予定が一つ、入りました
「姉ちゃんと亮太兄は、夏休み忙しい?」
「夏休み? まだ何にも予定考えてないなぁ」
ご飯が終わり、食休みをかねてまったりしていたら、光希が私達の方を見て首を傾げた。
定位置となった、二人掛けソファに私と亮くん。一人掛けに光希がいて、私達の向かい側にお父さん二人がいます。
敦さんとお母さん達はダイニングテーブルにいます。
お父さん達は、今はワインを飲んでます。
「夏の大会、見に来てくれる?」
「少年野球の? あー、そっか。最後だもんね」
光希のいるチームは確か、小学生までなんだよね。中学生はもう一つのシニアチームになる。
小学校最後の大会になるのかぁ。
「勿論、応援に行くわ。日程詳しく教えて」
「中学は? シニアに入るのか?」
「大会のプリント後でコピーするね。シニアは入らない予定だよ。中学は学校の部活をしっかりやるつもり」
学校だと軟式野球になるよ? と言えば、野球以外も考えてると言われました。
光希も色々考えてるようですね。
…普通小学生がこんなしっかりしてるかなぁ? 亮くんの影響かしら?
「またかなちゃん達とカレンダー作ろうかな」
「その前に期末テスト、頑張りなさいよ」
…お母さん、嫌な突っ込みをありがとう。
亮くんにまた教えてもらおう。一人じゃぜったいケアレスミスするわ。
夏休みかぁ…今年はかなちゃんと由紀乃ちゃんは部活が忙しそうなんだよね。レギュラーだし。
しっかり予定を確認しなくちゃね!
長谷部君も試合あるのかな? 忙しいなら誘うのよそうかなぁ。と呟いたら、亮くんに拗ねるから誘ってやれ。とため息吐かれました。
長谷部君は拗ねると面倒らしいよ。
光希の試合のことを話せば、早苗ちゃんは快諾。由紀乃ちゃんとかなちゃんは部活の日程しだい。長谷部君は勿論! と拳を握ったけど、まだサッカー部の夏休み日程でてないって。
亮くん? 光希のお願いなんだから来るに決まってますよ。
「光希が見に来てなんて言うの、もしかして初めてじゃない?」
「そうだな。滅多に我儘言わないしな」
うふふ~。四年生位から我儘とかお願いとか、言わなくなっちゃってたから、ちょっと嬉しいな。
ブラコン? 家族大好きですけど悪いですか?
「光希君の野球やってるところって、あんまり見たことないね~」
「私達は大抵の土日、部活あるし、仕方ないけれどね」
かなちゃん達も部活がなければ絶対行くと約束してくれました。
夏休みも近いし、予定のためにもテストを頑張らなくっちゃね。
「へ~、神代さんは弟いるんだ。僕は姉一人だから、男兄弟って羨ましいなぁ」
「私はお兄ちゃんが二人いるけど…木内君、なんならあげるよ?」
「いや、遠慮しておくよ」
しなちゃん、発言がおかしいよ? 木内君は苦笑しています。
テスト前最後の部活で、夏休みのことを話せば、気が早いと笑われてしまいました。
だって光希のお願いだもん。テンションおかしいな? どうしたんだろ、私。
木内君はお喋りしながらも目線は手元しか見てない。
凄い真剣に飯塚先輩から借りた‐押し付けられた、とも言う‐本を見ながらレース編みをしています。
文化祭に見に来るだろうから、今から真剣なんです。
さて、私も文化祭用に何作るか決めなくっちゃね。
「しなちゃん、今なに作ってる?」
「私? 夏用のパジャマ!」
型紙があって、ダブルガーゼの布が安かったらしい。
綿布よりも柔らかいし汗吸うからパジャマにちょうど良いんだって。
「パジャマかぁ…」
それも良さそうだけど、作るときっと、亮くんや光希の分も作らなきゃならなくなる気がする。
私の懸念が解ったのか、しなちゃんが苦笑いしながら、止めておきなよ。と言われました。
まぁね。三人分って、文化祭に間に合わないよね?




