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夏休み後半は、桑崎家と一緒

夏休み後半です。宿題は全て終わっています。お盆も過ぎました。

私、イン、桑崎家です。


………えっと、どういうことかというとですね。

両親と光希が三人で、おばぁちゃん家にお泊まりなんです。

おばぁちゃんには去年、来るなと言われました私。なので私はお留守番なのですが、流石に中学生が一人で留守番‐しかも二晩‐はどうよ? ってことで、桑崎家に相談して、お盆過ぎなら、ってことで、私を桑崎家に預けて三人でおばぁちゃん家に行ったのですよ。


「晶子ちゃん、この部屋使ってね」

「わ、ありがとうございます」


おばさんに案内されたのは客間です。

六畳くらいの和室で、机‐文机ってやつですね‐や布団が配置してあって、可愛い感じのカーテンが掛かってる、クッションとか座椅子とかが赤や薄ピンクな明らかに女の子用の部屋だけど…きっと客間…だよね?


「晶子」

「あ、亮くん。お世話になります」


荷物を置いて居間へ行けば、亮くんがいました。

おばさんは買い物に行ったそうです。おばさん行動早いね。ついさっきまで私とお喋りしてたのに。


「亮くん、部活は? まだ休みなの?」

「お盆休みは今日までだな。明日からあるが、主要な試合は終わったし、晶子が帰るまでは一緒にいる」

「良いの? じゃあ、ちょっとだけお買い物いかない?」


夏休み全然遊べなかったから、少しはお出かけしたいです。

亮くんにお願いすれば、笑顔で了承してくれました。

今日はもう三時過ぎていて余り時間がないので、明日お出かけです。

手芸屋さんに行きたいし、髪ゴムやヘアピンも見たいな。服も、カーディガン新しいの欲しいし、秋用にパンプス見たいな。

あれもこれも、と口に出していったら、ショッピングモールに行くことに決まりました。





「行ってきまーす!」

「行ってきます」

「行ってらっしゃい。お昼も食べてくるのよね? あまり遅くならないように、気を付けてねー」


おばさんに見送られていざ出発です。

おばさんに出掛けることを話したら、あらいいわね。と言われたので、一緒に行こうと誘ったのですが……

ええ、にっこり笑顔で断られましたよ。

曰く、野暮なことはしないわ。とのこと。

息子のデートだとかしっかりエスコートだとか何か聞こえたけど、きっと空耳だよね?


「亮くん、剣道部の主将ってもう代わったの?」

「いや、まだだけど、秋にある大会の前に決めなきゃだな。そういう事決めるのは、副主将の方が適任だな」

「へ~、亮くんが信用してる。珍しい」

「そうか? 晶子、信号」


喋りながら話していたら、交差点だったみたい。

歩き続けようとした私を、亮くんが腕を掴んで止めました。次の瞬間、車が前を通過していった。

危ない危ない。`あの瞬間´より前に死んじゃったら私、何のためにやり直してるのよ。


「あ、ありがとう亮くん」

「ちゃんと周りを見てろ」


はーい。と返事をして、青になった信号を確認してから歩き出す。

亮くんに取られた腕は、そのままするりと手繋ぎに変更されました。

まぁ、今更なので何にも言いません。亮くんと手を繋ぐのは、嫌いじゃないしね。


さてさて、ショッピングモールにつきました。

まずは手芸屋さんに寄りたいです。

ショッピングモールにある手芸屋さんは、いつも行く手芸屋さんよりも小さい規模だけど、手芸パーツの種類が豊富なので、ファスナーひとつ選ぶのにも結構目移りしちゃいます。


「うぅ~…こっち……いや、布の色を考えると、こっち?」


決まりません。

布の切れ端でも持ってくれば良かったかもしれない。実際に当ててみると直ぐに決まりそうなのに。


「う~…ごめんね、亮くん。直ぐに決めるから」

「急いでないから、ゆっくり決めろ。ちゃんと納得した物の方が良いだろ?」


亮くん男前! ありがと~。と唸りながら、でも決める! これ以上待たせるのも申し訳ないし。


「次は?」

「服を見に行っても良い?」


というか、亮くんは何も買わないのかな?

聞いてみたけれど、特に必要な物はないから、と笑われました。

私の買い物に付き合ってくれるだけみたいです。申し訳ない。折角部活まで休んでくれたのに。


カーディガンを買い、靴屋さんで見て回り、お昼ご飯はパスタ屋さんに入りました。


「うーん、明太子…でもクリームパスタも美味しそう。……あ、トマトとナスも美味しそう…」


優柔不断ですみません。

結局、亮くんが明太子パスタ、私がベーコン入りのクリームパスタにして、二人で分け合いました。

むしろ私が両方を好きなだけ摘まんで、残りの処理を亮くんがしてくれた。って感じですかね。


ご飯の後は雑貨屋さんを二軒ほど巡り、ショッピングモール内をふらふらとウィンドウショッピングしてから亮くんちに帰宅しました。


「……は! いつの間にか荷物全部亮くんが持ってる!?」

「今気づいたのか? もう家だぞ」

「おぉう…」


亮くんの男前紳士が自然すぎて、全く気付かなかった。

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