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準備って楽しいよね

夏休みが終わってしまいました。

二学期です。


テストと文化祭、そしてまたテストがあります。

あ、確か英検も希望者は受けられるんですよ。……一応受けようかな。


「亮くんのクラスは、文化祭の出し物何かやるの?」

「うちのクラスは展示だけだな。特に何かするって訳ではない」


久々に家に来た亮くんに聞けば、残念な答えが返ってきました。

まぁ中学の文化祭だもんね。やれることも限られるよね~。

うちのクラスも展示ですよ。

飲食関係は、一部の保護者と先生方がやるらしいです。


「大分出来てきたな」

「うん、後はパーツをくっ付けて、目を付ければ完成だよ」


綿を詰めて、縫い合わせているのは、テディ・ベアです。

ウサギとネコが結構上手に出来たので、文化祭用はクマにしてみました。

普通の型紙を拡大コピーして、薄めのデニム生地で作ってます。抱き締めると丁度いいくらいの大きさにしてみた。


ウサギは当然のように、亮くんに持っていかれました。何故だ……。

因みにネコは光希に取られた。

言い方が悪い? いいえ、真実です。

部屋に置いておいたら、光希がみつけて、頂戴。と言いながら持ち去りました。

私良いなんて言ってないのにっ!

まぁ、嬉しそうだったし、大事にしてくれているので、仕方ないからそのままあげたよ。


亮くんといい光希といい、なんで縫いぐるみを欲しいなんて言うのか…謎です。





「神代さん、そっちは終わった?」

「はい、終わりました~。こんな感じでどうですか!」


じゃーん、と今まで配置を決めていたスペースを見せれば、飯塚先輩は笑顔でオッケーを出してくれた。


家庭科室に、家庭科部の作品が綺麗に並べられています。

飯塚先輩のレース作品も、三年生が作った服も、二年生が作ったカバンも、一年生の作ったエプロンや縫いぐるみも。

結構量があって、圧巻ですね。


「大きな縫いぐるみがあると、やっぱ見映えがいいね。周りのテディはカラフルだし、こっちのカラフルなのは、木内の作ったやつだね、レースで縫いぐるみのよだれ掛けか、ふぅん」

「先輩?」


何か考え始めちゃったみたい。

とりあえず今は文化祭の準備してくださいよー。

何とか間に合った大きなクマの縫いぐるみと、亮くんと光希に取られたウサギとネコを回収して並べ、前に木内君の作った鮮やかなテディ・ベアを並べた一角。

その隣にハンガーに掛けられたしなちゃんのエプロン。

他の子の作った帽子や、ネックレス。

一年生の作品は彩りがきらびやかです。


二、三年生のは鮮やかだけれど、落ち着きがある気がする。

何が違うんだろうか?


「飯塚先輩、文化祭の日って、此処に部員置くんですか?」

「そうだね~。クラスが展示だけの人には協力して欲しいかな」


先生が基本的に在中するそうだけど、先生も見回りや休憩がいるから、数時間は部員が配置される。

まぁ、一人15分位らしいけど。


作品の配置‐飾り付け、かな?‐が終わると、先生と部長が当日の事について説明、時間があり、当番を受けても良いと言う部員内での時間決めをする。

私も当日は何もないから、当番になります。

お昼時、丁度十二時からの、二十分くらいです。飯塚先輩と、二年の佐川結子さがわゆうこ先輩と一緒です。

佐川先輩は小物類を作るのが好きな人です。カバンとかパスケースとか。器用ですね、とっても。





「……そうか」


亮くんに、家庭科部の当番のことを話したら、ちょっと間の空いた返事が返ってきました。

不機嫌? になった亮くん。ソファに深く凭れてそっぽを向いてしまいました。


「に、二十分だけだからっ!」

「………」

「ぁぅ…」


亮くんがこっち見ない。返事してくれない。

こんなこと初めてだよっ! ど、どうしよう…亮くんが無視とか、経験ないから対処が分かりませんっ


文化祭の日、それから次の休日、丸二日を亮くんと一緒にいることと、休日の昼御飯を私が作る事を約束して、ようやく亮くんがこっちを見てくれました。

……ビックリした~。

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