文化祭ですよ
テストも終わり、すぐに文化祭です。
テストの結果? 何時ものように、亮くんには勝てませんでしたが何か?
クラスの出し物は、栞作りとなりました。
文房具屋さんで売っている、機械を使わないラミネートシートを使って、押し花や自分で描いたイラストを挟んで作る栞です。
機械を使わないから熱くならないし、小さな子でも簡単に作れるので、先生からもオッケーが出たのです。
栞ってこんなに簡単に出来るんだね。ラミネートもシールみたいでお手軽です。
あと、材料費安い!
「晶子は、今年はどうするの?」
「何が?」
「桑崎と文化祭まわるの? 前半は当番で潰れるじゃない」
「…そういえば由紀乃ちゃん、いつの間にか亮くんも長谷部君も呼び捨てになってるよね~」
「目が泳いでるわよあなた…まさか桑崎…」
亮くん、私の当番の間教室にいるってよ!
由紀乃ちゃん、呆れないで。
亮くんのクラス、今年も展示なんだって。部活の方も当番ないし。
うちのクラスは、運動部は部活の当番がある人もいるから、文化部が主に当番になります。
というか、やること的に女子が中心になるので、ほとんどの男子には部活の方を優先にしてもらおうということになりました。
不器用さんが多かったんだよ。
ちなみに、私は今年は部活の当番不参加です。去年と同じ轍は踏まない!
「まぁ、桑崎の女子人気で人来るかも…ね」
「うぅ…」
亮くんの過保護。
…文句になってないわねこれ。
栞に使うお花を道端や庭から持ち寄ったり、見本用にイラスト描いたり、栞を実際に作ったりして。
文化祭当日です。
「神代さん、」
「何も言わないで…分かってるから…」
朝から栞作りの当番なのですが、亮くんが居ます。当然のように居ます。
一緒に当番をする子達‐主に女子‐がざわざわしてます。
私の当番はお昼前までの、二時間半です。
その間、亮くんはうちのクラスの窓際に陣取り居座るみたいです。
教室の机を六つずつくっつけた形にしたのを三つ作り、教室の入り口に二つ会計用の机があるだけで、残りは壁際に寄せてあるので、そこから椅子を取ってきたみたいですね。
「あ、いらっしゃいませ~」
「「「いらっしゃいませ~」」」
どうやら一組めのお客さまが来たようです。
亮くんのことは気にしない方向でいきましょう。気にしたら負けだよ。
数人ずつそれぞれの机について、作り方を教えたり穴を開けてリボンを付けたりします。
結構簡単な物なので、私達のやることってあんまりないのです。
「台紙にする紙の色を選んで、好きなお花を置いていってね。それで、空気が入らないようにゆっくり挟んで…そうそう」
「穴を開けるからかしてね。リボンはどれが良い? 二つ折りにして穴に通して、はい、出来上がり」
「イラストが良い? じゃあこの紙に…色鉛筆とクレヨン、マジックペンはこっちね」
文化祭が始まって三十分もすれば人が増えて、そこかしこで手順を教える声がする。
簡単だし、直ぐに出来上がるしで結構人が来てます。
チラッと入り口見たら、数人順番待ちしてたよ。
「神代さん、台紙の紙まだあったっけ?」
「あ、あるよ。ちょっと待ってね」
他の机から呼ばれて、台紙の紙を机から出してそっちに持っていく。
数少ない、当番に参加した男子です。
なかなか器用なんですよ、水沢君。
「はい、これくらいでいいかな、水沢君」
「ありがとう神代さん。…あの、良かったらさ、」
「晶子、交代の時間よ」
「あ、由紀乃ちゃん。ありがとー。あ、ごめんね、何だった?」
「…いや、何でもない、台紙ありがとう」
水沢君が何か言った気がしたけど、由紀乃ちゃんに呼ばれて聞いてなかったわ。
聞き返したけど首を振られちゃったし、良いのかな?
今ちょうど手順教えてる人居ないし、直ぐに交代して大丈夫かな。
もう交代して居なくなった子もいるし。
亮くんがスタンバイしてるし。
「ほら、桑崎待ってるから行きなさいな」
「ありがと由紀乃ちゃん。亮くん行こ~」
「あぁ」
亮くんの所まで行けば、亮くんは一瞬どこかを見てから、私の手を取って歩き出した。
さて、まずはご飯だよね。なに食べようかなぁ。




