表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/127

佐川先輩曰く、私が亮くんと一緒に来るのは、予想していた。が、見知らぬ美少年‐光希のこと?‐まで従えてくるとは思わなかった、らしいです。

そして、私が調子に乗って亮くんだけじゃなく、光希とも手を繋いでいたから、予想外すぎて崩れ落ちた、らしいです。


「光希って美少年なの…?」

「普通じゃないの? 俺、姉ちゃんと似てるって良く言われるよ?」

「じゃあ美はつかないよね?」

「…無自覚姉弟…」


光希と二人で首を傾げる。

ぼそりと亮くんが何か呟いたけど、聞き返しても教えてくれませんでした。


「ていうか、さ。何か凄い事になってる一角があるんだけど…これも、手作り?」


光希が家庭科室の一部を見つめて驚いています。まぁ、無理もないです。

総レース作品がこれでもかっ! って飾られてますからね。

勿論、全て木内君の手作りですよ。一針一針手で編んだんです。

いやぁ、あの集中力と手の動は、ちょっとした機械のようでした。

飯塚先輩のせい…ゴホン、お蔭ですね。


「木内君が、段々ほんとにプロになっていくよ…」

「仕方ないよ。飯塚先輩に目ぇ付けられちゃったから。終わりだから、ある意味」


佐川先輩ひどいっす。でも否定は出来ない。

頑張れ、木内君。


一通り作品を見て、早苗ちゃん達のクラスへ向かいます。

勿論、光希とは手を離したよ。亮くん? 離せるはずがないよね。


「早苗ちゃんとかなちゃん、居るかなぁ?」

「あ! 晶子ちゃん! いらっしゃ~い」


二人のクラスへ入れば、かなちゃんがすぐに気付いてくれました。

ていうか、かなちゃん……何故にねじり鉢巻?

素直に聞けば、そのほうが縁日っぽいから。と単純明快な答えが返ってきました。

いやいや、かなちゃん、それあなたしかやってないよ?


「光希君、また背ぇのびた~?」

「一月も経ってないのにそんなに伸びないよ」

「そう? 私も背ぇ抜かされちゃったからな~。あ、早苗ちゃんはね、ついさっき当番終わっちゃったんだけど…」

「そっかぁ~。早苗ちゃん、誰かと回るのかな? 一人なら一緒に回りたいけど」


光希と話して、私と話して。かなちゃんはころころと表情も話すことも変わって忙しないね。

楽しいからこっちはいいけど、良く舌噛まないよね。


かなちゃんに促されて、射的をやることになりました。

射的といっても、輪ゴムを飛ばす割り箸銃です。


「的に両面テープが付いてて、そこに当たれば輪ゴムがくっつくの。そしたら景品が貰えるよ~」

「へぇ~、的の点数で景品も変わるんだね」

「はい、晶子」

「え!?」

「頑張れ姉ちゃん」

「は!?」

「晶子ちゃんファイト!」

「ちょっ!」


亮くんに割り箸銃を手渡され、光希に肩をそっと叩かれ、かなちゃんにサムズアップされました。

…やればいいんでしょ、やれば! どうなっても知らないからねっ!






「……」

「…姉ちゃん」

「えっと…」

「ほらぁ! こういう空気になるじゃない!」


何とも言い難い表情の三人に、私は自棄気味に叫ぶ。

えぇ、えぇ。予想通り、輪ゴムが四方八方飛び散りましたとも。

的? とってもまっさら、綺麗なものですよ。


亮くん、無言で頭を撫でて微笑むの止めよう? すっごい心に刺さるの、その気遣い。

光希、肩竦めて輪ゴムを拾いに行くのして。お姉ちゃん立つ瀬がないわ。

かなちゃん、我慢してるんだろうけど、肩震えてるし、口の端引きつってるよ。我慢しないで笑ったらいいよ。


結果。

私は参加賞という、折り紙の鶴を貰いました。


「かなちゃ~ん、て、あれ? 晶子ちゃん達、来てくれたんだ」

「早苗ちゃん」


他のものを光希にやらせようと考えていたら、早苗ちゃんがクラスに戻ってきた。

かなちゃんの分の飲み物を買ってきたみたいです。かなちゃんの休憩はまだ先だから、水分だけでもってことらしいです。


早苗ちゃんは誰かと回る約束はしていないらしいので、一緒に回ることにしました。

その前に、光希にヨーヨー釣りをさせました。

三つも取りました。……解せぬ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ