修学旅行の、修学、とは?
夏休みが終わったら、修学旅行です。
中学三年って、本当に忙しないですね。ドタバタでグループ作って旅程確認して持ち物用意して、ついでにテスト勉強もしなくちゃいけなくて…。
あ、英検もありますよ。
「修学旅行ってさ~、何を修学するの?」
「……さぁ? あ、団体行動?」
短いですが新幹線での移動があるので、班ごとにボックス席になっています。
班員は、私としなちゃん、田辺愛実ちゃんと木内君、亮くんと堀修成君の六人です。
しなちゃんがボヤくのも頷けますよ。
修学旅行の行き先、某夢の国ですから。
一日目に、夢の国に向かいながらプラネタリウムに行って、ホテルに泊まり、二日目に丸一日夢の国で遊び、三日目に帰りの途中に歌舞伎を見て終了です。
修学要素は……最終日の歌舞伎かな? 古典芸能を学ぶ的な?
「遊べるなら問題なし! 晶子ちゃんもしなちゃんも、絶叫系は平気?」
「めぐみんはアトラクション大好きだよね~」
「絶叫かぁ~、あんまり乗ったことないかも」
遊園地とかはあんまり行かなかったし、光希が小さかったから、小学生の時は、絶叫系は乗らなかったなぁ。
`前の時´の修学旅行では、確か大人しい子ばっかりの班だったから、乗らなかった気がする。
めぐちゃんは絶叫系が好きらしく、皆乗れるなら色々まわってみたいらしいです。
しなちゃんも堀君も亮くんも平気らしいので、私も乗ってみようと思います。
木内君はちょっと不安そうですが、乗ってみたいと笑ってます。
無理だったら二人でベンチで待機しましょう、そうしましょう。
新幹線からの景色を楽しんだり、水族館や夢の国での時間配分を確認したり、歌舞伎の演目についてのプリントに目を通してきゃいきゃいお喋りを楽しみます。
「おっ……きい~」
「すごぉ~い」
新幹線の後に電車とバスを乗り継いで、プラネタリウムに到着です。
外から見ると見事な球体ですね。これの内部に入るのか…中は…流石に座席は階段状ですよね。
外のままだとツルッて滑っちゃう。
クラスごと、それから班ごとに固まって座る。座るっていうか、寝そべる感じになりますが。
通路側に座った私の隣にはしなちゃんが座りました。
しなちゃんの向こうにめぐちゃんです。
亮くん達は私達の一列上? 外? に座ってます。
「わ、わ、暗くなった!」
「わぁ~…凄い星」
「星が光ると明るくみえるね~」
小声ではしゃいでしまいます。
プラネタリウムの満天の星って、圧巻ですよね。ずっと観てても飽きないです。
しばらくして、女の人のナレーションが始まります。
まずは、春の夜空。見える星の名前と星座、星座に関する神話を教えてくれます。
ナレーションに合わせて星が線で繋がったり、神話のワンシーンなんかがふわりと映されたりしていきます。
夏、秋、冬。十二の星座と神話はとても素敵です。
途中途中に、日本の星座にまつわる話や、中国での星のお話なんかもありました。
「はぁ~…あっという間だったね~」
「素敵な話だった~。ねぇしなちゃ…おいっ」
「え? は? しなちゃん寝てる!?」
めぐちゃんの呆れたような声に隣を見れば、しなちゃんが気持ち良さそうに寝ていました。
慌てて起こしましたよ。次は移動ですからね。
なかなか起きないしなちゃんは、めぐちゃんに割りと本気で叩かれてようやく起きました。
「昨日寝れなかったの?」
「ううん。暗いところにいると、眠くなるの」
昨日はちゃんと十時には寝たそうです。
それでも寝れるって、凄いなしなちゃん。
一日目はこれでほぼ終わりですかね。
ホテルへ移動して、夕御飯はビュッフェです。
ホテルっていうのが、小学校とは違ってなんか大人って感じです。明日は旅館なんですけどね。
部屋割りは班ごと、勿論男女別れてです。男子と女子とで、部屋の階数が違って、行き来はしちゃダメってなっております。
「お風呂は部屋のを使ってもいいんだよね?」
「うん。点呼までに入ってれば、何時に入っても良いみたい」
しなちゃんとめぐちゃんと、荷物を部屋に置いて、夕御飯までちょっとまったりタイムです。
部屋の設備を色々見て回るの、結構楽しかった。
夕御飯のビュッフェは、凄かった。
色とりどり、和、洋、中が揃っていて、煮物もシチューもエビチリも食べちゃった。
めぐちゃんが凄い食べてたのが、ちょっとビックリしました。あんな細いのに、一体何処に入るのか…。
バスケ部だからね。と言ってましたが、いっぱい食べても太らないのは羨ましいなぁ。
尚、作者は某夢の国に一回しか行ったことがない&プラネタリウム? 寝る場所だよね? な人のため、九割九分想像でお送りします。