物にしてやったがな!」

セレスト:それはいい情報ですわね(ニヤリ)賞金の額とデッドでも構わないかどうかが知りたいですわ。

レアン:妹よ、流石にデッドでもいいかは教えないと思うぞ……

リュミエ:生きたまま引き渡すのはありえないから、デッドでもいいことを祈って首だけ取っておけばいいんじゃないかな。

セレスト:そうですわね。後でサージュに【プリザーベイション】をかけてもらいましょう。

ナザル(穴掘り中):レアン殿、一応、何者かに誘導されてこの領へと来たという可能性がないか、確かめておいた方がいいのではないか?

レアン:そうだな。GM、その旨聞いてみるが。

GM:少なくとも本人は、そんな心当たりは全くないみたいだよ。

レアン:ふむ、特に裏があるわけでもなさそうだな。「では、約束通り見逃してやろう。今縄を切ってやる」と言いながら剣を抜く。

GM/魔神使い:「おお、貴様蛮族にしてはなかなか見どころがあるではないか」と、まったく疑ってない様子だよ。

レアン:そのまま首をはねるぞ。

GM:魔神使いは笑顔のまま首をはねられました。

セレスト:それは少し哀れですわね。この死体も首から下は弔っておきますわ。

サージュ(埋葬中):あの、先ほどの読めなかった本を読ませればよかったのでは?

一同:……あ。

GM:(なんか今日はみんなボケてるなー)

リュミエ:こいつが正確に教えてくれるとも限らなかったし、問題ないよ、うん。

セレスト:そうですわね。時間もかなりかかりそうですし。

レアン:よし、過ぎたことは忘れる。今日はここで一晩明かすことになるか。

セレスト:ちょうどテントも張ってありますしね。輸送隊の物資が残っているのなら、保存食以外のものが食べられるでしょうか。

GM:それじゃ、キャンプで一晩明かすんだね。ぶっちゃけ、シナリオ自体はもう終わってるんで、帰りました終わりでもいいけど、どうする?

リュミエ:ぶっちゃけたね(笑)特に反対する理由もないよね?

サージュ:殺された輸送隊と斥候の皆さんの埋葬だけは、きちんとやっておきたいです。

レアン:確か、もう鉱山まで一日くらいの距離だったな?物資の残りを運んでしまいたい気もするが……そういえば、馬車はどうなったのだ?

GM:あれ、言ってなかったっけ?……言ってないな。襲撃の時に馬車だけでも強行突破させようとしたんだけど、そのせいで逆に攻撃されて破壊されちゃいました。引いていた馬さんは美味しく頂かれました。と言う話を奴隷から聞けるよ。

リュミエ:最低でも〈ホース〉と〈キャリッジ〉で8000ガメルだなー。

GM:割と大型の荷馬車だったんで、もう少し高いね(笑)

レアン:大損害ではないか!仕方あるまい、物資の回収は後で別に手配するか……

ナザル:馬一頭を二、三日で食べつくすとも思えんし、残っているなら今夜は馬肉だな。

セレスト:元の値段を考えると、かなりの贅沢ですわね(笑)

GM:それじゃ、みんなで馬肉パーティーして今回は終了ってことでいいかな?


 ◇セッション終了後、精算タイム◇


GM:では今回の経験点を精算するね。基本1000点にモンスター討伐分を足して、合計1420点+1ゾロ分になります。

レアン:フォルゴーン逃がしたせいで少ないな……

リュミエ:GM、倒さなくても障害を排除すれば、経験点にはなるんじゃないかな?(笑)

GM:それは説得して降伏させたとか、そういう例の話だからなー。今回はただ単に逃げられただけだし。

リュミエ:デスヨネー。

GM:金銭収入は素材売却含めると60100ガメルだね。〈アインハンダー〉や壺を売るかどうかは、次までに決めておいてね。

セレスト:次は〈アインハンダー〉を売り込みに行くセッションではないんですの?(笑)

GM:違います(笑)どうしてもというなら、そのうち考えておくけどね。

ナザル:ところで名誉点はどうなるのだ?かけらを上納する先もないわけだが。

GM:基本的には、藩王であるレアンに上納する形になるよ。レアン自身は、かけらを集めたこと自体で名誉点が発生するよ。

レアン:自分へのご褒美として勲章を作ったとかか。

サージュ:またそれなんですか(笑)

GM:それでもいいけどね(笑)盟竜点にしたいって場合は、適当にドラゴンNPCを用意するけど。

セレスト:きっと私に魔導甲冑をくれたドラゴンですわね(笑)

レアン:とりあえず今回は全部名誉点でいいか。

サージュ:10個ですから、一人2D振りますか?

セレスト:皆さん、気合を入れて振ってくださいね!私の〈イグニスの魔符〉が懸かっているのです!

リュミエ:了解だ、お嬢様(笑)


 所持名誉点0のセレストのため、全員気合を入れてダイスを振る。その結果は――


セレスト:合計29……後1で3枚買えましたのに……

ナザル:7以上振ったのがリュミエとサージュだけだったしな。

レアン:すまん、妹よ……

セレスト:いいのです、お兄様。そもそも、私が一番出目低かったですし(出目3)

GM:今回はかけら少なめだったしね。次回からはマシマシにしてあげよう!

リュミエ:それはやめろ(真顔)

GM:はっはっは。冗談ダヨ。それじゃ、次回までに成長やら買い物やらある程度決めておいてね。今回のセッションはこれで終了です。お疲れさまでした!

一同:お疲れさまでしたー!

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