年末はサクッと過ぎます
文化祭が終わったらテスト。
テストが終われば、冬休み!
…まぁ、テスト勉強大変だけどね。
いつだったかお母さんに、ここから成績が落ちていくのかしら? とか言われたので、毎回必死ですよ、割りと。
二回目って言ったって、基礎以外あんまりっていうか、ほとんど覚えてないし。
でも、亮くんに一回くらいは勝ちたいなぁ。
と言うわけで頑張ったんだけど……
「うぬぬ、やっぱ負けちゃった…」
「あら~、惜しかったわね~」
「姉ちゃん、なんで8×5が48になるの…」
光希、そういう細かいミスを指摘しないで。亮くんも、頑張ったな。って言いながら頭撫でるの止めて。虚しいわ。
何だろう。何だったら亮くんに勝てるの?
勉強も運動も負けてるし、気遣いもナチュラル紳士には勝てない。…あ、モテ具合も完敗だわ。
「亮くんの弱点って、本当、何なの?」
「今更か?」
何か勝ちたいよ~。と言えば、亮くんが軽く目を見張った。
お母さんも光希も、そんな、信じられない。みたいな表情しないで。
え、皆知ってるの? 亮くんの弱点?
教えてよーっ。
「え~、晶子ってば全く気付いてないの?」
「小学生の僕でも分かるのに…姉ちゃんって…」
ちょっとー、お母さんも光希も、こっち見たままこそこそしないでよーっ。
「まぁ、晶子はそのままで良い」
「ちょっ、亮くんそれどういうこと?」
私に勝ち目は少しも無いってこと!?
解せぬっ!
冬休みの計画は、あんまり無いです。
やっぱり年末年始は家族と過ごすし、クリスマスもな~、毎年亮くんの所と二家族でパーティーだし。
年始は祖父母の家に行かなきゃ、お年玉貰えないしねっ。
「じゃあ、やっぱり二十五日?」
「そうだね~」
「まぁ、二十四日は、イブだし。当日ってことでいいんじゃないかしら?」
「ケーキ安くなってるしね!」
早苗ちゃん、そうだけど、そうじゃないよ~。
パーティーではないけど、クリスマスは由紀乃ちゃんちで女子会です。
家族と過ごすのは、どのお家も二十四日だったから。
亮くんと長谷部君? 女子じゃないから入れませんよ。
ケーキは当日に買えば早苗ちゃんの言うように安いので、由紀乃ちゃんちに行くとき買っていく。
飲み物は由紀乃ちゃんが買っておいてくれるし、お菓子はまぁ、お喋りのお供だから色々と。
代金は、ちゃんとレシート合算して割ります。由紀乃ちゃんと早苗ちゃんが、その辺りしっかりしているのです。
「「おじゃましまーす」」
「いらっしゃ~いっ」
「って、かなちゃん。自分ちじゃないでしょ、由紀乃ちゃんは?」
「由紀乃ちゃんは部屋に飲み物持っていったところ~。私はトイレ行ってたの」
南川さんちの玄関あけたら、野崎さんちのかなちゃんが現れました。
うん、テンション高いね私。
かなちゃんと三人で由紀乃ちゃんの部屋へ行くと、由紀乃ちゃんは既に座って待っていました。私達の声が聞こえたみたい。
「ケーキ出そう! それから写真撮って、乾杯しよっ」
「そうだね~」
「カメラはお父さんから借りておいたわ」
「タイマーある?」
見映えが良いようにケーキ周りを退けて、ジュースを入れたグラスだけ並べてみた。
部屋に飾られたツリーもちょっと動かして、っと。
由紀乃ちゃんにカメラのタイマーを操作してもらって、かなちゃんが真ん中でケーキをちょっと持ち上げて斜めに、上部分が見えると、どんなケーキか分かりやすいからね。
皆で笑顔。タイマーは良いタイミングでシャッターを切った。
「よしっ、かんぱーいっ」
「「「かんぱーいっ」」」
早速ケーキを切り分けます。クリスマスはケーキが主役! だけど最初に食べたい!
乙女心は複雑です。え、違う? 私達にとってはそうだからいいんです。
わいわいと、他愛ない話をしつつケーキを食べ、お菓子を開けて、ジュースを飲んで。
いつの間にか、話題はここにいない亮くんと長谷部君のことに。
「晶子ちゃんも大変だよね~。桑崎君めっちゃモテるし」
「そうね。また女子に呼び出されたり、嫌がらせされてない?」
「今は全然ないよ~。まぁ、たまに睨んでくる子も居るけど、何も言われないし」
「…ね~、そういえばこの前、長谷部君のこと女子に聞かれたんだけど…」
「長谷部君? そういえば、私も聞かれたことあるわ」
長谷部君も運動会が終わってから、だんだんと人気が出てきたらしい。
爽やかサッカー少年だし、何気に紳士なんだよね。
亮くんとは違って男女問わず親しみやすいし、いつも笑顔だし。
「私、長谷部君は由紀乃ちゃんとかなちゃん、どっちと付き合ってるの? って聞かれたことある~」
「あ、私も~! ……で? 本当のところ、どっちか付き合ってるの?」
「へっ? 」
「かなか私? ……かなって言っておけば?」
「ちょっ、由紀乃ちゃんテキトー! 私も付き合ってないしっ」
うん、知ってるからそんな慌てないで。
ちゃんと、どっちとも付き合ってないと言っておきましたよ。
「…私たちってさ~、結構長い付き合いになってるよね~」
由紀乃ちゃんとかなちゃんは幼稚園から。亮くんは小学校一年生から。
長谷部君は五年生から。
「早苗ちゃんは、晶子ちゃんとが長いけど、うちらとももう親友だしね!」
「そういえば、早苗ちゃんは中学からだったわね。もうずっと一緒にいる気でいたわ」
かなちゃんっ由紀乃ちゃんもしみじみしちゃった。
早苗ちゃんはクスクス笑って嬉しそう。
女子会って楽しいわ~。




