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新入部員について

バレッタが完成しました。

大量生産してみた! ので、かなちゃん、由紀乃ちゃん、早苗ちゃん、しのちゃんにあげてみた。


「全部柄が違うんだね~、可愛い」

「本当に貰ってもいいの?」

「もらって~。ぶっちゃけ作りすぎたの」


部活休みの日、授業が終わった後にしのちゃん以外に見せれば、三人ともひとつひとつ見ながら選んでいく。

しのちゃんには作ってる時からこれが良いと言われたのがあるから、既にあげちゃったのです。


「晶子ちゃん器用だよね~、羨ましい」

「早苗ちゃんだって絵が凄いじゃん、私そういう女らしいの苦手だから、二人とも羨ましい~」

「かなは家事全滅だものね……あ、私これにするわ」

「私は運動苦手だから、かなちゃんと由紀乃ちゃんが羨ましいわ。最近太ってきたし…」


二人のすらっと引き締まった体が羨ましいです。本当に!

ね~、と早苗ちゃんと頷きあえば、かなちゃんが、料理も掃除もできる方が絶対良い! とよく分からない反論をし始めた。


「大体ねぇ~、ちょっと痩せてたって、好意持たれるのなんて最初の内だけなんだよ~? イベントある時にさっと手作りお菓子とか、遊びに行ったときに部屋が片付いてるとか、そ~ゆうのが男心を掴むんだよっ!」

「ちょ、どうしたのかなちゃん?」

「早苗、そっとしときなさい。……憧れてたお隣の二つ上のお兄さん、彼女出来たんですって……」

「あ~、傷心中?」


由紀乃ちゃんに聞けば、幼馴染みだったし、去年の秋頃までは何とな~く良い感じだったらしい。

でも、お兄さんが本格的に受験シーズンになり、ちょっと疎遠になった時、同じ塾の同級生と急接近。

一緒に勉強するようになって、勉強のお供にってお菓子や軽食作ってきたり、彼女の家で勉強会したりしていって……まぁ、そういうことになってしまったらしい。


「かなちゃん………どんまい」

「ぅぁあああ~んっ!!」

「晶子ちゃん…トドメ刺したね…」

「晶子に言われたら……何も言えないわね…」


肩ポンしたらいきなり叫んで机に突っ伏したかなちゃん。

大声だすから、残ってたクラスメイト達がこっちに注目したよ、いきなりどうした?

早苗ちゃんと由紀乃ちゃんは、何故か呆れた視線を私に向けています。私が悪いのか?


「そういえば、部活の方はどう? 後輩入ったのよね?」


そうなんです! 運動部はわりと早い段階で本入部が始まるんですが、文化部は先週まで仮入部、体験入部期間だったんですよ。

入れ替わりが結構激しくて、入ってくれる子がいるか不安だったんだけど…本入部員が八名! 正式入部しました!


「全員女子なんだよね~。木内君が肩身せまい思いしなきゃいいけど」

「美術部は男子三人、女子十人だよ~」

「やっぱ男子は運動部に取られるよね~」

「人数厳しくなるよね~」


早苗ちゃんとふたりで盛り上がる。

いやぁ、男子向きじゃない部活だって分かってるけど、やっぱり人数欲しいし、力仕事たまにあるし、いると良いよね~って思うわけですよ。


「カンバスも大きいの重いし、石膏像とか動かすし」

「トルソーとか、布も量あると結構重いよ。かさ張るしね~」


ミシンも重いよ、アイロン台は商業用のだから場所固定だけどね。

あれもそれも、と浮かんでくる重いもの。

やっぱり男子数人は欲しいなぁ。


「桑崎くーん、晶子ちゃんがうーわーきぃー」

「ちょっとかなちゃん!?」


いきなり何を叫ぶのよ?

クラスには私達しかいないから変な誤解はされないけど……


「浮気?」


亮くんっ、なんてタイミングで来るのよっ!?


「亮くん…」

「ありゃ……ははは」


かなちゃんヒドイ。

乾いた笑いをしながら由紀乃ちゃんの方に後退りしていったよ。


「晶子?」

「浮気なんてしてないよっ!? ただ、文化部は男子が入らないねって話を…ね! 早苗ちゃん!」

「ぅえっ? 私!? そ、そうだよ桑崎君っ。重いものあるし、男子がいると、便利だよねって話してただけだからっ!」


ひーっ! 別にやましいことなんて何にもないのに、何で私はこんな焦っているんだろう?

よく分かんないけど、とりあえず早苗ちゃんと二人、亮くんに文化部の力仕事について語り尽くしました。

知らんぷりしてるかなちゃん…許さない!


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