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第一話:藩王様の最初のお仕事①


 ◇新領主のファーストミッション◇


GM:さて、舞台は広大なカルゾラル高原の西部、ルデア山脈を挟んでユーレリア地方と接する地域だ。

リュミエ:確か、かつてはルデア山脈自体が蛮族の支配地域だったけど、今は西側を取り戻されてるんだったか。

GM:だったかな。まあ今回はそのあたりは関係ないシナリオだけどね。そんな地域にある藩領の一つ、ロートレック領。最近当主が代替わりしたんで、周辺では噂になってるかもね(笑)

レアン:妹を守るためとはいえ、半分以上勢いで殺ってしまったからなー。統治体制崩壊してたりしない?(笑)

GM:うーん、基本蛮族は強いやつが正義だし、人族からすれば自分たちを庇護してくれてるセレストを守ったわけだから、そこまで影響はないかもね。若干の混乱はあるかもだけど。

セレスト:日頃の行いの賜物ですわね(笑)

GM:メタ的には、シナリオの都合上あまりとんでもないことにはなってちゃ困るともいう(笑)

ナザル:さっき決まった設定だしな(笑)

レアン:なら、一番の問題は屋敷が崩壊寸前ってことだな。

GM:ほわい?

レアン:同格以上のドレイク二人を相手にするわけだし、寝込みを襲うだろ?そのまま屋内で竜化状態で暴れまわったんで。

サージュ:それはもうボロボロになりますね……

GM:なるほど。ルール的に家を取得してない理由でもあると。

レアン:うむ。お金が足りないしな(笑)とりあえず新生ロートレック家の第一目標は屋敷の再建だ。

セレスト:(ルルブ確認)……大きな屋敷で10万ガメルですか。しばらくはテント暮らしですわね……

ナザル:バルバロスにとっては野宿などどうということもない。

サージュ:私も耐性は高いですね。

レアン:屋敷の使用人たちには暇を出すしかないな。なに、我にかかれば再建などそう時間はかからん。

リュミエ:その自信はどこから(笑)というか、領地の収入とかあるのか?

GM:領地の経済活動は人族の奴隷による一次産業が基本だね。後は他領からの略奪。それから領を守るのが藩王の最大の仕事だ。

レアン:略奪というのは聞こえが悪いな。征服にしよう。

セレスト:征服したら、そこも管理しなくてはならないのですよ、お兄様?

GM:征服に乗り出すのは構わないけど、現状では周囲との勢力は拮抗してるよ。すぐには難しいんじゃないかな?とりあえず、そんな日々の朝からスタートってことでいいかな?

リュミエ:蛮族領だと一日の始まりは昼からじゃないか?

GM:おっと、間違えた。そうだね、昼だね。

レアン:ふむ。ならば目を覚ましたらドレイクの日課をやろう。まずはストーンサーバントを作る。(ころころ)うむ、なかなかの出来栄え。そして竜化!

リュミエ:MP回復するのか(笑)

レアン:一時間、領内を飛んで見回ってから、人間形態に戻って食事。これが基本だ(笑)

サージュ:私も起きたらまず【インスピレーション】を。キルヒア様、今日も貴方の叡智をお貸しください。(ころころ)かかりました。

GM:その辺は了解です。サーバントのオプションはシートに書いてあるの全部かな?

レアン:うむ。あ、コボルドのコックだけは暇を出さずに残しておこう。食事は大事だ。

GM:ではロートレック家の料理長が無事だった貯蔵庫から食材を取ってきて作ってくれます。

セレスト:私、以前はまともに食事を出されてはいなかったでしょうし、少し感動してしまうかもしれませんわね……

レアン:これからは、ロートレック家の一員として堂々と暮らしていけるのだ。まずはそのためにも屋敷の再建だが(笑)

リュミエ:オレたちも一緒に食事してていいのかな?立場的に。

セレスト:もちろんですわ。貴方たちは使用人や奴隷とは違いますし。

ナザル:俺はもとからレアン殿と同席していたかな。リュミエにサージュ、俺たちの立場に差はない。レアン殿も気にせんだろう。

リュミエ:なら一緒に……ところで、使われてる食材は人族的に大丈夫なものなの?(笑)

レアン:そうだな……我が家の料理長なら、それぞれの好みに合わせた食材を選んでくれてるだろ。

GM:主がそう言ってるし、少なくともリュミエに出されるものは大丈夫じゃないかな。

リュミエ:お、おう……まあ、ならいいや。

セレスト:私も自分のイメージを守るために、大丈夫なものしか食べませんので(笑)

サージュ:私は食事はとりませんが、お嬢様のおそばにいさせていただきますね。

レアン:……妹と二人きりで食事したいとは、言い出しにくい空気だ(ボソ)

一同:おい(笑)

セレスト:そんなことをおっしゃるお兄様は、嫌いになりますわよ?(笑)

レアン:やはり大勢で食べた方が美味いな!うむ!

GM:そんな風に和気藹々と青空の下昼食をとっていると――

リュミエ:大丈夫かこの状況。藩王の威厳とか皆無だぞ?(笑)

セレスト:確かにあまり領民や周囲に舐められるような状況はまずいですわね。

GM:こんな状況にしたのは君たちだからね?食事をとっているところに一人のダークトロールがやってくるよ。

ナザル:ダークトロールか。知っている相手か?

GM:この藩領にあるダルクレム神殿の長だね。妖魔たちを束ねる大隊長でもある。

レアン:我が領の重鎮というわけだな。重要なことを聞くが……妹に対する態度はどうだったのだ?

サージュ:ブレませんね(笑)私にとっても気になるところですけど。

GM:そこはダークトロールですし、セレストほどの実力者を侮るようなことはしないよ。

セレスト:ダルクレム神官として、指導を仰いだこともあったかもしれませんわね。

レアン:ならばよし(笑)ちなみに名前は?

GM:つけてないね。というか決めてもらおうと思って。家臣だからね。

レアン:なるほど。我だけで決めるのもなんだし、皆希望はあるか?


 ――相談中――


レアン:協議の結果ジフカに決定したぞ。

GM:滅茶苦茶強そうだな(笑)では、ジフカは臣下の礼を取りつつ「レアンドル様、食事中に失礼致す。北の鉱山から至急の連絡が」と言いながら書状を差し出すよ。

リュミエ:鉱山?ロートレック家が所有してるのかな?

GM:そうだよ。そこそこの規模の魔晶石鉱山で、ロートレック家の貴重な財源の一つだね。

セレスト:それは重要な場所ですわね。……もしかしたら、私がサージュを発掘した場所でしょうか?

GM:ああ、そうかもね。フロウライトが発生するような場所は、そこまで多くないだろうし。

サージュ:私の生まれ故郷ですか。それは何があったのか気になりますね。

レアン:ふむ。読んでみよう。

GM:内容を要約すると――


 ・鉱山へ食料などを運ぶ定期輸送隊が予定日を過ぎても到着しない

 ・捜索に出した斥候隊も行方不明に

 ・食料の手配と原因の究明をお願いしたい

 ・特に食料が不足すると兵士が鉱山奴隷に手を出しかねないので早めによろしく


レアン:なるほど、非常事態だな。

セレスト:奴隷を勝手に非常食扱いするのはどうかと思いますが。ロートレック家の財産ですのに。

リュミエ:妖魔なんかは財産の概念があるかどうかからして疑わしいからな……

ナザル:ところで、斥候が行方不明とのことだが、この書状はどうやって届いたのだ?

GM:伝書ツバメが持ってきてくれました。かなり高速で運んでくれるけど、貴重な上に一方通行の連絡しかできないという欠点が。

リュミエ:向こうからこちらへ飛んでくる奴しかいないのか(笑)

セレスト:籠に入れて運んでやらなければならないのですね。すぐに食料を手配するにしても、原因が取り除かれていなければ駄目ですわよ。

リュミエ:その定期輸送隊にはどの程度の護衛がついてたのかわかるかな?

GM:ジフカなら知ってるね。「定期輸送隊の護衛はトロールをリーダーにボガード種五、六名といったところですな」

リュミエ:ダークトロールのジフカが神殿長クラスの重臣で……これはオレたちがでないとダメな奴だな。

サージュ:鉱山までの距離はどのくらいですか?

GM:歩きで三日かかる。馬車が通れる程度の道はあるよ。荷物を運ばないとだしね。

レアン:三日か……我が領地って意外と広いのか?(笑)

GM:魔動天使のマップだと、一つの藩領を抜けるのに移動だけで十日近くかかるんだよね。だからこのくらいはかかるかと。休まずに強行軍すれば半分くらいになるけど(笑)

セレスト:カルゾラル高原自体がとんでもなく広いですものね。食料の不足が発生するまでのタイムリミットなどは推測できるでしょうか?

GM:あ、それなんだけど、定期便が一度とんだくらいですぐに困るようなことはさすがにないよ。それなりに備蓄は確保されてる。ジフカ曰く「物資の催促はおそらく酒などの嗜好品が主目的かと」だって。

リュミエ:おい(笑)……いや酒が重要なのはわかるがな。オレたちで荷物を守りながら向かうとなると、万が一オレたちでもどうにもならない相手だった時逃げにくくなるなとか考えてたが、そういうことなら先に調査やらをやってからでも大丈夫そうだな。

ナザル:その状況で酒の催促を優先するとは……まあ、バルバロスらしくはあるか(苦笑)

セレスト:ふむ。ジフカ様、定期便の到着予定日から現在までの時間の経過はどうなっていますの?間の時間の経過も、わかるのならお願い致しますわ。

GM/ジフカ:「そうですな。到着予定が三日前、その日のうちに着かなかったため即座に斥候隊を派遣し、二日たっても戻ってこなかったため連絡をよこしたとのこと」

レアン:斥候を出す決断がえらい早いのは酒のためか(苦笑)おかげで素早く異常を察知できたんだから、まあいいんだが。

ナザル:「このままじゃ今夜の酒がねーぞ、誰か様子見てこい!」といったところか。

セレスト:連絡をよこした時点では鉱山自体には何事もないようですけれど、輸送隊を襲撃した何者かが鉱山に向かう可能性も十分あります。お兄様、すぐにでも出発した方がよさそうですわ。

リュミエ:まだ襲撃と決まったわけではないが、探しに行った斥候たちが戻らないとなると、その可能性が大だな。

レアン:そうだな……ジフカよ、一応確認なんだが、この辺りで輸送隊を襲撃するような賊なり動物なりに心当たりはあるか?

GM:早速便利NPCになってるな(笑)「輸送隊の護衛で対処できないようなものは、普段はまずおりませんな。領外からの流れ者に関してはわかりかねます」さっきも言ったけど藩領はかなり広いから、国境管理とかめっちゃ適当です。というか物理的に難しい。

リュミエ:人手が足りないというよりも、蛮族だからきっちりした管理体制が維持できないってのが大きそうだ(笑)

セレスト:やはりカルゾラル統一を目指すなら、人族の力も取り入れていかなければなりませんわね。

サージュ:お嬢様、最近ユーレリアの向こう側にできた帝国が、まさにそのような国だと聞きました。

セレスト:そうなのですか。それは一度見に行ってみたいものですわね。


 ユーレリア地方の西、レンドリフト地方を統一した新興国家レンドリフト帝国は、人族蛮族の区別なく国家へ貢献できる能力のみを評価する、「差別なき弱肉強食」を国是としている。


レアン:よし!新領主の威光を示すためにも、我自ら不埒物を成敗しに行くとするか!ナザル殿、また力を借りたいのだがよろしいか?

ナザル:もちろんだ。レアン殿、提案があるのだが、万が一何の手がかりもなく鉱山に着いてしまった場合に備えて、エールの一樽でも持っていくというのはどうかな?

レアン:なるほど、名案だな。ストーンサーバントに持たせていこう(笑)

GM:(なんか、えらくトントン拍子に話が進むなー)


 新規の輸送隊の手配をジフカに丸投げし、早速出発するPCたち。配下の蛮族を連れていくという案も出たものの、足手まといにならないレベルなのがジフカ当人しかいなかったため断念することに。

 GMはPCたちがあっさりと自分たちでの解決に動き出したのに少し困惑気味。他者から依頼を受けるという普段の冒険者スタイルと違い、あくまで自分たちの問題だという認識だからかな?


 ◇ストーンサーバント護送隊◇


GM:では場面変わって、鉱山へと続く道を徒歩で北上中だよ。

レアン:バルバロスの貴種たるドレイクが徒歩というのは、微妙に格好がつかんのだが……

リュミエ:だがライダー技能なしで馬に乗って移動するのは、いざ戦闘になったときにデメリットが大きすぎる。レアン様も我慢してくれ。

セレスト:なんでしたら、お兄様だけ飛んでいかれますか?

レアン:……妹の声が心なしか冷たい気がする。

ナザル:レアン殿。どこで輸送隊が襲撃にあったのか不明なのだ、しっかりと隊列を決めて移動した方がよいのではないか?

レアン:そうだな。当然我が妹を真ん中で護るとして、前後の配置をどうするか。

サージュ:私はお嬢様の後ろが良いでしょうか。

セレスト:……突っ込みたいのですけれど、猫をかぶっている手前無理ですわ。か弱き乙女的に(笑)

ナザル:俺としても、一族の女性を最も安全な位置に置くのが当然という認識だ。

セレスト:リュミエ!お願い致しますわ。貴方だけが頼りです。

リュミエ:了解だ、お嬢様。レアン様、お嬢様の安全を確保するためにはバランスのいい配置の方が有効だ。神官のサージュを中心に前がレアン様とナザル、後ろがお嬢様とオレというのがベストだと思うが。

セレスト:リュミエがそういうのなら、私も賛成ですわ。

レアン:むむ……セレストがいうのならば仕方あるまい。

GM:(面白い関係だ)ストーンサーバントはどうするの?

レアン:もちろん妹のそばに……と、言いたいところだが、エールの樽を持たせているからなあ。

ナザル:戦闘に参加させるのはまずいか、ならば真ん中ということになるな。

サージュ:皆でストーンサーバントを護っている配置ですね(笑)

リュミエ:エールを護るのは大事だからな(笑)真面目な話、その位置ならいざという時に誰でもかばわせられるし、順当な配置ではある。

セレスト:でも、流石にエールの樽は邪魔ですわね……そうですわ、お兄様。魔剣に収納してしまうことってできませんの?

レアン:残念だが、一度入れたものは取り出せんのだ。

セレスト:あら、そうでしたか。勘違いしておりました。


 そもそもルール上は、樽に入ったエールであっても何のペナルティもなく所持品として持ち歩くことができる。ストーンサーバントに持たせているのが、ロールプレイ上の演出に過ぎないのだが(笑)


GM:あ、それで思い出した。レアン、あらかじめ魔剣に収納しておくアイテムとか決めてある?

レアン:んー、収納は補助動作でできるし、実際に竜化するときに必要そうな分だけ収納するつもりだったんだが、それじゃダメか?

GM:それは構わないけど、それだと戦闘時以外に竜化しているときは、何も収納していない状態ってことになるけど、オーケー?

レアン:それはしょうがないな。竜化時の分と分けておくほど消耗品が潤沢なわけじゃないし。

リュミエ:アイテムを人間時と竜化時で分けて管理しなきゃならないのが、地味に面倒なんだよね。

レアン:うむ。だから、なるべく収納を先延ばしにしたい(笑)

GM:了解。では改めて、君たちはストーンサーバントを中心に隊列を組みつつ北の鉱山を目指している。道は馬車が通れる程度には整地されていて幅もあるね。左手側には少し離れて小さめの川が流れていて、右手側には林が広がっている。鉱山に行ったことのある人は知っているけど、両方ともそこまで続いているね。

リュミエ:川と林ね。森じゃなく林なのは、木の密度が疎らってことかな?

GM:そうだね。そこまで奥を見通せるわけではないけど。後、ゲーム的なことを言うと、1部位のキャラクターなら飛行のボーナスを得ながら戦えるね。

レアン:ふむ。逆に言えば、竜化したら飛行のボーナスは得られないということだな。

サージュ:そこまで具体的に言及するということは……

GM:良識あるプレイヤーはそこを詮索してはいけない(笑)

セレスト:小さめの川というのは、具体的にどの程度の川なんですの?

GM:うーん、庄内川くらいかな。

リュミエ:……小さい?まあ、大陸スケールなら小さいか。

ナザル:俺から見れば、本当に小川だな(笑)

セレスト:水棲の巨大生物が出てくることはなさそうですか。

リュミエ:そうかな?深いところは結構深いぞ。


 しばらく、どのくらいのモンスターなら棲息できそうかで議論に。うん、適当に思いついた名前を出したのがよくなかったかな。

 

GM:あー、話を戻していいかな?昼過ぎくらいに出発したわけだけど、日が沈んでからも移動するかい?

ナザル:む、俺は暗視がないのだ。夜間行軍はできれば避けたいところだが。〈穢れのナイトバイザー〉があるにはあるが、使い捨てだしな。

セレスト:一番の目的は何があったのかの調査ですし、急いで手掛かりを見落としては意味がないですものね。

サージュ:今日のところは日没とともに休息して、明日からは朝起きるようにしますか?

レアン:むう、早起きは苦手だが仕方あるまい……

GM:一日目は日没まで移動だね。それじゃ、誰か2d振ってもらえるかな?

レアン:ランダムイベントか?とりあえず我が振ろう(ころころ)7だな。

セレスト:7なら、とんでもないイベントには当たらなさそうですわね(笑)

GM:(何もなし、と)ふむ。では「スカウトかレンジャー技能+知力ボーナス」で判定してくださいな。

一同:(ころころ)

リュミエ:お嬢様、オレ、ナザルが17で同値だな(笑)

GM:オーケー。道には輸送隊の馬車の跡がいくつも残っているけど、その中で最も新しいものを追っていけるね。そして特に異常はないまま日没を迎えます。

リュミエ:ここまでは問題なしと。テント張って野営の準備をするか。

セレスト:目標値が高めだった可能性もありますけど、考えてもしょうがないですわね。

レアン:……ところでテントは一つなのか?

セレスト:あら、お兄様は皆と一緒に寝るのはお嫌ですか?(笑)

レアン:いや、そうではなく、こう、間違いがあっては……ないか……

ナザル:種族的にその心配は無用だな(笑)

リュミエ:見張りの組み合わせは、暗視と先制を考慮すると、お嬢様とナザルがペアでオレとその他かな。MP減ってないから、そこまで時間は気にしなくてもいいけど。

レアン:隊列の時といい、我と妹が全くペアにならないのだが。大変遺憾である!

リュミエ:あー……いや、前衛も考慮すると、やっぱりこの組み合わせじゃないと不安が残るな。

セレスト:お兄様、いざという時にはリュミエとサージュをお願いいたしますね。頼りにしております。

レアン:ふっ、この兄に任せておけ!

サージュ:ありがとうございます、レアン様(笑)

GM:(残念なドレイクだなー)では、それぞれの組の代表者に2d振ってもらおうかな……先に見張りに立つのはどっち?

セレスト:お兄様がストーンサーバントを作り直すのなら、明け方が良いでしょうし、私たちが先に立ちましょう。獣避けに火を起こして、保存食を齧ってますわ。(ころころ)6ですわね。

GM:セレストとナザルが火を囲んでいると、少し離れた川沿いにホタルの群れが舞っているのが見えるよ。

ナザル:……ふむ、それで?

GM:とっても綺麗だね!

リュミエ(就寝中):それだけかい!(笑)

サージュ(就寝中):川の水も綺麗なんですね。鉱山から流れてきているのなら、少し心配でしたが。

セレスト:おそらく普段私たちが使っている水はこの川のものでしょうし、鉱毒とかあっては困りますわ。

リュミエ(就寝中):魔晶石なら鉱毒の心配は少ない気もするな。そのまま掘れるみたいだし。


 今回使用しているランダムイベント表は、極端な目を振らない限り、こんな感じのものばかりである。後の三人は7を振り何も起きずに朝に。


 ◇ファーストコンタクト◇


GM:では、何事もなく夜が明ける……前にストーンサーバントを作り直すんだっけ?

レアン:うむ。竜化を解除する時間を含めて二時間前に作成を始めたいが、問題ないか?

GM:何も起きなかったわけだし構わないよ。あ、【インスピレーション】は一日一回魔法なんで、午前六時に効果消滅、使用可能になるよ。

サージュ:了解です。かけなおしますね(ころころ)

レアン:(ころころ)うおお、無駄に6ゾロ!……GM、ストーンサーバントの形状なんだが、人型であれば自由に設定できるだろう?

GM:うん、でもあまり精巧なものにはできないよ。

レアン:そこで、6ゾロだからかなり細かく作り込めたことにできない?

セレスト:お兄様、まさか……

レアン:うむ!我が最愛の妹の姿を完璧にうつし――

セレスト:壊しますわよ?(にっこり)

レアン:あ、やっぱり普通のでいいです(汗)

リュミエ:というか、レアン様。お嬢様の姿のサーバントに、酒樽運ばせるつもりだったのか?(笑)

レアン:何を言う。その場合は我が運ぶに決まっているだろうが!

リュミエ:……ア、ハイ。流石デスネ……

セレスト:お兄様、今この場は良いですけれど、他の者がいる場所では自重してくださいね?(にこやか)

レアン:う、うむ。わかっているとも(汗)

ナザル:はっはっはっ、バルバロスは実力さえ確かなら、素行が少しくらい変わっていても気にも留めんさ。案ぜられるな、妹殿。

サージュ:少し、ですかね……?(笑)


 どんどん残念になっていく藩王様。ドレイクの宿命なのだろうか……


リュミエ:時間が惜しいし、文字通り夜明けとともに出発するか。保存食齧りながら(笑)

GM:オーケー。それじゃ、二日目午前のイベントダイスを振ってもらおうかな。

ナザル:俺が振ろう(ころころ)10だな。何か起きそうか?

GM:お。出発してからしばらくして、前方に動物が倒れているのを発見するよ。体は狼、頭は猪っぽいね。知名度8の弱点値11。

ナザル:(ころころ)うむ、50点稼いだぞ。

サージュ:(ころころ)弱点抜いてます。ボーアですよね?

GM:うん。よく見ると所属を示すタグがつけられているよ。ロートレック家の騎獣だね。

レアン:むむ。死んでいるのか?

GM:生きてるよ。怪我して弱っているけど。君たちに気付くと、何とか起き上がって寄ってくるね。

セレスト:うーん、我が家の騎獣となると回収したいところですが……怪我を治してやれば自力で帰れそうですか?

GM:もともと帰巣本能に従ってここまで来たみたいだから、帰れそうだね。ただお腹を空かせてるから、食べ物も必要かな。

リュミエ:(データ確認)騎獣の〈ボーア〉は3000ガメルか。これは無事に帰ってもらわないと(笑)

レアン:ならば我が治してやろう。(ころころ)うむ、15点回復したぞ。後は保存食一つで足りるか?

GM:十分だね。元気に食べ始めるよ。

リュミエ:それで、このボーアは輸送隊の所属か、とかわかるかな?

GM:果たして蛮族がそこまできっちりと管理しているか、と考えてみると……

セレスト:ダメそうですわね(苦笑)それでも状況からして、輸送隊か鉱山からの斥候が使っていた、というのはほぼ間違いないでしょうし。

ナザル:時間の経過を考えると斥候隊の可能性が高いか?襲撃されてボーアだけ見逃されたというのも変な話だし、騎手の判断でせめてもの手掛かりとして離脱させられたか。

GM:それが真相かはわからないけど、ボーアが残した新しい足跡で追跡の判定はしやすくなるよ。

レアン:ふむ、やるではないか。おそらくもう生きてはいまいが、お前の主人は勇者として覚えておいてやるぞ。

セレスト:これってランダムイベントですわよね?引かなかった場合は、脱出させられなかった、ということになったのでしょうか。

GM:さあ、どうだろうね。保存食を食べ終わったボーアは、ついていった方がいいのか帰った方がいいのか、迷ってるみたいだよ。

サージュ:そうだ、騎手と別れた場所まで案内させたりはできませんか?

GM:ライダー技能があればできたかもね。今の君たちでは無理そう。

レアン:それは仕方ないな。ついてこられても巻き添えで肉になるのが落ちだ、帰ってまたロートレック家のために働くのだ。

GM:ボーアはそんな君たちの意図を察したのか、屋敷の方に向かって走りだしたよ。

リュミエ:かしこいな(笑)

サージュ:無事につけるように、祈っておきましょう。

GM:では追跡の判定を。今のイベントで目標値は下がってるからね。伏せるけど(笑)

リュミエ:あ、【フェアリーウィッシュⅡ】使っていい?

GM:いいよー。

リュミエ:頼むぜ兄弟(ころころ)オレの21が最高だな。

GM:少なくとも今までのところ、最近戦闘があったような痕跡はないと確信できるね。あのボーアが傷を負ったのはもっと先だ。


 二日目午後は川の向こうを爆走するレミングの群れを発見するも、スルーされて終わった。そして追跡の方は――


セレスト:(ころころ)私の20が最高ですか。

GM:特に目立った痕跡もないまま進んでいくけど、もう日が沈もうかという頃になって、不自然に痕跡が途切れている場所に遭遇するよ。ぱっと見では何もないように見えるんだけど、ずっと跡をたどってきた君たちにはそれが分かる。

ナザル:ふむ。要は何かあったのを隠蔽してあるような感じか?調べてみたいが。

GM:詳しく調べるなら改めて探索判定してもらうけど、その前に危険感知判定をしてもらおうかな。

レアン:ほう。何か潜んでいたか?

一同:(ころころ)

GM:(平目組以外は成功してるけど、アレを装備してるのはレアンだけか)技能持ちの三人は、何かがこの場から離れていったのに気付いたよ。ただ、その姿は一切確認できなかったね。

リュミエ:離れていった方向とかは?

GM:林の方に潜んでいたことはわかったけど、移動した方向はわからなかったね。

サージュ:GMが私たちのキャラクターシートを覗き込んだのが気になるんですけど(笑)

リュミエ:姿が一切確認できない……透明か?

レアン:……(キャラクターシートを見比べている)

セレスト:どうしました、お兄様?

レアン:……ひょっとして、GMがさっき確認してたのって〈蝙蝠の耳飾り〉か?

ナザル:なるほど。危険感知の成功に加えて、耳飾りがあれば追跡できたのかもしれんな。

GM:(だいたいあってる)

リュミエ:唯一の装備者が、平目のレアン様だったのが運の尽きか……(笑)

セレスト:誰も持っていないよりは遥かにマシですわ。お兄様、ナザル様かリュミエにお貸ししたら?

レアン:そうだな、妹よ。最大HPが2点下がってしまうが、まあ大丈夫だろう。

リュミエ:ならナザルの方がいいな。透明を認識できれば乱戦に持ち込んで足止めできる。オレは直接見えなくても、乱戦エリアに範囲魔法ぶち込めば問題ないし。

ナザル:わかった。〈地獄耳飾り〉と入れ替えるか。リュミエ、耳が空いているなら使うか?

リュミエ:空いてるぞ……って、それオレには何の意味もないやつだから!

サージュ:フィーは穢れが増えることもありませんし、完全に無意味ですね(笑)

セレスト:次の問題は、透明な相手が何なのかということかしら?せめて離れていった速さが分かれば、魔法による透明か否かはわかりますけれど……

リュミエ:お嬢様、まずはここの探索をしてみてから考えよう。透明だというのはあくまで推測だし、手掛かりがあれば推理もしやすくなるさ。

ナザル:まだ日は暮れていないのだったな?

GM:もう少しで沈むけどね。探索判定はペナルティなしでできるよ。情報の段階はいくつかあって、一番上の目標値は21。

レアン:我は上空から林の方を監視していよう。先ほどの相手がここを見張っていたのなら、仲間を連れて戻ってくることも考えられるしな。

サージュ:この判定は重要そうですし、私は探索に加わりますね。

セレスト:お願いしますわ。しかし、21ですか。お兄様、予備の指輪を貸してくださらない?

レアン:うむ。ナザル殿も使うといい。

ナザル:すまんなレアン殿。

リュミエ:忘れずに【フェアリーウィッシュⅡ】(ころころ)よし、よろしくな兄弟。

GM/妖精:(野太い声で)「ガッテン承知!」

サージュ:どんな妖精ですか(笑)

リュミエ:(ころころ)ぐ、兄弟の助けがあっても18しかない……

セレスト:(ころころ)14。全然ダメですわ。

ナザル:(ころころ)同じく14。全員出目が腐ってるな。

GM:リュミエが指輪割っても1足りないだね。

サージュ:ここは使いどころと見ます。【インスピレーション】!キルヒア様、お力をお貸しくださいませ。

GM:オーケー。それじゃ、目標値の低い情報からいくよ――

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