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さぁさぁさぁ!
修学旅行二日目ですよ! 夢のランドへレッツゴーですよ!
`前´と合わせて、二回目の夢の国です!
つまりは一生に一度のランドなのですよ~!
あぁ…出来れば今回の人生では、もう一回くらい来たいな。
高校卒業に合わせて、お母さんに頼んでみようかしら?
「ひゃっふー!」
「夢の国~!」
「しなちゃん! そんな跳び跳ねたらスカートめくれちゃうよ!」
しなちゃんとめぐちゃんのテンションが高すぎて、ちょっと冷静になれました。
ホテルのロビーで先生から注意事項と集合時間を確認する話なんかを聞き、パスポート片手に出発です。
「じゃあ、ドンドン行こう!」
「お~!」
まずは並びます。人気の有るものの中で、しなちゃんや堀君が絶対に乗りたいと希望したローラーコースターに駆け足。
開園直後でまだ並んでいる人がそんなに多くないので、待ち時間は三十分でした。
…………うん。無理はするものじゃないね。
「晶子ちゃん……生きてる?」
「たぶん…?」
えぇ、無理でした。
最初は大丈夫だったのよ? ガタゴトしながら上っていくのは。
てっぺんに到達した、次の瞬間に私、意識一瞬飛んだと思う。
「ヒュンッて、ぐぉおおおっ…て、して…ひゅ~って…なんか、さぁ…胃が、口から……でた? 出てる? 私の胃、口から出てる?」
「ちょ、晶子ちゃんしっかりして!」
風圧と浮遊感とスピード感で色々シャッフルされた気がする。
うん、二度と乗らない。絶叫ものがこれほどとは思わなかったわぁ。
「晶子、これ飲んで少し落ち着け。木内も」
「ありがと~」
亮くんに差し出されたジュースを素直に飲んで落ち着きましょう。
あぁ、生き返る。
「桑崎君、いつの間に買ったのそれ?」
「本当、晶子ちゃんのことに関しては無駄にスペック高いなぁ」
「川口達の分は堀が買ってくるから、もう少し待ってろ」
「「あ、はい…」」
ちなみに、木内君も私ほどじゃないけど顔色悪いよ。
私と一緒にベンチでぐでっとしてます。
亮くんにジュースを渡されて一息ついてます。
亮くん達が買ってきたのは、近くのスタンドで売っていたカラフルなジュースです。
味は…何味なの、これ? トロピカル?
とりあえず氷がザクザク入っていて、カップがキャラクターデザインで、美味しいよ。
「桑崎お前、俺のこと待っててくれても良くね? 神代が心配なのは分かるけどよ~」
「堀君、三つも器用に持ってきたねー」
「手のひらでかいからな。どの味が良いか分かんなかったから、桑崎が買ったやつと同じにしちまったぞ。ほい、川口と田辺の分な」
「ありがとう」
「ありがと~、いくらだった?」
堀君が呆れながら戻ってきました。
めぐちゃんがお財布出そうとしたら、堀君に止められました。
後で同じくらいのを奢って。と言ってます。
まぁ、お金のやり取りするのも無粋ですか。
いやでもお金大事よ。忘れないようにしておかなきゃね。
……亮くんが素直に受け取る自信が無いんだけどね。最終手段は、おばさんに直接返す。…これも笑顔で突き返されそうだなぁ。
「美味しいね~」
「結構叫んだから、のど渇いてたみたいね」
「ね、次はどこ行く?」
「晶子ちゃんもう大丈夫なの? 木内君は?」
「僕も大丈夫だよ。確かこの近くに堀君の行きたいって言ってたのなかったっけ?」
「おー、そうそう。えっと…あっちだな」
大分落ち着いたので、次に行きましょう。
時間も限られてるので近場から回ります。
堀君の乗りたいアトラクションの場所まで行けば、結構な列が出来ております。
まぁ、仕方ないよね。夢の国だもの。
絶叫ものではないらしいので一安心で最後尾に並びます。
待ち時間は、五十分だそうです。ジュース飲み干せますね。よかった。
「ね~、あそこ。チュロス売ってるよ」
「ほんとだ。今の限定フレーバーってなんだっけ?」
小腹が減る時間だよね~。
ちら、と列の前の方を見る。
まだまだ動きそうにありません。
しなちゃんとめぐちゃんをちら、と見る。
こくりと頷かれました。
「買ってくるけど、食べる人~」
「「「は~いっ」」」
「よし、行ってきまーす!」
しなちゃん、めぐちゃん、堀君が手を上げました。堀君、ノリが良いね。
あまりわらわらと列から出てしまうのもアレなので、私一人で行ってきます。
亮くんが何か言おうとしたけど、その手に飲みかけのジュースを持たせてササッと列から出ました。
「限定フレーバーは…メロン? ん~…すみませ~ん、メロン二つと、チョコ二つください」
限定は今しか食べれないけど、メロンって、良し悪しが分かれるからなぁ。
シナモンよりもチョコの方が嫌いな人いないよね。
二本ずつ持って列に戻れば、亮くんがちょっとムッとしてました。
「チョコとメロン買ってきたけど、どっちが良い?」
「私メロン~」
「あ、じゃあ私チョコ! めぐちゃん、一口ちょうだい」
「堀君は?」
「神代はどっちが良いんだ? 俺どっちも好きだから先に選んでいいぞ」
おぉ、堀君も紳士ですね。
じゃあ遠慮なくメロンで! 堀君にもちぎってあげました。両方美味しいらしいので、安心して限定フレーバーを食べられるね。
「晶子」
「ん? 亮くんも食べる? はい、あ~」
怒っているのは解ってますが、あえて知らない振りでチュロスをちぎって口に放り込む。
わぁ、眉間にシワ寄せながら咀嚼してる。
ついでに木内君にもちぎってあげました。木内君は手で受け取ったよ。
チュロス美味しいし、絶叫ものではなかったし、良かった良かった。
スピードあるやつとかだったら、多分食べたのが口から出てるわぁ。




