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花火大会です

七月中に三回、かなちゃんちや私のうちに集まって皆で宿題を片付けました。

三回のうち二回は長谷部君が飛び入り参加、亮くんは私のうちに集まった時に参加をしました。


皆で教えてもらったり教えたりして勉強したからか、八月始めには宿題が終わりました。

あとは夏を満喫するだけです!


「あ、晶子ちゃん! こっちこっち!」

「かなちゃん! ごめんお待たせ~」


八月の第一土曜日。

花火大会です。


朝から屋台は出ているけど、由紀乃ちゃんは部活なので、私達は夕方から待ち合わせをしました。

待ち合わせ場所へ着けば、かなちゃんと早苗ちゃんがすでにいました。


「わぁ、早苗ちゃんの浴衣可愛い!」

「ありがとう、お母さんのお古なんだ~。晶子ちゃんは金魚と、蔦?」

「お花はないんだ~。でも大人っぽくていーなぁ」


早苗ちゃんとお互いの浴衣について褒め合えば、私も着てこれば良かったぁ。とかなちゃんがしょんぼりした。

まだ八月終わりにもお祭りがあるし、その時に着ようよ! と言えばすぐに笑顔になりました。


「……もしかして、さ? 晶子ちゃんの浴衣、桑崎君が選んでたり……」

「あははは………せいかーい」

「「マジか」」


乾いた笑いを返せば、二人は驚いたような、呆れたような顔で亮くんを見た。

えぇ。当然ながら亮くんも一緒に居ますよ。

帰りが夜になるような、しかも大人がいないような集まりに、うちの親が亮くん無しに行かせる訳が無いじゃないですか。

亮くんも付いてくるのが当然と言わんばかりに私の浴衣を選んでましたよ。


「晶子は落ち着いた色の方が似合うからな。ピンクやオレンジだと子供っぽすぎて違和感がある」

「あ~、そうですかぁ…」

「桑崎君って…本当に…」


二人とも、そんな遠い目しないで。

微妙な空気が漂ってしまった私達だけど、ふと視線を上げれば由紀乃ちゃんが目にはいった。


「あっ! 由紀乃ちゃ、ん……?」


あれ、由紀乃ちゃんだよね?

言葉が途中で切れた私に、かなちゃん達がそっちの方に振り返り、私と同じように固まった。


「南川。長谷部も」

「おう。俺達が最後か~、わりぃ待ったか?」

「ごめんね。なかなか歩きなれなくって」


亮くん、なんでそんなに普通の対応なんですか。少しは驚こう?

由紀乃ちゃんは私達と同じく浴衣でした。でも私達とレベルが違う、完成度的に!

白に近い水色に、青や藍の太さの違うたて線が波打った柄。そこに朱や橙の中くらいの花が疎らに咲いていて、日に焼けた由紀乃ちゃんの肌色に馴染んで大人です。

髪もアップで纏められてて、色っぽい!

中学生? 同い年だよね?


「由紀乃ちゃん、綺麗~」

「うん、きれい」

「似合ってるよー、凄く綺麗!」


三人から口々に言われてちょっと恥ずかしそうだけど、言わずにはいられないねっ! すっごく綺麗なんだもん。

因みに、長谷部君と亮くんは普通にジーパンTシャツです。

八月末のお祭りでは皆で浴衣、もしくは甚兵衛で。と約束して、屋台を巡ろうと歩き出す。


花火が上がるのは7時から。

今はまだ5時半過ぎなので、屋台で色々と買い込みながら花火を見る場所まで移動しよう。となった。


「ヤキトリ~お好み焼き~、たこ焼きと~、焼きそば、フランクフルト?」

「リンゴ飴とクレープ良いなぁ。あ、お茶買わなきゃね~」


長谷部君とかなちゃんが左右の屋台を見ながらどれを買うか悩んでます。

目移りするのは解るけど、はぐれないでよ?


「由紀乃ちゃんと早苗ちゃんは何食べる?」

「私は焼きそばとフランクフルトかな。部活後だし、食べる時間無かったから」

「私は軽く食べてきたから、わたあめとベビーカステラ」


皆食べるものだいたい決まってるんだね。

歩きながら近くの屋台で買っていく。

私は何を食べようかなぁ。


「亮くん、何食べる?」

「たこ焼きかな。晶子は?」

「たこ焼きかぁ……ね、お好み焼き半分あげるから、たこ焼きちょっとちょうだい?」

「良いぞ。後、飲むものか」


近くに自販機があったよ?

チラッと見えたからそれを教えて、皆で移動。それぞれに好きなものを買って、また屋台の方へ。


「あ、お好み焼きあったぞ」

「長谷部君待って。私も買う!」


お好み焼きの屋台を見付けた長谷部が駆け足になったのを、慌てて追う。

もちろん、皆に待っててもらえるよう一言いってからですよ。

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